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No.2617 オバマを知らない熱血熟教師

2015.06.24

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 書き連ねてきた知事選は少しの間休筆することとして、今日は今時の話題として、テレビに関することを、感じたままに書いてみたいと思います。

 一昨日の夜、久しぶりにゴールデンタイムのバラエティークイズ番組を見ていた時の話です。ホリエモン=堀江貴文氏が出場することに驚きもしたのですが、それに興味をそそられて画面に見入ったのも確かなことでした。このブログのフォロワーの方々にもご覧になられた方が多いことと思います。
 名うてのオールランド雑学識者を介して、王座に上り詰めるのは誰かという番組で、通算4回目になるということでしたが、前3回はヤクミツルが2回、宇治原○○が1回頂点に立ったようです。

 
 さて、局としては視聴率が最大の優先事ですから、一問終わるたびに堀江氏をクローズアップし、まるで同氏を主役に筋立てされたシナリオ付きクイズ番組といった様相を施していました。
 一問ごとに入れ替わるという順位のアップダウンシステムは運も必要で、必ずしも絶対的な識者が勝利する構成にはなっていないところが、いかにもバラエティーとしてのご愛嬌といったところ。
 堀江氏は、間違ったら圏外離脱の土壇場をクリアして、結局は王座を獲得することとなりました。結果、堀江氏がキングになるように仕組まれているとしか思えない番組構成でした。
 しかも劇的な感じを与えるかのような大団円でジ・エンド。


 ホリエモンを起用したこともそうですが、カメラは常に彼に向けられ、最後は主役に祭り上げてしまうテレビ・・・これで完全に彼もタレント化していくことになるのだろうと感じた次第。社会倫理にはずれた過去があろうとも、テレビ、芸能の世界は、話題かつ視聴率が優先され、かえって貴重な存在として迎えられる傾向にあることは間違いありません。

 ところが、もっと驚いたことがあったのです。
 途中、政治をテーマにした問題のときです。「次の写真の3人が誰かを左から順に答えなさい」というものでしたが、左からオバマ、メルケル、キャメロンの顔が並んでいるのですが、タイムアップ寸前まで、あの優秀な人々から手が上がらないのです。タイムアップ寸前で伝説的数学教師のふれこみで出場していた解答者がボタンを押しました。彼の口から発せられた回答は・・・「ブッシュ」
 えーーー! これでは、おそらくあとの二人もわからなかったでしょうね。 すべての出場者が、いずれも博学を認められている方々ですし、とくに最後の段階に残った方々が、これほど政治感覚、国際感覚がないことに対し、私の頭もグルグル回ってしまいました。

 高名な熱血教師がオバマの顔も知らない現実は、バラエティーのまま終わらせていいとは思えないのです。万が一、ウケ狙いのやらせだったとしたらひどいものです。
 来年から選挙権が18歳に引き下げられることで学校現場はてんやわんやの状況にあります。若い世代に政治への感心を高め、国際感覚を養ってもらわなければならない時代背景が生まれたわけです。
 中学生や高校生に政治や選挙への感心を持ってもらうのに、最も手っ取り早い方法は、進学試験問題に政治を取り上げればいいのです。しからば塾でもそうした講座が必要になってくるはずだと思うのですが、いかがなものでしょうか。

No.2616 大きな変化、どうなる知事バトル

2015.06.23

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 県議会定例会初日は12分足らずで終了した。私が予測した不穏な動きもなく、平穏かつ一般的な初日の流れであったが、知事の説明が短いこともあって、いつも以上にあっけなく終わったという感を強くした。
 淡々と議長が連絡報告事項を発言し、年度の最初の議会であるので、知事が議員へのねぎらいと感謝の定例句を述べたあと、一般会計予算を中心に議案説明をして、「慎重審議をお願いいたします」と結んで、議長の「これにて散会します」で終わったのである。
 ただ、知事発言の短さはどうしたことだったのか。

 
 テレビ埼玉での10時からの生放送は終了後の時間をもてあますかのような県内風景の録画が流されることとなった。これは逆にごくごく普通のことなのだが、少々物足りない感じではあった。
 25日から始まる一般質問で、昨今のような暴れ天候のような内容がありうるのだろうか?
 

