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No.2770 大英帝国崩壊は欧州崩壊に向かう?

2016.06.26

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 政治不信もいろいろあるが、今回のようなイギリスの結果を見るに付け、ポピュリズム政治に惑わされて国家の方向性を見誤ることに、国に限らずより近い地域でも他人事ではないと感じている。

 イギリスの若者の6割を超える多くは、EU内での強調を保ち、広い共同体世界の中で自国が独仏に対等しうる中心的立場を強化してくことを望んでいた。ところが、とくにイングランドの高齢者たちは過去の栄光を引きずり・・・それを取り戻せるか如くの思いを投票に示した。
 細かな話はメディアが多く伝えているが、スコットランド、ウェールズといった連邦内国家が残留を望んだことも、今後の大英帝国の状況を暗くしている。離脱投票者の中には、すでに後悔を語る人が多く、再投票を求める署名もわずかな日数にかかわらず、すでに350万人に及んでいるという。

 労働党のファラージュ党首が、EUへの投入資金が多額だとして、それを社会保障や若者支援に当てることが出来るといったアピールを強調したが、それどころではない金融不安と帝国崩壊を感じさせる結果にかなりの離脱投票者が驚いたというのが実態としてあるようだ。投票心理に不安を重ねて煽られ、恐怖感がハロー効果となって偏った方向に導かれる住民投票の問題点が浮き彫りになった。
 それは、まさに取らぬ狸の皮算用だったとの批判がある。イギリスだから狐か・・いや失礼!
 いずれにしても、こうしたポピュリズムというより嘘に近い話は、後から出てくるのは世の習いかもしれない。

 ポピュリズム選挙と、プライドや2分の1の選択が為す感情的投票が、これほど重い結果をもたらすことを世界の有権者が学ぶべきだ。記憶が遠のいている方がいるやもしれぬが、日本でも数年前の合併騒動で「おらが街の名前が変わることはあかん!」という、なぜ合併が必要かという本線からはずれた思考が勝った結果は全国各地に見られた現象である。伝統や歴史は名前が変わったからといって失われるわけではないのに・・・。
 住民投票の危険性が今回のイギリスで示されたことは、わかりやすい反面教師としなければならない。民主主義を標榜する国民投票は、実は、その後の方向性をわずかな数値で反転させてしまう危険な賭けにもなりうるということである。
 これを選択したキャメロン首相の責任は重大である。

 そして、今回の結果で憂うべきことがいくつかある。
◆スコットランドの独立国民投票が再実施される可能性が高く、実施されれば独立は確実と思われる。本国が夢を失う選択をしたツケが生じる身近で最速な例になる可能性が高い。

◆ロンドン独立の信ぴょう性もまんざらではない。元ロンドン市長のジョンソン氏への風当たりはしばらく続くことから、彼が新たな首相に選任されると、イギリス政治の混乱は予想以上に強まることとなる。これはイギリス連邦崩壊の始まりかもしれない。

◆EU離れが加速することも・・。オランダはもとより、フィンランドなど北欧の一部にはそもそもヨーロッパのくくりから離れる国民投票をという現実がある。その動きのほとんどは、排外保護主義を念ずる極右政党が中心となっている。これは、トランプにも通じることである。あるのか欧州崩壊??

◆ロシア、中国が内心ほくそ笑んでいるのは間違いない。なぜなら、今後の国際関係の中で、米英関係にほころびが生まれかねない結果と判断していることが考えられる。それが証拠に、プーチンはやたらと冷静で、中国はイギリスに友好的なスポークスマン発表を発している。中露の野望は太平洋、大西洋の分断作戦にあると私は思っている。

◆世界の金融不安・・・これはおそらく時の経過とともに治まるものと考えるのが適切か。どんな不安でもそれがそのまま続くことは考えられない。ただ、西側のこうした不安発生が、中露の動きにどういった影響が生まれるかという点で、国際関係の大きな変動を注視していかなければならない。
 万が一、トランプが米大統領にでもなったらいったい世界はどうなるものやら・・・である。

No.2769 話題豊富なイギリスです!

