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No.2944 深夜放送の想い出

2017.12.05

 団塊の世代にとってラジオの深夜放送は青春時代のなつかしい記憶として残っているのではないだろうか。「セイヤング」「パックインミュージック」「オールナイトニッポン」等に耳を傾けながら受験勉強らしきものに立ち向かった10代後半は67年の歳を重ねた今でもまだ鮮明な我が歴史である。
 土井まさる、なっちゃんチャコちゃんも忘れられないパーソナリティーだが、私にとっては斎藤アンコー、今仁のてっちゃん、亀渕昭信といったニッポン放送の社員アナウンサーや高崎一郎さんなどがDJを務めたオールナイトニッポンが主力だった。その前身のオールナイトジョッキーでは日本のデスクジョッキーの草分けとも言える糸居五郎さんのゴーゴーゴーのフレーズが新鮮で、とにかく洋楽を集中的に流してくれる数少ない番組だった。ここでビートルズの「プリーズプリーズミー」を糸居さん自身が驚異的なサウンドと紹介し、リスナーが衝撃を受けたものだった。以降、リバプールサウンドからブリッティッシュロック、ウエストコーストサウンドからサイケデリック、サザーン、モータウンなど広くアメリカンロックに接することとなっていったが、自分にとって至極自然の流れだった。
 そして同じように糸居さんが紹介し全国的にセンセーショナルなインパクトをもたらした曲がある。「帰ってきたヨッパライ」である。加藤和彦、北山修、端田宜彦の三者三様のイメージが新鮮だった関西出身のフォーク・クルセイダーズという3人組によるものだった。耳にした時、それまで聴いたことのない奇妙奇天烈な曲風にまず驚いた。私はレコードを買うまでには至らなかったが、大学生の彼らが自作したた曲なのにどうやって録音したのだろうかとそれはそれはガーンと頭を叩かれたような衝撃だった。ビートルズの「ハードデイズナイト」が洒落た雰囲気で曲中歌に取り入れていたのが新鮮だった。

 先日、はしだのりひこさんの訃報に接した。トリオ解散後に結成したクライマックスで「花嫁」、シューベルツで「風」のビッグヒットを出すなど、最もポピュラーな活躍をしていたメンバーだったが最近は話題になることが少なくなっていた。享年72歳だったから団塊より少し先輩といった世代だが、パーキンソン病で長く車椅子生活だったという。時の経過をあらためて感じた。クルセイダーズでは3番目のメンバーという感じだったが親しみやすさでは1番だったはしだのりひこさん。これで加藤さんに次いで2番目の天国行きとなるが、久しぶりに二人で一杯かわして酔っ払うのもよいではないか。それこそが帰って来たヨッパライそのものではないかと。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

No.2943 おごるな白鵬

2017.11.28

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 スポーツの話題が素晴らしいのは限りなく世の中全体を明るくしてくれるからではないだろうか。それは勝ち負けだけにこだわらない不思議な魔力をスポーツが持っているからだと思うがどうだろう。
 ところが、大相撲は時折社会全体を暗くする癖があるように思えてならない。他のスポーツがすべて清潔感にあふれているとは言わないが、相撲の落とし方は他の比ではない。すでに過去ブログで若干のことは書いてはいるので詳細は控えるが、世間の大方の考えと同様に、白鵬の言動について大きな問題を感じるので再び今回の事件を取り上げた。
 今、あえて使ったように今回の一見はすでに事件化している。そこで白鵬が優勝後のインタビューで暴力の加被害両当事者の復帰を果たさせたいと語った。白鵬が警察の事情聴取を受けることでそのようなことが現実となるのだろうか。どのように聞いても偉そうにとしか感じられない発言だった。会場は拍手の渦となっていたが、千秋楽を観戦し麻生副大臣の登場などもあって観客の気分も最高潮に高揚していたこともあるのだろう。その後、白鵬の音頭で万歳三唱と相成った。なぜ万歳三唱? 自分の優勝に対する祝いの催促か、それとも大相撲の繁栄を祝う行為を求めたのか。いずれにしても奥ゆかしいことでは世界一と思われる日本人にとっては少々違和感を感じるものではなかったかと思う。
 相撲自体の取り口でも、カチ上げ、ひじ打ち、張り手、ダメ押しといった横綱としての品格が感じられない内容が多すぎる。勝利を受けた後の勝ち誇った仕草も独特で、女性の批判の対象になっていると聞く。そして、例の嘉風戦の土俵外抗議である。立合いを見る限り、綺麗な立合いであり、白鵬は左手で嘉風の右頬を張っている。待ったもヘチマもないではないか! それが原因で頭を下げて下から出た嘉風にモロに組まれたところで右手を上げた。しかし、実際のところここまではどうでもいいことで、行事軍配が上がっているにもかかわらず土俵外で手をかざして行った抗議行為には観ているもの全員があきれて見つめたのではないだろうか。清く土俵にあがり礼をして降りるのが相撲道の姿のはずである。アナウンサーがしきりに前代未聞と発していた。