 さて、県知事選でいくつかの事実と新情報が報道されている。
◆自民党県連会長である新藤義孝前総務大臣が天野篤順天堂病院教授の出馬妖精を断念したと発表した。ご本人は当初前向きだったようだが、「選挙戦にあたって、皇室の政治利用になるのではないか」との指摘や「医療の現場に欠かせない人物」といった指摘が相次いで、やむなく見送らざるを得ないこととなったようだ。
 私としてもたいへん残念な思いがしている。政治家としての可能性は高いものを有していると感じていたからであるが、すでに各種の怪文書等で誹謗中傷されていたことを考えると、選挙戦に入ってからが更にヒートアップすることも予測され、ご本人の意志が薄らいだと思われる。

◆共産党は、これまでの一連の状況に対して様子見の状況だったと思われるが、この段階で埼玉労連議長の柴田靖彦氏(62)を擁立することが報道されている。

◆自民党埼玉県連では、天野氏の出馬断念にあたって、広く候補者を選定するとしたようだが、選挙日のことを考えるとのんびりはしていられない状況と言える。

◆上田知事は、川口市出身の現参議院議員の大野元裕氏に出馬の打診をしたと報道されている。実は、私はこの情報をすでに耳にしていた。上田さんとすれば「法律は守らなければならないが、条例は努力義務」とわけのわからない現職政治家としてあるまじき言葉を発していたことから、その努力の姿を示すためにどうしたらいいかと考えたのであろう。そこで、選択した行動が後継指名ということで、白羽の矢をもともと興味を示していた大野氏に当てた。
 ところが、大野氏は乗り気だったのだが、上田知事に推薦を出した市長会有志が「上田さん以外では応援する筋道からはずれる」という強い意向が出されたということのようだ。もっともなことと思われる。


 市長会有志も町村議長会有志も、結局のところ民主党の現職国会議員を、今の政治の流れの中で支援していくことは難しいと判断したと考えられ、その思考は理解できる。自民党保守系の首長の中には、元自民党県議会議員であったり、現在も自民党員の方が多いというのが実態で、12年間無所属としてやってきた上田さんならともかく、その盟友とは云え、今や反日リベラル政党というか、私流に言えば反建設的政党に衣替えした民主党現職を応援するわけにはいかないというのは当然のことと理解する。
 12年前の知事選当時とは国政の状況がまったく異なるし、別の角度からは、県議会は過半数を占める自民党優位の運営が継続されていくという現実も視野に入れなければならない。いわゆる、この一連の流れこそ「政治!」なのだ。

 このように、政治の裏側はなんでもありのところがあり、一寸先は闇ということも定説化しているので、そのあたりを見越して、あえて民主党現職に後を託すかのような打診をしたというのは、多選自粛条例を努力義務だとする、「その努力」を示したかった上田知事のパフォーマンスという見方もできる。 なぜなら、前述の理由で市長会や議長会が知事選で民主党支援というのは、いかに県政をギクシャクさせることになるかは自明の理であるから難色を示すことは鼻から承知と言える。ましてや、条例破りを承知の上で推薦表明を決断したのに、民主党に乗り換える形の選挙戦を出来るはずもないのである。
 したがって、これでは大野氏も断念せざるを得ない。つまり、ここまでの道筋は百戦錬磨の上田知事には容易に推測できたはずで、「私は努力した」と言える状況にが出来たことになる。読み違えではなく読み通りだったということが言えるが、これも真相は闇だ。

 私は、上田知事が引き返せないし、引き返す気持もない状況が、2年前のある出来事に端を発していることを理解しているので、もとより他に譲れるはずがないと確信している。

 ただ、今のメディアの論調を見ていると、市長会や町村長会、議長会も両手を上げて強力に上田4選を支援しにくい状況が生まれて来ているのではないかと思えるので、果たして今後の50日足らずでどんなドラマが生まれるのかますます興味は深まる。
 選挙戦に関わり、人心が蠢き、掻き乱され、メディアが放っておかない事態になると、一般的に嫌気が差して当初のまとまりや意向が薄れていくものである。