2016.06.24

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 朝書いたブログ、イギリスの国民投票の結果が離脱優勢と伝わって来た。
私的には残念な結果だと思うが、それはそれでルールに則って行われた結果であるからとやかく言うのもいかがなものかということになる。

ファイル 674-2.jpg しかし、イギリスという国は好かれ悪しかれ話題に事欠かない。 
 あのビートルズが来日してから今年は50周年にあたる。BSを中心にテレビの特集も組まれているが、気がつくものはすべて録画している。なんだかんだ言っても、私もベンチャーズから始まった立派なビートルズ世代である。
 まさに、ラジオが放つ She Loves Youや I Wanta Hold Yourを耳にして・・・ぶっ飛んだ!のだ。

 年とともに、サラ・ボーンなどのアダルトポップスに癒しを感じる部分も生じてはいるのだが、私の心の中でビートルズ、ストーンズ、ビーチボーイズといった音楽は、永遠のキング・オブ・ポップスロックの位置を保っている。
 なかでも、ビートルズは特別の存在だ。なにしろ武道館ライブは最後まで震えを抑えることができなかったのだから。

ファイル 674-1.jpg さて、小さな小さな鑑賞会のご案内を。
 我が地、幸手市香日向にある「ドッグランズカフェ」で明日25日の午後7時半からビートルズの曲に耳を傾けようというミニ・コンサートが行われる。生バンドがあるわけでもない、単にビートルズの楽曲を、約2時間聴くという単純な企画だが、ピアノでビートルズの名曲をという時間もあるようだ。
 題するところ「ビートルズの夕べ」といったものである。
 私は、そこにただ居るだけの立場だが、よろしかったら起こしになりませんか。300円のコーヒー以外入場無料です。私はバーボンソーダでもいただこうかと。えっ!ビ-トルズならスコッチじゃないかって? 
 まあ、そこまで凝ることもなく・・・ということで。

No.2768 英国民投票と参議院選挙の裏側

2016.06.24

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 EU離脱か残留か? 世界が注目するイギリスの国民投票の結果が、あと数時間で判明する。現在のところ「きっこう」状態とメディアは伝える。

 イギリスでは、国を二分する現状にあってポンドが暴落し、金融市場の混乱が結果が出る前から始まっている。
 この国民投票の前評判は、世界各国にも影響をもたらしており、日本でも万が一でも離脱となった場合の不安から、株価が連日の上げ下げを繰り返しつつ微妙に低落傾向を示し、この2ヶ月で3,000円ほど下げている。もちろん、これには円高という要因があることは見逃せない。

 大切なのは、イギリス問題に限らず、22日に公示となった参議院選挙が経済に与える波紋は小さく無いということか。
 このあたりの見方はあまり複雑に難しく考えることなく、簡潔に読み取るほうが賢明ではないかと思う。
 つまり、民主共産中心連合が勝利と判断される結果となれば、株価はおそらく低落し、それは長期にわたり続くと推測する。なぜなら、共産党が躍進することは、投資家とくに外国人投資家にとって好材料に感じられないというのが大方の見方で、それこそ、まさに日本株からの離脱が起こりうるというわけだ。

 株価が暴落すれば、企業活動に影を落とすこととなり、設備投資や研究開発といった分野が伸び悩む。当然経済全体が落ち込み、なにもかもが目減りする経済社会となりデフレに舞い戻ることは十分考えられる。

 選挙選の結果次第で、3年半前の民主党政権時の8600円前後の株価に急落する可能性を語る向きもある。
 ただし、参議院選挙の結果だけで政権が民共連合に移るわけではないので、そこまでの暴落は考えにくいというのが一般的な見方かもしれないが、決める事のできない政治に戻ると日本の国力が落ちるというのは当然の考え方でもあるので、今回の選挙に対する判断は、安倍総理が言っているように、「経済」を大きな柱として判断するのが妥当ではないかと思う。

