記事一覧

No.3567 アメリカの解せない社会

2022.05.26

 ロシアによる侵略戦争にウクライナが抗戦を続けている。どこぞの評論家が語る降伏すべきという論調が正しいとしたら、独裁全体主義国家の領土拡張戦略はますます図に乗ることだろう。それこそ未来の地球は赤い主義で塗り固められていくに違いない。ウクライナ国民の国土国民を守るための戦いは果てしなく続くとしても世界全体の民主主義が敗れることがあってはならない。
 ウクライナの抗戦にアメリカが果たしている役割は大きい。中露北の標的は間違いなくアメリカをリーダーとする民主主義体制に焦点を当てている。アメリカ無くして対中露北との聖戦は考えられない。NATO版アジア連合が出来そうな感触にあるのは歓迎すべきことかもしれない。なにより、アメリカには領土拡張という卑劣な精神は無いと考えられるから。

 ところが、そのアメリカにも奇妙な社会ルールが存在する。
 またまたと言うべきか、学校を狙った銃乱射事件が発生した。小学生19人を含む21人が犠牲になるという慟哭かつ衝撃的な事件だ。18歳の高校生に何があったのかは現場で銃殺されたことから永遠の闇になるのだろうか。
 なぜ、18歳の高校生がこれほどの人命を奪う銃を持ち、使用できるのだろうか。事情が異なる日本では理解しがたいことだ。
 日本から帰国直後のバイデン大統領は、何らかの規制が必要だと発言。しかし事件発生地のアボット知事は規制の必要はないと発言したという。規制どころか、銃が一般社会に自由に存在するということ自体まったくもって理解しがたい。日本に限らずそういった社会であったら、この種の事件は発生するだろうと思う。数年前に「ジョーカー」という異様なほどに身勝手な銃犯罪を重ね、ゴッサムシティを恐怖に陥れる映画があった。アカデミー主演男優賞を得ているが、ストーリーは空想社会であっても、こと銃発砲という事件性はアメリカの現実である。
 世界を守る世界の警察という評価は、オバマ大統領によって薄れた格好になったが、2大政党に世界を守るという認識で大きな違いはないはずだ。
 ところが、銃社会への警鐘精神においては、民主党と共和党には大きな隔たりがある。日本では18歳を成人と見なす法が施行されたばかりだ。この少年は小学生時代に何らかのトラウマを持つ経験があったのだろうか。過去には、刃物を手に小学生を追い回すという事件が日本にもあったが・・・。
 なんともまとまらないブログになったが、アメリカの明と暗。住みたくない、行きたくないアメリカの銃社会ルールであると感じた次第。

No.3566 議員の性善説

2022.05.21

アイコン

 前号に関して、いくつかご意見をいただきました。ありがとうございました。
「選挙は民主主義の根幹であり、それは選挙の無い中国や北朝鮮との比較で考えても明らかだ。ただし、その選挙制度が、強権独裁全体主義政権を形成する結果をもたらすのは昨今の世界情勢によく見られるが、それも民主主義の根幹である選挙制度によるものだとすれば受け入れざるを得ないという見方も出来る」
 といったまとめになるようです。
 しかし、ミャンマーのように国政の選挙結果に不正があったとして、アウンサンスーチー女史逮捕から軍事クーデターに結び付け、強権軍事政権を樹立した上、民主的に抵抗する市民の大量殺戮まで行った例もあります。選挙が非民主主義的に行われたとの非民主主義的主張がまかり通ってしまったのです。
 政治家の主張など身勝手なものだというのは歴史上の独裁者を上げればキリがないほどで、性善説など通用しないようです。