 とにかく、事件として警察の捜査対象になっている現状で、その対象者を公でかばう発言は行き過ぎの行為だ。事件現場にいた当事者として話すべきは話すということに徹し、それ以上の私的感情を口にするのは奢りが為せるものか、救いの手を差し伸べたいという明確な優しさから出るものなのかわからないが、多くの方は白鵬にこう言いたいのではなかろうか。
 「控えおろう!白鵬殿」

No.2942 市政報告会の意義と首長の外遊

2017.11.20

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 先週土曜日、会派先進の中村、松田両議員それぞれの市政報告会が行われた。この会派を創った立場として出来る限り毎回出席するようにしている。
「民意と共に」という会派のキャッチフレーズも当時のままに、まさに定例議会のたびに報告会を行っているのは今の市議会でこの二人だけではないかと思う。それでこそ民意と共になのだ。なぜなら議員は最低限、負託していただいた支援者が多いはずであろう地元地区に対して議会の詳細を報告し、意見交換をするのが理想的な活動だと思うからである。いや、理想的というよりは当然のことと言ってもよいのかもしれないが、およそ市町村議員で定例議会のたびに実施するというのはなかなか出来ないだろうし実際に少ないはずである。私も市議時代はなんとか実行していたつもりだが、その原点は住民の方々と接する機会を喜びに感じていたからにほかならない。

 さて、そのお二方の報告会で少し驚く報告があった。というのも先進のチラシに書かれていなかった内容なのだ。どういうことかと言うと、ある別の議員が市長の外遊に関して議会で質疑した際、その回数についてこれまで2回と答えていたものが、その後にあった議会日の冒頭、市長から訂正発言があったという。その内容は昨2016年は2、5、8月の3回、今年は2、5月の2回出かけているとのこと。行き先はフィリピン、台湾、ベトナム、タイなどだそうだ。もちろん、現幸手市にそうした国々に視察で出かける対象があるとは思えず、視察であれば公費となるが、あくまでも私費で3から4泊の旅のようなのだ。 去年、今年のことであるのに5回を2回と答えたのは、よほど記憶力が薄れているか、一瞬多いとまずいと思ったのか・・・いずれにしても議会での発言であるから虚言の形を残したままではいけないと感じ、あえて訂正したものと考えられる。
 かの質疑議員はパスポートの開示も求めたそうだが市長は拒んだという。しかし、回数も行き先も正しく口にする覚悟を持ったならばパスポートを開示するのが最も合理的であり、納得性を高める回答だと思うが、さてどうしたものだろうか。私は一緒に行った方が誰かにも興味がわくが、それは個人情報の関係もあるので難しい要求かもしれない。ともあれ、市長はASEAN諸国が旅先としてお好みのようだ。もっとも、どこに出かけられても構わないが、市長1期目の時、外遊時に幸手市が大雨による水害に遭ったことがあり、当時も議会や市民間で問題指摘されたことがあったと記憶している。
 総理は「国民の命と財産を守る」立場であり、市長は「市民の命と財産を守る」立場であると言っていいだろう。外遊がいけないとは言わないが、やはりわきまえるべきはわきまえるという姿勢を保ち、市政に励んでいただきたいものだ。

No.2941 トップの品位品格

2017.11.18

「ほんのひと言が人の心を暖める、たったひと言が人の心を傷つける」
 語り人知らずだが、なかなか意義深い言葉だと思う。どこぞのメトロステーションに看板として取り付けられていたように記憶している。
 小池百合子さんが希望の党の共同代表を辞任した。衆議院選挙の結果次第では単独代表どころか総理大臣のイスまで見据えていたはずの小池さんだが、やむなく共同代表制をしいたものの葛飾区議選の結果はもはや彼女に二足の草鞋を履くことを許さなかった。葛飾区民の選択は東京都民の選択と理解すべきであり、国民の間にも同じ思いがめぐっていたものと思う。
 これで小池氏の政治生命は都知事一本に絞られ、2期目に信任されるかどうか知事としての勤務評価に都民の厳しい目が光る、ある意味瀬戸際の状態に置かれたことになる。
 

 凋落民進党の議員に希望への転党のススメを謀り、自身経験のない巨額の資金の金庫番を手中にすることを画策していたとする説もあった。このあたりは自らが転党の政治経歴を有していたこともあってか悪びれた感じは受けないが、はからずも左派系カットの思いが「排除」のひと言を生むことになった。
言葉がこれほどまでに短期間で人物評価を変えてしまうことに驚かされたが、とくに選挙という信任負託制度を原点にする政治の世界では有権者という感情の存在があるのでこうした大逆転劇があるということなのだろう。