 いずれにしても、イギリスの結果が世界経済に与える影響も大きいが、参議院選挙が国内経済に与える影響はさらに大きいものがある。

No.2767 イギリスに世界が注目

2016.06.21

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 震災の傷跡が日常生活に大きく残る熊本で、今度は大雨による土砂崩れ等で死者が出る災害が発生した。時間雨量150ミリというのは、とてつもない量である。降ってほしいところに降らず、そっとしておいて欲しいところで暴れる気まぐれゲリラに年々悩まされる度合いが増している。
 慎んで亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします!

 さて、主張を異にする相手による凶弾に倒れたイギリスのコックス下院議員。国を二分するEU離脱か残留かの国民投票がせまる状況下で、非業の死に至るヒロインとなった。
 人の死には様々な原因があるが、国会議員が命懸けで国と国民生活の未来に立ち向かった経過での悲劇。まさに殉職に近いものがある。
 比較すること自体が故人に失礼だとは思うが、あえて怒りを込めて言わせていただくなら、舛添某とはてんで比較にならない。

 この事件から想像するに、どちらの結果になろうとも長期にわたり国が落ち着かない事態に進む可能性が高い。スコットランド問題も再燃しかねず、ヨーロッパの主導権はドイツ、フランスに移り、イギリスは対等な立場さえ失う可能性がある。両国ともそれほど寛容な目で今回のイギリスを見つめていないだろうし、とくに離脱となると厳しい対応を見せることになるだろう。

 そもそも、スコットランドの独立に反対したのに、自らはEU共同体から離脱するというのがいま一つ理解に苦しむところだ。大英帝国としての権威を今の世界状況で示すことに何の意味があるというのか。

 イギリスが他の欧州国家27カ国との調和・融和から、それぞれとの個別交渉を必要とする離脱の流れは、欧州だけに限らず、世界に大きな影響をもたらすことは大方の理解でもある。
 過去のプライドや古いアインデンティティーに囚われた離脱志向は、結果的には、後悔という二文字を未来に持ち込むことになると思えてならない。
 離脱派のリーダーがロンドン市長であることが、なにより、Old RONDON Prideがいびつな方向へと導く所以ではないかと感じるのだ。

 庶民を二分する政治状況は、身近なところでは平成の大合併もそうであった。幸手に限らず、全国各地で未だに互いの主張が街を二分したまま、いろいろな場面でそれが顔をのぞかせることがあるという。それは、合併の成否のいかんに拘らずである。けっして良いことではないのだが、人間の感情的なものがむき出しになると、そうした流れに陥りやすい。 

 選挙のたびに熾烈な二分戦が勃発し、その後遺症で街にあたたか味が消え、市民間にギクシャク感が残るといった例は少なくない。
 企業合併でも、真の融合にはそれぞれの企業出身者がいなくなるまで続くという。しかし、そうした痛みをともなうことは世の習いと理解して未来志向を優先することが大切なのではないか。 そんな問題を残されても、困るのはその後の時代を生きる後世の人たちなのだ。
ファイル 672-1.jpg ラグビー発祥の地、グレートブリテン・・・・若く尊い命を犠牲にしたことを国家まとまりのバネにして、国民投票後はノーサイドで再出発することを望んでやまない。
 

No.2766 都知事選にシフトし過ぎ??