No.2615 いよいよ改選定例会初日

2015.06.22

 議長選出などでの臨時議会が開かれたりはするものの、県定例議会は今日がいよいよ初日である。それぞれの委員会所属も決まり、一般質問および答弁調整等々の準備も完了して、4月12日の改選日から約70間の期間をおいての開会となる。
 今回の注目は、何をおいても4選出馬表明をした上田知事との議会論戦になるだろう。まずは、4選擁護会派の議員たちによる、実績を中心とした継続必要論が放たれ、逆に自民党県議団からは、多選自粛条例を自ら破る上田知事への厳しい追求がなされるのは必死である。

 この条例破りについては、メディアもほぼ軒並み上田知事の政治家としての見苦しい姿を指摘している。やはり、12年前の選挙戦で自ら提唱したテーマ・公約であり、制定の必要性を自ら求め、上程をして議会可決へと運んだ経緯は、上田知事の出馬を承認できる一点の材料もないとの観点である。
 状況変われば、条例無用というのでは、議会の存在自体が問われることになる。
 さて、ライブ中継で見届けることとしようか。
 

 朝日新聞の論調はとくに手厳しい。
「存在自体に正当性がない」という表現で締めくくっている。まさに的を得た内容ではないだろうか。つまり、たとえ選挙で勝利して4期目に入ったとしても、その存在には正当性を認めることはできないという主旨なのである。
 上田知事が条例破りの出馬に至った具体的な顛末は次号以降に書き示すこととするが、はたして今日初日の定例会はどうなることやら。
 上田知事の所信表明と上程議案の説明で閉会になる予定だが、それ以外の動議が発せられる可能性があるかどうかの興味はつきない。
 この動議、いくつか考えられるが、もしあるとすれば今頃は議会運営委員会が重い空気の中で、しかも断続的に会議されていることと思われる。

No.2614 条例破りは自己倫理と政治信条の欠如

2015.06.18

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 今日は、選挙権、学校制度改革の法案成立、そして党首討論など、日本の社会が大変化する話題が多くあって、頭の整理がたいへんです。しかし、前号に関わる上田知事の決断が示されたようなので、この話題を再度取り上げることとしました。

 前号№2613を投稿クリックして間もなく、上田知事の記者発表がおこなわれたようだ。すごいタイミングという実感ではあった。まあ、辞退表明の可能性もわずかにあったかもしれないが、予測通りの結果だった。
 
 「県民の期待を裏切るわけにはいかないとの思いで、4期目に挑戦することにした。政治信条を曲げるという不名誉よりも、県政発展のために県民の期待を実現する道を選択した。条例を守れなかったことについては深くお詫びをする」

 この発言から、上田清司という政治家が責任感に乏しい人物だと感じられてならないのだ。
 言葉の揚げ足取りは良しとしないが、そもそも政治家が政治信条を曲げていいのかということ。不名誉を受けても選挙に勝てば許されてしまう、人の噂も75日といった甘えが見えること。守れなかったでは他人事のようで、守らなかったのではないか!ということ。

 なにか、すでに県民の多くが自分を支援しているという絶対的な自信を裏付けるような発言で、挑戦を表明した上田知事。最初に詫びを入れてしまえば、県民を納得させられるだろうとの意図が見えるが、条例破りに対する巷の意見は、それほど甘いものではない。詫びてすむなら警察はいらないという昔から言われていることがあるが、そういった思考の有権者は更に増えることも考えられる。
 なにしろ、この結論を表明する前段の言い訳に

「法律は守らなければいけないが、条例は努力義務ということだ」と発言している。くどいようだが、自己都合優先の我田引水は歴然なのだ。

 それ以上に、結論にあたっての調整・・・上田さんと主義主張を同じくする中から、別の候補者の出馬の可能性があったのかなかったのか? 上田さんを身近で支援し続ける周囲の実情を勘案する必要性は? ひょっとすると過去の選挙戦で要した費用が尾を引いていて知事を続けたいのか? 他の政党・会派からの支援の確約を取り付けられたのかどうか? 巷の政治好きはいろいろなことを考えるものだ。
 自らの勝気な性格もあるだろうし、なにより、自民党が出馬交渉をしていた天野篤氏の登場に翳りが刺したという状況において、条例破り覚悟の挑戦を決断するに至ったと考えるのが妥当と思えるが、真相はわからない。

