2015.09.22
前号で指摘した通り、内閣支持率は微減という調査結果が出た。ただし、安保法案の説明が不足しているという率が73%の高さになっている。これをどのように判断したらよいものか。
つまり、政党や内閣、総理大臣の支持については現状支持率に大きな変化はないが、安保法案に対しては結局のところよくわからない実態なのだろうと推測出来る。
しかし、◆審議時間が足りない ◆10本まとめた法案を一括に審議することに無理があった などとの批判に対しては、野党側の質問内容や態度に問題があったとの意見も多いようだ。私も左様に感じている。
なぜなら、そもそも廃案目的の重箱の隅を啄くような質問や、答弁に整合性を欠かせる目的の言質取り発言が多く、最後には廃案を求めるとか、安倍総理の退陣を求めるといった文言で締めくくる質問者がほとんどだった。
野党は、国民に理解されては困るというのが本音ではないかと感じるほど、テレビやラジオに耳を傾けることに嫌気が刺すような低次元の罵り言葉を浴びせる場面が多く、結局国民の耳をそらす結果を生んだのではなかったか。中断時間が270回に及んだ事実も、政府の答弁以上に野党の反対ありきの断定的質問が原因ではないか。そう考えると野党の責任は重大なのだ。しかし、それを指摘するマスコミが少なかったのも事実だ。
視聴率に対する報道はあまり耳にしなかったが、いったいどの程度のものであったのか?
私自身のことを言えば、時間の許す限り視聴するよう努力した。つまり、国民が国会のやり取りを聴くこと自体に忍耐が必要と感じるほど、醜いやりとりが行われたのが今回の特別委員会だった。とくに、高圧的かつ激情的、あるいは芝居じみた質問にはスイッチを切りたくなるほどだった。もはや、それが誰だったとは言う気もないが・・・議員のレベルが落ちていることは間違いないと感じさせてくれた委員会でもあった。
とくに、戦争法案や徴兵制という言葉を乱発し、国民の反対意識を煽動し、デモ参加を促す議会戦略は、逆に、日を追うごとにそれに対する反発意識を目覚めさせたのでないかとさえ思う。そうした言葉を抜きにして、提案条文に対して詳細に、冷静に、真摯に質問をしていく姿勢があれば、より問題意識を国民に持ってもらうことができたのではないだろうか。質問者が醸し出す人間性に問題意識を持つ国民が徐々に増えていったようにも感じている。
本質的に、中国、北朝鮮、さらにはロシアや韓国との拘わりが主体の安保法案に対する賛同者はかなりの数に達していると考えられる。朝日、毎日、東京、6ch、10chといったメディアは、政権の暴走だと著名人などに語らせる手法等も駆使し、賛同意見は極少に終わらせるという報道スタイルに徹している。これにより国民の不安を煽ることを狙っているわけだが、国民にはメディアの暴走という理解が進んでいることをどこまで承知しているのだろうか。次に述べる共産党の主張提案を思うに、そろそろ、わきまえるべき時期にきていると思うがいかがなものだろうか。
共産党が国民連合政府構想をぶち上げ、民主、社民が相乗りする可能性が報じられているが、日本における左翼思想の底辺拡大に上記のマスコミ群がどういった対応を示すのか、いよいよといった段階に来た。国民という言葉は使って欲しくないと思うのだが、中共思想が根底にあるのは理解の範囲である。ゆえに国民ではなく人民の方がふさわしいし、そう変えてもらいたいものだと思う。
それにしても、民主党の岡田代表の発言には正直驚いた・・・というか情けない。健全な自由保守政党による2大政党政治の実現と騒いでからさして日は経過していないこともあるが、野党第一党の党首とは思えないほど不甲斐ない。
正道日本を守る理念と統治体型が根幹から異なる左翼思想との2大政党化に日本の政治が変質していくとは、よもや思いたくはないが、野党第一党が共産党に呑み込まれかねない発言を聞くとあながち軽く考えてもいられない。
彼らは、目的成就のためには静かに音無しの構えを貫き、マインドコントロール的に仲間を増やしていくやり方なので、主体性に欠ける若者が対象になりやすいという心配は拭えない。日本民主青年同盟などという団体は、そのホームページで巧妙に同胞を求めているし、実際中核派のアジトに出入りする若者が増えているという。
もっとも、志位委員長が高らかに左派連合結成をぶち上げたことから、それに吸引される政治家よりは、腰を引く議員の方が多いと思われる。そういう意味では,志位さんはやりすぎたかもしれない。そして、この時点で平和安全法制の持つイデオロギー的性格があきらかになったと思うのだがいかがか。
さて、小沢さんのようなかつての大物も含めて元自民党の議員さんたちはどのような対応をするのだろうか。