 この性善説について「性善説のもろさ露呈」という表現を用い、政治報道面で大きく取り上げたメディアがあります。立憲民主党の元参議院議員による「JR無料パス」の悪用事件です。
 2010年の落選後10年以上にわたり国会議員特権を不正に利用していたモラルハザードに関わる低次元な犯罪ですが、そもそも、議員という立場が世間の見本になるという思考は成り立たないことははっきりしていると思います。全政治家がそうだというわけではないのですが、議員による利権や既得権益や立場の利用を駆使した犯罪行為は歴史的にも繰り返されてきた事実があります。
 政治家を先生と崇める有権者の思考対応にも問題はあるのでしょうが、今回の不正事件はまったく個人的なモラル志向の欠如がもたらしたものです。ひょっとすると、他にも同様の元政治家が横行している氷山の一角かもしれないのです。それらは今回の事件発覚で静かに無料パスを返却することになるかもしれませんが、国会事務局はそれを表面化することは避けるはずです。なぜなら、返却もしくは回収という手づるをおろそかにしていた当事者だからです。返還数や返還率すら把握していない事務局を問題視する識者もいます。
 議員を引退もしくは落選した場合、特権に関わるものは返すルールになっているのに、歳費法に規定がないから返却をお願いするしかないという実態と、その見解には驚きます。ならばお願いしても返さない元議員がいるということでしょうか。
 そう考えてふと思うのは、この元議員はパスを利用する際、議員バッジも付けていたのではないかということです。JRの職員はバッジを確認出来たらパスを詳細に確認しにくいし、しないのではないかと。バッジの不正利用があったとすれば制度不備を補う必要はありますね。
 モラル度の高い議員には迷惑な話ですが、議員の性善説など持つべきではないと感じる事件でした。

No.3565 選挙は民主主義の根幹か?

2022.05.17

 全体主義、独裁政権の国家が国際情勢のゆがみの原点をもたらしている。反面、資本主義の現状も問題視する評論が少なくない。
 前者は、言うまでもなく自国権益のために核武装及び威嚇をし、領土侵略、民族弾圧・虐待・拷問といった非人道的行為などをいとわない国。また、国の都合で情報統制や言論弾圧を国家ルールとして示す国。
 後者は、おおらかな自由を推進するが、自由な競争社会が貧富の差を生んでいることが社会の平等性をないがしろにしていると評される国。
 どちらの国民でいたいかと言えば、結論は言わずもがなであろう。

 しかし、今がどうあれ選挙によって国の体質が変わってしまうことがある。特に、大統領制という国民投票制の元では、国民主権で無くなる国体変化がもたらされることもある。
 先日のフィリピン大統領選挙がそうではないだろうか。強権独裁政治の権化とも言われたマルコス大統領の息子候補が圧倒的な差で勝利を得た。候補者演説会も拒否し、ネットでの若者票の取り込みに焦点を定めた選挙戦。
 故マルコス大統領は、やりたい放題の贅沢奢多な実態が明らかになって、放逐、財産没収となったが、事実は全財産の35%程度の没収で、いまだ1兆円近い未没収財産があると言われている。
 今回、息子候補はインフラ整備を主体に治安と経済の改善を訴えたようだが、インフラ整備が遅れた原因には先代の政治手法の問題もあったはずである。しかし、今回の選挙で国民は圧倒的に世襲候補を支持した。
 原因は、若い人は過去に国を揺るがした事件や問題を知らないということと、たとえ知らされたとしても現社会への不満が先に立ち、劇場型選挙の雰囲気にのまれる形で候補者選択をする傾向がある様に思う。こうした選挙結果から国民置き去りのファミリー奢多政治が現実となった場合のことを思うと、選挙が民主主義の最たる制度だと言い切れるかどうか悩ましい。


 新大統領となるマルコス家は、不正蓄財、学歴詐称などの問題点が指摘されている。捜査機関への直接的な影響をもたらす可能性も考えられる。92歳になるイメルダ夫人はこうした関連でいまだに係争中。肝心の新大統領は、オクスフォード大卒とか米MBA取得といった事実はないという。となると、司法・捜査機関に直接介入する可能性もある。
 そういったことは問題外で大量得票を獲得した新大統領だが、国民の信任を増す政治を実現できるのか、それとも良くも悪くも先代政治を承継するのか興味深い。先代政治は国を発展させたと称していることから、どうも同じ方向で国を仕切る大統領になりそうではある。副大統領は、前大統領ドゥテルテ氏の長女が当選した。
 果たして国民の選択が正しかったのかどうかが判明するのにさほど時間はかからないかもしれない。日本にとってのフィリピンを考える時、それは中国外交をどのように構築していくか、自由で開かれた南シナ海の維持にどう対応するのか。実利を重視した中国外交では海洋権益という面で不安を生じることになることは間違いない。

