G20首脳会議が終了した。結局、ロシアに対する非難決議は、非難を固辞するいくつかの国の影響もあって「避難とは別の評価をする国もあった」という表現を付帯する格好となった。今、世界を巻き込む形で起こっている経済リスクの大元はロシアのウクライナ侵攻にあることに異論はないだろう。しかし、ロシアの言い分は、大義ある特別軍事作戦に対して欧米諸国が行ったロシアへの経済制裁が原因だと主張し、子どもでもわかりそうな「鶏と卵のどちらが先か」の理論に終始している。そう主張するしかない状況にあるのは仕方がないにしても、国連常任理事国の立場にある超大国が放つ言葉として嘆かわしくもあり、情けなくもあり。この論理一辺倒で対抗していく道しかないのだろう。
そして、この間隙をつくように中国が軍事力を増強し、それを誇示するかのような姿勢でアメリカに対抗し、米中2大国化への道を突き進んでいる。とはいえ、中国もウィズコロナの方向性を選択することなく、国内ではまだ小さいものの各地で住民運動が勃発している。また人口減少問題や高齢化社会の波が高まりつつある。この15日で世界の人口がいよいよ80億に達したが、来年には人口トップの座をインドに譲ることになるそうだ。マンパワーという意味で人口が多いことは自国のGDPを支える要因でもあるが、高齢化率が上昇するのは国家経済の不安定要素になるのは日本と同様である。
しかし、先の共産党大会でほぼ命ある限り国家主席の座を揺ぎ無いものにした習近平は、今回のG20における首脳会談で、自らその尊大さを露わにした。ひとつは、就任したばかりのイギリス・スナク首相との会談予定を直前に中止し次回日程は未定のままだという。またカナダのトルドー首相に対しては会談内容を公表したとして本人が直接忠告したそうで、本人が直接注文をつけるのは外交の慣例としては異例のことだという。尊大というか傲慢というか、アメリカだけが中国と対等だというランク付けをあえて示す対応でG20に臨んだものかもしれないのだ。
そしてご承知の通り、バイデン大統領には台湾への関与に不快感をあらわにし、当問題で一歩も譲る姿勢を見せることなく、岸総理との会談では尖閣諸島の領有権を主張したとされる。こうした外交姿勢は、彼が中国における権力を毛沢東に並ぶ大きな存在として君臨することになったことを示すものではないかと語る有識者もいる。
と考えると、台湾有事は遠くないという見方も理解出来るところだが、肝心の国政は生ぬるいことこの上無い。暢気なものではないか。国会議員の3~4割は媚中議員だというからどうしたものだろうか。
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No.3635 習近平が尊大さを誇示
No.3634 コロナ第8波の動向
日本医師会の定例会見において「第8波が始まったと理解せざるを得ない」との見解が出された。このところの感染者数は10月11日のピークダウンの後、緩やかな上昇傾向を示しており、明解な定義はないものの、上昇の継続が見られる現状は「新たな波」と考えるのが適切だとも。東京で2日続けて1万人を超え、全国では2日続けて10万人を超えている。
心配な点はいくつかある。
❶寒さに比例して感染者が増える傾向があるとする専門家の発言
❷10月の外国人観光客が前年の22倍に膨らんでいること。このことが心配というよりは、今後この傾向が更に増加することが憂慮される
❸幸手市では学校関係者に感染者が増え、学級閉鎖の措置が取られるなど、学校を中心とした家庭内感染が増える傾向及び可能性があること。
ただ、先週10日に加須済生会病院の視察に出向いた際、長原院長の説明によると、本棟脇に建てられているプレハブのコロナ病棟には77床というベッド数が用意されているが、現在使用されているのは11で、最盛期を考えるとかなり減ってきているとのことだった。この1週間でどのように変化しているのかは不明だが、この数値も注目すべき点と言える。
幸手市議会では14日に開催された議会運営委員会(委員数7名、欠席1名)で、12月定例会の運営について協議されたが、コロナ対策の基本は従来通りということになったものの、傍聴をどうするかについて議論が2分した。
