2014.04.20
視察先紹介その2
15日の圏央道視察に続いて、今回は宮代にある特別支援学校を視察。
事前に教育委員会担当に連絡を入れて、一人での視察となった。発達障害、知的障害、肢体障害などを持ちながらも元気に生きる子供たちは少なくないが、こうした子供たちを受け入れる特別支援学校を埼玉県では各地に配置している。
宮代特別支援学校では遠くは加須、羽生、さいたま市(岩槻区)などからも通う生徒がおり、現在小学1年から高校3年まで121人の生徒を受け入れている。幸手市からは10人で、もっとも多いのが春日部市からの40名。久喜市23名、さいたま市19名、加須13名などとなっている。
同校は肢体障害児が対象で、知的障害を対象とした支援学校としては近隣では久喜市に配置されている。
本校では、障害の状況に対応する形で4つの教育課程に分類してカリキュラムができている。教師の数は104名ということで、生徒一人に対して教師一人体制といった状況である。これは視察時に感じたことだが、こうした学校の特徴だとは思うが、介護的要素も必要とする教師の苦労と工夫、明るさと笑顔という観点では、普通学校の比ではないことがわかる。情熱と奉仕の精神が為せることだとは思うが、本当に頭が下がる。
障害を持つ子供たちだからといって、憐憫の情を多くすることはけっして良いことではないと思うが、実はこちらのほうが元気をもらい、癒されることが多いように感じる。「生きる」「学ぶ」といったことへの強い信念は、親御さんをはじめ、周囲のご苦労があってのことでもあろうが、なにより本人たちの意識が尊い。
この4月はかなりの人事異動があったようで、ある教室に入った際、一人の子供が白板に何かを書いていた。すぐには読み取れない文字を同行していただいた小澤教頭が、異動になった先生が明日の離任式にやってくるのを楽しみにしているという内容だと教えてくれた。少し涙腺が緩んでしまった。
この学校ならではのことをいくつか。通学ではスクールバスが全部で8路線運用されている。校舎に直結してバスターミナルがあり、校舎床からバリアフリーで車椅子のまま乗り込めるように、バスが床面より1メートル近く低い位置に停車するように造られている。もちろんバスそのものが特殊構造となっている。そして、この8路線対象外(加須、羽生は学校通学区対象地域外)の生徒は、久喜市鷲宮支所まで親が送迎して、そこでバスに乗り換えるというリレー方式で対処している。
写真でご覧いただく車椅子、実はほぼすべての生徒がそれぞれの体型に合わせて「あつらえる」というものだというので驚いたが、とくに座面、背面、下肢部など入念な採寸によって出来上がっていることがおわかりいただけるだろうか。補助金制度はあるものの製造料金もかなりのものだという。
特殊シューズは、変形歩行を防ぐ目的で使用されるそうだ。
小林伸子校長、小澤嘉昭教頭、有賀弘一教頭の皆さん、長時間にわたり、ご丁寧な説明と校内視察の立ち会っていただき感謝申し上げます。今後も一層のご尽力をお願いしたいと思います。