No.3564 子どもワクチン接種

2022.05.14

 先日のこと、小学生の親御さんからワクチン接種についてのご意見をいただいた。高齢者に限って言えば、幸手市の第3回目のワクチン接種は順調に進んでおり、国、県の平均値を上回る状況となっている。予約制の集団接種は当初ほどの問題もないようで、街で行き交う人たちのほとんどは3回目は済ませたと口にされる。
 ところが、そのお母さんの言われる内容をお聞きすると、子どもの接種についてはいろいろな問題があるようだ。簡単に言うと、集団接種に拒否感があるのだ。子どもさんにはアレルギーや喘息といった基礎疾患を持つ子が少なくないといい、それから考えられる副作用が恐いと。そこで、かかりつけ医とか、それがダメなら当番制でもいいので個人接種は出来ないものかと悩んでおられ、そうした意見はお母さん方の会話に多いという。
 そうした悩みは、隣町をはじめ他の自治体の実態を知ることにもつながり、多くの街で個人接種制度を取り入れているという事実も教えていただいた。
 ただ、前々から言われているワクチン1バイアル、つまり1瓶5人分の容量に対して無駄を出さないためには、個人接種とは言ってもやはり同日に最低5人の接種者がいることが望ましく、クリニック側でもその為の予約制を設ける必要が生じることになる。現在においても、ワクチン供給に余裕があるわけではなく、新たにノババックス製ワクチンを厚労省が認可したにせよ、需要を供給が上回っているとは言い難い実情である。
 なかなか、難しい問題ではあるが、集団接種がゆえに5歳から11歳の接種率が低率でとどまることは望ましくはない。接種者側の悩みに応えるのが医療福祉及び行政の立場だとすれば、医師会も含めて改善策を検討すべきとは感じる。少なくとも、メリット・デメリットの詳細を検討する意義はあると思うが、はたして関係各位ぞれぞれの立場において、ヤングファミリーのコロナ対策の悩みにこたえてあげられるものだろうか。

No.3563 惜しまれる死

2022.05.10

 このところ、深夜から朝方にかけて春をどこぞに忘れてきたかのようだ。冷え込むという表現まではいかないものの異様に寒い。7時過ぎに外出するので、アンダーシャツを長袖に、その上からシャツ、ジャージと重ね着するほど。ところが、その後時間の経過とともに徐々に変節する陽気に体調管理も容易ではない。外は暖かいが家の中はなんとなく冷えており、暖房をかけたくなるほどだ。
 体調管理には、着たり脱いだりを面倒がるのは要注意だということを、昨今の陽気は教えているよう。なかなか冬物をしまえない日が続く。

 そんな陽気のせいかどうか・・・国際政治学者の中山俊宏さんがくも膜下出血で急逝された。先月末、いわゆる数日前にプライムニュースでウクライナ有事に関連する国際情勢を語る姿に接していたのでこの訃報には正直驚いた。まだ55歳という若さで、今後の活躍が期待される方ではなかったかと確信していたので尚更である。論理思考や論調ぶりが、尊敬の念を持つほど好感度の高い方だった。冗長にあらず、わかりやすくポイントを指摘する語り口調は、切れるというかシャープな感覚を聴く者に与える論者だった。
 言わずもがなのわかりきったもしくは何を言うかが事前にわかるようなキャスターやジャーナリストが多い中、中山さんの発信する内容は常に新鮮なものだった。ワシントンポスト系の記者上がりということもあって、アメリカ政治に精通していたこともあってか、大学教授のみならず日本政府にも重用された方でもあった。
 中山さんは、私の記憶では一昨年の大統領選挙の頃からメディアに登場するようになったと思うが、新鮮で知見にあふれた方だという印象を与えてくれるのに時間はかからなかった。
 私も人前で話すことが少なくないが、語りに関する大切なこととして、内容以外にも、スピード、トーン、顔つきに至るまで参考にするべき人だと感じていた。もちろん、出来る出来ないは別の問題で、学ぶべきは学ぶという姿勢はいくつになっても必要だという意識である。世の中、反面教師も良面教師も常時学びの対象なのだ。
 謹んで氏のご冥福をお祈り申し上げます!