 
 言葉に限らず、トップに立場にある人間の品位品格はいろいろな視点から問われる。上尾市の市長・議長の行為も市民の信頼を損なうものであり、氷山の一角という意見もある。日馬富士の暴行事件もあってはならないことである。また、相撲界経営陣の一角にある貴乃花親方が「弟子が受けた暴行は親方が受けたのと同じことだ」と語ったというが、どこぞの世界でもあるまいし、売られた喧嘩は黙ってるわけにはいかないとばかりの思考はいかがなものかである。そもそも巡業担当理事として事件の早期解明に動くべき立場が被害者届けを出した数日後に暴行を受けたという話は聞いてないというのはどうしたことか。裏にどういう事情があろうとも部屋同士の怨念感情を強く出し、事の隠蔽を謀る親方に理事長挑戦の資格があるのだろうかと感じられてならない。経済社会にも業界トップクラスの企業の不正問題が続出する現象が止まない。トップの品位品格が崩れる日本社会が透けて見えるようだが、それを立て直すのもトップの仕事であるのは間違いない。

No.2940 幸手市文化祭と文芸幸手 

2017.11.13

 昨日曜日は幸手駅前通りを主会場に幸手市民まつりが開催されました。また、その一週前には幸手市文化祭と健康福祉まつりがアスカル幸手とウェル幸手をダブル会場としておこなわれました。前者では短い時間でしたが見学者として、後者では福祉まつりで300人分の焼きそばを焼き、アスカルでは写真の作品を出させていただきました。

ファイル 848-1.jpg雅号を持っているわけではないのですが、幸手市書道協会の会長さんに勧められて一昨年以来2度目の出展をした次第です。普段はほとんど大筆を持つことなどありませんし、書くという気合に入るまで時間がかかるのですが、この作品は夜10時くらいから50枚ほど集中して書き、終わったのは朝方でした。5枚ほど選別した中から選んでいただいたものを表装等の仕上げ処理をしていただきました。何をするにも誰ぞのお力添えやお世話になるということを感じますが、この書は論語の中の孔子曰くの名句で正に人のつながりを説くものです。

「人は徳を持って生きている限り孤立することなく
            必ず隣人が有る(恵まれる)」

 徳にはいろいろな解釈ができますが、私は寛容、謙虚、協調、公正、慈愛といった4K1J的な意味合いを示すのだろうと自分なりに理解しています。
 ともあれ、精神集中するという意味ではスポーツ以上のものを感じた久しぶりの時間でした。
 そして、この文化祭に合わせて毎年刊行されている「文芸幸手」も今年が第19巻となりました。ここ数年エッセイを投稿させていただいておりますが、他の投稿文の内容が高いレベルにあるので読み応えがあります。聞くところによると同誌は運営される皆様の高齢化もあって来年の20号をもって20年の歴史に幕を降ろすそうです。幸手の文化の一面が閉じられるのは寂しい限りです。

No.2939 あきれた裏事情

2017.11.10

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 前号の続編的になるが、あくまでも条理常識という範囲で倉田真由美さんに賛同をされる方が多いようだ。政治的能力だの民主主義まで持ち出す無茶ぶりに近い応援はいかがなものかという意見が大半である。しごく当然のことと思える。この記事の事後報道として小林よしのり氏の考え方にあることが原因していることが伝えられた。
 山尾シオリ議員の不倫相手である弁護士は、小林よしのり氏が主宰している私塾の師範顧問だそうだ。であれば、山尾氏との個人的な付き合いもあったと考えるのは妥当なところであろう。そして、小林氏はこの二人の関係を認知するかのような発言もしているようだ。その上で、山尾氏の能力を高評価し、政界に必要であり民主主義に欠かせない存在だとこれ以上ない持ち上げ方をし、挙句、あえて政策顧問としての起用をアドバイスしたものと思われる。一著名人が問題を抱える候補者にここまで熱い応援言動をするのは尋常ではないと思っていたが、やはり利害が絡む人間関係が裏にあったようだ。傲慢との評判高い山尾氏には同タイプの小林氏がフィクサーとして存在していると考えれば善悪は別にして理解はできる。
 こうした顛末を知るに付け何故かむなしさが残って仕方がない。

 さて、今日は希望の党の共同代表を選ぶ党内選挙が行われる。現時点では平和安全法制に賛意を示す玉木議員が有利とされている。議員の皆さんには申し訳ないが、私は希望の党に期待をしているという意味で関心を持っているわけではない。その後の野党の動きにどういった影響をもたらすかという観点で中道対左派系の通常有り得ない代表選に注目している。

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