共産党(大平議員)新政クラブ(武藤議員)公明党(四本議員)は傍聴者を受け入れる方向でいいのではないかと。自民党市議団(藤沼、枝久保)はネット中継もあることだし、前議会同様ご遠慮いただくことでどうかということで意見が割れた。私からは、学級閉鎖もあるし、第8波が予測されているので、今日の段階で決めず次回議運で、様子を見て必要であれば再度考えることにしてはどうかとの主旨発言をし、そのような形でひとまず様子見ということになった。なお、議会運営委員会委員は会派単位で2~3名会派で1名、4名会派には2名が割り当てとなるので、現行自民党市議団からは2名選出されています。
No.3633 地域イベントの意義
錦秋快晴の中、昨日は前号でご紹介した「香日向健康フェスタ」が開催されました。3年ぶりの開放感に地域民が大勢参加され、久方ぶりの賑わいを見せました。
まずは開催にご尽力された自治会、体協の皆さんに敬意を表したいと思います。
特に感じた事は、ここ香日向に移り住んだ世帯主の孫世代がわざわざこの日に遠くから出かけてくれたことです。第2世代が社会人になって実家を離れ、異なる街に住む事は自然の成り行きでしょうし、また同居するのもこれまた有り難いことでもありますが、第3世代がおじいちゃん、おばあちゃんの住む街に来て、そこで地域のイベントに参加してくれるというのは、なんとも嬉しいというのが単純な感想です。もっとも、それだけ新興住宅地と呼ばれた地区が年をとったということではあるのですが。
地方都市の人口減少は現代社会の最大の行政課題なのは間違いありませんが、避けて通れないというか、どうしたら歯止め出来るかという点で、各自治体共通の悩みの種です。そういう意味において、こうした地域イベントにヤングファミリーが集う実態はまだまだ捨てたものじゃないという期待と希望をもたらしてくれたのではないかと思います。
「何度も訪れたい街づくり」このワードは未来のまちづくりに欠かせないキーワードだと改めて感じたイベントでした。
No.3632 香日向健康フェスタ
連日、素晴らしい秋晴れが続く暖かい11月です。今年は暖冬らしいということで、一方では電気ガス代が節約できるという生活密着型の安堵感あり、かたや地球温暖化に関するSDGs型の憂慮観ありという複雑な思いが交錯します。
しかし、電力使用が抑制されることは温暖化の抑制につながるという見方も出来るので、どちらにしても、私が感じる結論は四季折々、三寒四温等々陽気に関しては従来のあるべき姿が良いのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
ただし、イベント実施については晴天を期待するのは当然のことで、今日は地元幸手市香日向では「健康フェスタ」が開催されます。誰でも参加チャレンジできる新スポーツやアイデアゲームを主体に地域住民の皆さんに楽しんでいただき、地域を元気づけられればという一念で実施されるものです。
モルック、ボウリングサッカー、ほうるボール、下駄とばし、ボッチャといった競技を自治会役員さんや体協関係者の応援によって楽しんでいただこうという予定です。
この行事は、本来実施されて来た香日向大運動会と香日向まつりを一体化させた地区民祭の意義を持つものです。幸手市内には11地区が小学校を基準としてありますが、今年地区民祭を実施するのは香日向だけとなっています。未だにコロナの影響があるということでしょう。
いまだに5類にランクダウンしないコロナ。それどころか、北海道では緊急事態宣言を知事が発令したというニュースもあり、第8波の襲来が憂慮される状況でもあります。解放感にどっぷりひたることなく、自己管理の元、コロナ対策にぬかりなきようお互い注意いたしましょう。
さて、イベント準備に出かけてきます。香日向住民だけに限りませんのでお時間の許す方は旧香日向小学校(現看護学校)へお越しください。
No.3631 朝ドラで涙と元気を
毎朝、BSで新旧の朝ドラを続けて見るのが日課になっています。見れない場合もあるので録画は必要条件にしているのは言うまでもありません。
前々から感じてはいたことですが、昭和を背景にしたドラマでは、必ずといっていいほど戦争の場面が主人公の成長に絡めてシナリオ化されています。時には生々しい実写の動画や写真も珍しくありません。少しくどいようにも思う時があるNHKのこうした制作姿勢には意図的なものがあるように以前から感じていますが、その理由まで踏み込んで考えることもないと思っていました。
ただ、朝ドラですから、やはり見た後は清々しい爽快な気分で1日を送り出してもらいたいというのが見る側にとっては有難いことです。