No.3562 国旗掲揚と憲法改正

2022.05.06

ファイル 1489-1.jpg GWも終盤。憲法記念日、みどりの日、子どもの日と続いた祝日が過ぎた。
祝日イコール旗日ということで、写真のように日の丸を掲揚しているが、4日に日帰りながら少々の遠出をしたところ、群馬県のある町では目貫通りの国道沿い数百メートルに、一定の間隔、同じ高さでズラーと日の丸が! よく見ると商店街の街路灯に国旗掲揚の為の器具が取り付けられている。これはなかなか見るものがあった。
 どういった経緯でこのような街路灯掲揚になったのかはわからないが、いずれ確認してみたいと思う。国歌国旗に反対する政党があることを考えると、この地においてもそうした思考の議員や住民もいるはずで、ましてや町がこうした動きに予算補助をしたとしたら、議会ではどんな議論があったのだろうかなどなど興味は尽きない。残念ながら、見とれるばかりでシャッターを切る間もなく通り過ぎてしまったのが悔やまれます。
 羽生や行田でも農村部では国旗を掲揚の風景を多々見る。なぜか幸手市ではそうそう見かけることがない。

 憲法記念日には全国各地で関連イベントが行われた。気になるのは、改正反対派いわゆる護憲派政党やその種の論説者たちの発言だ。
 立憲民主党などはウクライナ有事にかこつけて憲法改正を唱える状況に異論を発する始末。憲法改正は自民党の党是であり、ウクライナ有事とはまったく関係なく改正への動きを示してきた経緯がある。「我が党は護憲ではなく論憲だから議論はやぶさかではない」と言いつつ、根は反対なので憲法審査会は理屈をつけては欠席を繰り返すなど、国民目線と乖離した動きをし続けている。
 共産党は言わずもがな。自衛隊は憲法違反だが有事の場合は活用するという委員長発言は、自衛隊員のみならず家族関係者に失礼この上無い。

 また、ある報道記者は「ウクライナ問題をきっかけにアメリカの言うことに従って我が国は戦える国になろうとしている」と反対集会で発言している。アメリカとの安全保障は重要であり、それ以上に重要なのは自らが国防力を強化することだ。欧州列国を見ても当たり前のことだ。今更地勢的見地を言うまでもない。少なくとも、専守防衛力も現状ではそれを確実に支えるだけのものはない。海中から核ミサイルを撃ち込まれた場合の防衛力などほとんど無いのが現実だ。戦える国にならずして戦えない国のままでいいのか!である。
 こうした考え方をすぐに右翼と評する向きがあるが、左翼思想の反対がすべて右翼思想であるかのような風潮はいかがなものかである。天皇制及び国歌国旗を敬い、国を愛するがゆえに国を守るという単純明快な考え方は、愛郷心、愛国心そのものである。先進国の多くに社会主義政党は存在するが、日本と異なり、自国を守るという論点にはほとんどズレはない。西側のヨーロッパ諸国でNATOに加盟せずとも反対する国も政党も無いというが、これは日本との決定的な違いである。
 国を愛するということは、国を守ることにも結び付くことで、ロシアのような国、プーチンのような国家指導者がいるという事実があるからこそ、防衛力を高めるのは必然的な思考となる。
 憲法9条が国を守る? 強権侵略国が他国の憲法を守ると考えることは危険思想ではないかと思うが。

ページ移動