 
 上田知事が、多選自粛条例を自らの意志で制定したことと、その必要性を訴えた理由を考えると、今回、4期目の挑戦を簡単には口に出来なかったことは容易に推測出来る。しかも、当初は自粛ではなく禁止を想定していた上田さんだった。
 要するに「多選は利権や癒着を生むことになる」という理由を聞かされる側にすれば、確かに重たい内容であり、制定の価値は高いと考えるだろう。ましてや、国会議員も経験し、政治の世界にどっぷり浸っていた上田さんがそう言うのだから、納得するのも当然と言える。

 しかし、よーく考えてみて欲しい。
◆上田さんは、自らに利権・癒着の可能性があると考えて条例制定が必要だと思ったのだろうか? 
◆それとも自分はそういった渦には巻き込まれる人間ではないと確信を持っていたのだが、今後のこととして条例は必要だと考えたのだろうか?
 これは、どちらを考慮しても上田知事4期目挑戦を後押しするものではないことが理解できる。
 前者は、そうであるなら4期目になってその可能性があるかもしれないということになるから、とても受け入れることはできない。後者は、そうであるなら、創った上田さんが守ってくれなければ次世代後世のためにまったく役に立たないことになる。しかも、最初の選挙戦でなぜ公約にしたのかということになる。公約にしたからただ単に意地でというものだったのだろうか。
 どちらでもないとなると、単なる選挙パフォーマンスだったということになるが・・・。

 それを守らない条例破りを指摘されたら、またまた強気に意地を張った。常に自己都合が優先しているとしか考えられない。
 埼玉政界の一部から推薦の言葉が出ているのも、挑戦表明に必要な外堀を埋める戦略と思えてならないし、経済界についてもしかりである。
 しばらく前のことになるが、市長会の推薦理由を論破するブログを投稿したが、その後に示された町村議長会の推薦理由には情けないほどに驚いた。

 「町村議会は上田知事に非常に目をかけてもらっており、新しい人が急に出てきても心配」 
 町村議長会の会長は県央に位置する町の議長で、ちなみに、この町の町長は知る人ぞ知る強力な上田支援派首長の一人である。 

それにしても、言うに事欠いて非常に目をかけてもらっているから上田さんでいいとはよくも言えたものだ。これがいかにおかしな、不穏当な発言であるかは説明するまでもない。今までが保守系知事としてオールランドでの支援を得て選挙戦を楽にしのいできた上田さんだが、今回は自らが生じた混乱において、県内真っ二つの選挙戦になることは間違いない。(これが最も罪の重いことだと私は感じている)となると選挙で応援したかしないかが、その後の県行政との関わりに影響するとしたら、それこそが利権や癒着の発露になる可能性もあるし、なにより、上田さんが4期目に当選した暁には、暗黙の強権差別政治が形成される可能性は高い。その前に選挙戦で応援を強制するような雰囲気が作られていく可能性もある。
 そういう意味で、市長会や議長会は中立を貫いて一方の支援を表明するべきではなかったし、ここまで揉めた状況下において上田さんはきっぱりと身を引くべきだったのだ。政治行政とは、トップの感情に起因する低次元な面が多々ある世界なのだから。

 新しい人が急に出てきても心配・・・ならば、上田さんは永遠に議長会の望む対象ということか。上田さん自身が急に知事になった人だし、トップの入れ替えをしないマンネリズムこそが最も心配なこととは思わないのだろうか。
 結局のところ、言わされているのか言っているのかはわからないが、総じて上田4選挑戦ありきの苦しい理由作りでしかない。怒りを通り越して情けないという思いが募るばかりだ
。 

No.2613 さて、どうする上田4選

2015.06.17

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「皆さん、待ち望んでいるでしょうから、若干残っている調整をして近いうちに結論を出します」と先週末に発言していた上田知事。新聞も週明けに態度表明か?と結んだが、週が明けてもいっこうにその気配がない。

 私の想像では、その調整とやらは他政党、他会派、業界団体などの政治経済の大口組織に対する選挙資金を含む支援取付けなどかなと推測していました。
 そしてもう一つ、ひょっとすると、他に上田さんの関連周囲で知事チャレンジに興味を持っている人物がいて、それとの調整が必要になった、という線も可能性としてどうだろうかと若干ではありますが感じていました。
 いや、まったくの想像ゆえこの部分については真剣に考えてもらわないほうがよいかもしれません。
 しかし、もう今日あたりに記者会見があってもいいのではないかと思うのですが・・・。