その意味では、今の「舞い上がれ!」はとても感動しています。単純なようですが、若者たちのチームワークをストーリーの中心に据えた脚本に、うるうるするのもしょっちゅうです。寄るなんとかで涙もろくなっているのは間違いないようですが、それにしても、うるうる場面が、悲しい場面や人のぬくもりを感じさせる場面ではなく、心が一つになってチャレンジする若人の姿にというのはなぜなのでしょうか。やたらと泣けてくるんですねー。すると隣で見ている人が私の顔を覗いてニコニコ笑っているんですよ。まいりますね、こういうところを覗かれるのは。
そういう点で、今回の朝ドラには、このところしばらく感じなかった感動をもらっています。これから先の展開がどうなるのかはわかりませんが、空に憧れを抱く主人公が社会人になって躍動する成長ぶりを楽しみにして、スクールガードで小学生からもらう元気も合わせて、さらに舞ちゃんの今後を応援したいと思います。
「あっ、また泣いてるー」と言われるのが少しくやしいのですが・・・
No.3630 交付金補助制度の考え方
№3627でお知らせした先月31日の臨時議会の内容に対しいくつかのメールをいただきました。その一つは、かなり手厳しい内容でなるほどと感じさせてくれる点があるのですが、こうしたご意見に耳を澄ますと言うのがいかに難しいことかを痛感しているところです。
その理由は以下のような点にあるかと思います。
❶まず最初に申し上げたいのは、執行部が予算編成を積み上げる際、議会・議員が、その論議に入り込む余地がないということです。あくまでも、執行部内でヒヤリングなどを通して、部門別に支援する方向性や枠組みを協議検討しているということです。それはまた自治体予算編成の在り方として伝統的に行われてきた手法で、議会は提示された議案を審議する立場で、質疑、採決をする機能を有しています。臨時議会の場合の多くは委員会付託も無く、即決採決という流れです。
国政において政権与党が財務省の頭の固さを吐露する場面がありますが、それと本質的には同じことと思います。
❷したがって、今回のように緊急臨時議会の開催を招集されて生活支援予算議案を質疑するにあたっては、当初から反対という姿勢ではなく、賛成という認識に立って、質疑をするのが一般的なあり方です。なぜなら、生活支援議案に反対するという姿勢で臨むこと、更に採決で実際に反対することが良いことかどうかが根本的に頭をよぎるからです。
❸つまり、どういう支援内容にするべきか、した方が良いかの考え方は、まさに千差万別です。個々に持つ意見を集約してみたところで、まとまるわけがありません。編成するための視点を広く持てば持つほど、予算額そのものにに限度が生じてきます。
国からの補助金ということを考慮しての積み上げ予算であり、過去の補助実態をふまえて行う支援策の予算組みですから、その内容に正解はありません。今回の場合、財政調整基金から2900万円を繰り入れも加えての編成でした。
ただ、根本的に私が思っていることは、執行部が行う予算編成は細かすぎるという点です。電気だガスだ一般生活物資の物価高騰だと騒いでも、要は同じように生活そのものへの影響ということではありませんか。
であれば、事細かに対象を分けて細分化に配慮する支援が必要だろうかいう疑問です。
わかりやすく言えば、水道料基本料金の無償化を8月から11月まで実施した前回のパターンを来年3月まで継続してもいいのではないかとか。あまねく、等しく対象となるのは生活インフラです。水道料金は自治体の管理下にある特別会計ですから最も打ち出しやすい支援策です。それを事業所にまで拡大することがあってもいいと思います。
また、今回の国庫補助で他の自治体が表明した中で、私が関心を持ったのは松伏町です。プレミアム商品券を等しく15,000円も配布するという施策です。わかりやすいと思いますがいかがですか。1世帯あたりが受ける電気、ガス、食料品などの物価高騰の影響を単純に考えれば、家計が圧迫されるということですから松伏町の考え方は単純明快でわかりやすいやり方です。地場商店にとっても好影響でしょう。
考えるべきは生活レベルの違いをどう反映させるかです。年金生活者、生活保護者、非課税世帯、多子世帯等々、複雑にはなりますが、基本は事業商売の如何にかかわらず、生活支援にあれほど複雑で細かい支援策が必要かという想いはあります。
ただ、議案として提出されれば、それを否決するのはなかなか難しいことではあります。ベテラン議員の一人は厳しい質疑をしましたが、採決では賛成しています。その裏にある事情及び心中は分からないではありません。