掲題の組織は、ストーカーやDVに対する24時間体制による対策のために今年4月に発足したもの。
今回、その運用後3カ月間(4月~6月)のデータが発表された。それによると、全対応件数が2158件、うちDVが1,052件ともっとも多く、全体の5割近い件数となっている。
細かな内訳は、DVの1,052を筆頭に、恋愛のもつれ418、児童虐待301、ストーカー261、高齢者虐待101、行方不明15、障碍者虐待10、という内容となっている。また、夜間や休日といった執務時間以外の対応が76.4%となっており、本部立ち上げの効果が結果にみられる。トラブルでもっとも多いのは夫婦間問題が41.6%となっている。
検挙件数は330件でDVに関するものが196件。この数は昨年同期比で90件多いという。検挙罪種では、傷害123件、暴行121件の2種で全体の74%。検挙年齢では20、30、40代それぞれが20%を超えており、あわせて71.2%となっている。
対応件数、検挙件数ともに積極的な活動の効果が出ているという見方はできるが、最大の問題はこれを減少させることができるかどうかだと私は思う。特に感じるのは、夫婦間の問題以上に、児童虐待や高齢者虐待といった弱者いじめの多さに心が痛む。
私も過去何度か児童虐待をテーマに議会発言しているが、なかでも児童相談所を管轄する福祉部と、治安と検挙の県警が、情報と連絡で緊密な連携をとり、関わりを深めていくことが重要だとの提言をしてきた経緯がある。今回、こうした新組織による積極的な活動で犯罪を浮き彫りにすることによる抑止力効果という観点において、24時間体制をマニュアル化した県警の姿勢ならびに努力には感謝と敬意を表したいと思う。