「法律は守らなければならないが、条例は努力義務ですから」と、社会倫理や社会常識に挑戦するかのような身勝手な理屈を平然と言い放った上田さん。外堀を埋められるだけ埋めて、それでも足りないということで、我田引水発言を繰り返す悪あがきの姿は憐れでもあり、滑稽でもあります。
 私はかなり厳しいことを言っているとお考えの方がいらっしゃるかとも思いますが、ここまでの経緯を考えるとごくごく自然な論理だと思っています。

  条例破り! この事実を、こともあろうに一部の埼玉政界が許す姿勢でいいのだろうか!
 市長会、町村議長会の有志・・・当人が言うところではどちらも9割ということだそうだが、私の考えるところでは、それほど高い割合ではないはずだ。
 選挙で勝ちさえすればいいのだろうか!
 上田清司氏に熟考を促す、晩節を汚すことなかれ! そして、紳士たれ!

No.2612 弁護士の越権発言もひどい!

2015.06.16

 衆議院憲法審査会で招致された弁護士3人の越権ぶりがひどいことになってきた。
 形としては、招致により審査を委ねられた弁護士が、結論をどのように導こうとそれは仕方のないことであるが、自民党の憲法改正推進本部の人選責任は問われることになるのは必死であろう。
 それにしても、この弁護士チームは自らの信念により審査結果をもたらしたにしても、実際のところはよくぞまあいけしゃあしゃあと言いたくなるような発表だった。こうなるように仕組まれた政治の裏側のキナ臭さを感じる出来事だった。

 ところがである。さらにこの長谷部恭男早大大学院教授をリーダーとする弁護士チームが、一昨日の外国人記者クラブで、とんでもない発言をしたのだ。
 なんと、「徹底的にこの法案の審議をして廃案に追い込むべきであり、それができないなら選挙で政権を打倒するしかない」といった主旨の発言をしたという。「ふざけるな!」だ。

 弁護士や大学教授という肩書きに、自ら幅をきかせる人間は、こういう愚かで浅はかな面をもっていることがわかる。国会の憲法審査会に招致された人物が、他の場でそれ以上の政治に影響をもたらす決定的な自己心情を発していいはずがない。
 言語のプロ、言葉のチェックを専門とする弁護士とは、とても思えない。
 こういったことは、最低の常識だろうと思うのだが、この弁護士たちは、あまりにも社会的反響が大きかったことによて、さらにそれを自らの知名度アップのために利用しているとしか思えない。よりによって、選挙で政権打倒!というのは、立場的にいいことかどうか考えればわかるはずではないか。その分別もできない。国会で審査発言を出来る立場にない、市井の一般弁護士とわけが違うのである。
 

 憲法審査会で招致発言した人間は、いかなる人物であろうとも、審査員であるのだから、結論は導くまでの責任があるのはわかるが、それ以上の政権打倒、選挙の必要性まで語る資格はないし、また社会的影響を考えたら、審査会以外での発言は控えるべきなのだ。 また、憲法審査会自体がそうした事前確約を取り付けておくべきではなかったか、と思う。

 この弁護士さんたちに申し上げたい。つまり、国防的観点から平和安全法制は抑止力向上に欠かせないという理論の上にたった場合、平和安全法制が憲法違反だと言い切るなら、まさにGHQ押し付けの憲法自体を改正する必要があるということではないのか!と。
 ところが、この弁護士さんたちはまったく考えが固くて、マッカーサー憲法を絶対的なものとした上で、平和安全法制との整合性を前提に咀嚼しようとしている。まして戦争をする国、とか戦争を出来る国に向かう法律というリベラル的認識が強い方々のようなので、そもそも受け付けるモノサシは持ち得ていないのである。頭の良いプレミアム有識者の中には、あえて反対論を唱えることで自己実現を図ろうとする意固地が時折いるものだが、そういった類なのかもしれない。
 くりかえすが、「選挙で政権を打倒するべき」まで発言したことは、まさに越権発言であり、大問題なのだ。自民党を打倒せよ!と世に発信した事実は、逆にどの政党に日本をたくしたいのか?
幅広い思考に欠ける政治オンチな憲法学者に政治を論じてほしくはない。

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