2016.06.20

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 前号への反響は予想以上にあった。 
自身が何度も読み返すほどである。これについては、また後日書く事もあろうかと思う。ま、それはそれとして・・・

 都知事選がかまびすかしい。およそ10人を越える候補者が取り沙汰されて、誰がなるか、誰がふさわしいかとワイド番組の野次馬騒ぎがおさまらない。

 本来は、参議院選という国政選挙が間近に控えており、この選挙が今後の日本の行方に大きく影響することは広く周知のはずである。先に来るこの予定に都知事選が勝るとは思えないのだが、世間は都知事選で持ち切りだ。
 確かに、たった一人の選択に対して、どんな有名人が出てくるかが、昨今の都知事選の傾向であるから、わかりやすいということは言えるが、それにしてもと思えるほどのメディアの取り上げ方である。

 
 加えて、昨日施行された18歳選挙権がはじめて実施されるのが、この参議院選であることを考えると、その年齢にある投票初経験者に対して、関心度を高める役割がマスコミにはあると思う。しばらくはそうした内容も多く見られたが、現在は法施行を伝える単なるニュース扱い程度で、舛添事件の続編傾向にある。
 日曜日の党首討論が各局で行われた関係で、若干の軌道修正が国民目線に生まれているようにも感じる。参議院選の公示は22日だ。
 

No.2765 何があっても信条・信念ぶれることなく

2016.06.17

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 この号は、我が心理としては複雑な想いで書いている。

 昨年4月に、私と県議選を戦った吉良英敏県議が自民党に移籍するという。まだ不確定情報ではあるが、おそらくこれは確定に至ることだろう。近々何らかの連絡が正式に入るだろうが、吉良議員陣営が自民党県議団に入ることを匂わせているという話を以前から耳にはしていた。

 昨年4月の県議選は、私が自民党公認で2期目を目指し、吉良議員は上田知事を仰ぐ「選択」という選挙会派を名乗っての実質的な一騎打ちとなった選挙であった。
 実際に上田知事が何度となく幸手、杉戸に入り、吉良候補の応援に入ったのは皆さんの記憶にも新しいことと思う。

 その結果として、県議会には新たに「県民会議」という前述の上田会派が10名の議員で設立され、吉良議員は必然的にその所属議員となった。
 それが、1年経過して、突然の離脱、自民会派移籍というのだから、義理人情恩義といった日本人が尊ぶ日本人的心を捨てて、節操のない舵を切ったという評価になるやもしれぬ。しかし、これも政治の世界ということで理解すると矛盾することではないのかもしれない。
 吉良議員が尊敬していると言ってはばからない、師匠である小沢一郎氏の過去の動向が最大の見本となっていることもある。彼も今後の厳しい目に耐える覚悟はできているのだろう。
 

 県政の実情としては、選挙前から知事と自民党県議団はある出来事をきっかけに熾烈ないさかい状態となった。その流れが、自ら施行した条例を破って4期目出馬に方向転換した上田さんに県議団は筋違いを指摘し全面戦争化した。当然、それは今でも続いている。
 思えば、5年前の知事選では自民党県議団は上田さんの3選を支援し、私も幸手地区での遊説の際に、当時の町田英夫市長とともにしっかり支えた経緯がある。それが、昨年7月の4期目知事選では吉良議員が渡辺邦夫市長と一体で支援するという皮肉なねじれ現象となったのだ。これも政治の世界である。

 県議選の結果、上田、吉良双方に生まれた師弟関係に納得する市民もいた。しかし、わずか1年で吉良議員が上田会派を離れる選択をした。まさに知事が好んだ選択とはいったい何だったのか。上田知事の思いは尋常ではないはずである。これほど短期間で自らの元を去るという行為に心中穏やかでないことは容易に推測出来る。
 逆に知事派のほころびは、自民党県議団にとって願ってもないことだろう。

 ともあれ、これで私にとっても大きな岐路が訪れたことは間違いない。
 県議選立候補のいきさつを思い起こすと、人生何があるかわからないという思いが今でも強いわけだが、今またそれに似た思いがしないではない。
 ここに至るまで、政治信条も思想も、枠組みにおいても、ぶれることなく誠心誠意政治活動を貫いてきたし、今後もそこは変わらない・・・政治の世界はまさに一寸先は闇だと実感させられたのは事実だが、なにより、プラス思考が今こそ必要だとも感じている。
 
 

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