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No.3022 ガッツポーズとパフォーマンス

2018.08.21

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 昨年は県勢初の優勝という結果に心が踊ったが、今年もまた全国高校選手権大会に魅せられた。
 ところが、岡山の創志学園の西投手のガッツポーズを巡っての議論がかまびすかしい。高校野球とは? アマチュアリズムとは? 著名人の論評もかなり出ているが賛否両論、若干賛成派が多いように感じる。ガッツポーズは一瞬一瞬の心の叫びだとして大目に見てはどうかという。マスコミにも「今の時代的」な個人自由主義のおおらかさとして認める風潮があり、そうした論説を掲載する傾向にある。しかし、こうした事象が起こるたびに伝統慣習的なものから乖離していく状況でよいのだろうかと思う。私は行き過ぎたガッツポーズを注意して制した審判に賛同する一人だ。
 西投手の場合は、大きな口を開いて吠えながら大相撲の琴奨菊が見せる後ろ反りを三振を取った打者に向かってガッツポーズをする。相手へのリスペクトが無いと審判が制したのは当然と思う。驚いたことに、その審判の制止により、調子を狂わせた西君は逆転負けを喫したという論評があったことだ。素直な感情表現を注意され、投球に微妙な狂いが生じたというのだが、こうした理由で個々のガッツポーズを認めていたら、間違いなく高校野球は変質するであろう。数日前、西武ライオンズの3、4番バッターが続けてやったことに驚いたが、内野ゴロで一塁にヘッドスライディングするのは高校野球の特徴であり、らしさである。しかし、そこで一塁手が取りこぼした結果セーフになった選手が吠えながら右手を何度も何度も突き出すガッツポーズ・・・回もせまって同点から逆転のチャンスに感情が爆発したのだろうが、目の前の相手のエラーに喜ぶ形となる。
 人間教育の一つに感情の抑制という一面がある。これは人間資質として欠かせない忍耐や我慢というものに大きくかかわっている。オリンピックで金メダルを獲得した選手が表彰台で1、2回ジャンプし、こぶしを挙げる程度のポーズには感動を覚えるが、高校野球という分野で感情むき出しのガッツパフォーマンスを許したならば、今後どんな感情表現が為されるか想像がつかない。加えて演出味たっぷりともなれば純粋さが持ち味の高校野球は、それこそ100年の歴史をもって姿かたちを変えることにもなりかねない。金足農業の吉田投手が早実の齋藤投手以来の人気ぶりだが、捕手と試合中に交わしている刀を抜いて、収めるポーズが注意されている。これがピッチングのリズムだと称し、認められるのであればプレーとは無関係のパフォーマンスが横行することは自明の理であろう。監督世代も新世代へと徐々に移り変わる中、アスリート魂の在り方を冷静に指導できる監督像が望まれる。そうでないと、少年野球の世界までガッツパフォーマンスがあふれることにもなっていくだろう。
 実は、アマチュア野球界では毎年のようにルール改定があって、今年は捕手が投手の球を受けた際、ミットを微妙に操作してボール球をストライクに見せる仕草は禁止になった。結果を欺くとか相手を騙す行為はやめましょうということだそうだ。今回の甲子園では投球に足を出してデッドボールを狙った行為があったが、審判は即座に両手を挙げてこの行為を中止し、この一球をボールと宣告した。これは素晴らしい主審の判断だった。隠し玉でアウトを狙うのもアスリート根性として褒められることではない。
 アマチュアのアマチュアたる所以は、とくに学生スポーツに共通することとして観衆に見せるべきは、持てる能力を思う存分発揮したプレーパフォーマンスそのものでありガッツパフォーマンスではない。つまり、史上初の逆転満塁サヨナラホームランであったり、2ランスクイズサヨナラゲームであったり、観客を沸かせる150㌔投球であったり、外野からの素晴らしい返球とランナーのクロスプレーであったりと観衆がため息をつく要素はふんだんにある。野球に限らずスポーツはいくらでも魅せて魅せられるものはある。私は少々頭が固すぎるのかもしれないが、木更津総合と金足農業の勝利後の校歌斉唱で後ろ反りするのも?なのだ。直立不動で歌う姿が尊く感じられるということと、あれが今後出る高校すべてが模倣する可能性があるとしたらいかがなものかと思うからなのだ。逆に高校生らしいのかもしれないという思いもあるから複雑なのだが、あれが当たり前の姿になってほしくはない。この2校が甲子園で勝利した時に見せてくれる喜びの行為であるなら、甲子園名物として理解もし、見たいとも思うが、どこもかしこもとなると・・・あくまでも好き嫌いの範疇かもしれないのだが。
 さて、第一回大会が開催されたのが101年前。そこで準優勝に輝いた秋田県(秋田高校)が100回目の記念大会で初優勝の栄冠を勝ち得るかどうか。大阪桐蔭が勝2度目の春夏連覇で、これも史上初。ガッツポーズは必要最小限の熱気こもった決勝ドラマに感動をもらいたいと熱くなっている。
 

No.3013 灼熱の戦いでの微妙な差

2018.07.25

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 熊谷41.1度のニュースには驚いた。今冬の寒さから夏はひょっとすると40度を超えるかもしれないとちょくちょく口にしていたが、はるかこの上をいく数値になるとはまさかのまさかである。人間は体温が40度にもなると命を落としたり、脳に異常が発症する可能性があるが、アメリカデスバレーでは52度という、人が住むことを拒む気温にもなっており、北半球全体が異常気象だそうだが、特に日本の気温は世界各国で報道されるほどだとか。

 そんな猛酷暑の中での高校野球も埼玉では100回記念による代表2校が決定した。南北代表ともに前評判通りの結果となった。それにしても、ナイターで、しかもドームを主体にプレーするプロと違い、高校野球はまさに灼熱のヒートグランドでのプレーであり、それを観戦、応援する人たちの猛暑対策も普通のことではなかったはずだ。また、陽光の中で躍動する選手や審判の皆さんは、多くの人が熱中症で亡くなっている災害とおぼしき現実の中で、相当な部分を気合で乗り切ったものと察して余りある。
 さて、北埼玉の決勝戦は、昭和30年代から40年代にかけて我が母校である大宮高校と熾烈な戦いを繰り広げた上尾高校が、34年ぶりに甲子園行きをかける戦いということで注目しつつ観戦した。とは言え、球場に足を運ぶ勇気もなくテレビでの話である。
 全国的に私立高校の本大会出場が多く、その影響で強豪私立校の多くが全国から選手をスカウトしているというのは歴史的に新しいことではない。そんな中、差別意識ではなく判官びいきというものとご理解いただきたいが、入学域が限られている県立高校で甲子園への資格を得るのは至難のことと言ってもよく、私立対公立の決勝戦になると、どうしても県立側に心が向いてしまう。もちろん、花咲徳栄が埼玉初の夏の大旗を持ち帰ってくれた事には大きな感動をもらったのだが、今回の決勝戦は無意識のうちに上尾を応援していた。
 しかし、試合は4回の攻防で決まった。小生も部類の野球好きだが、やはりよくあることだがバントの攻防がこの試合を決したのは間違いない。バントの重要性は成功すれば得点圏にランナーを送れるだけでなく、相手にプレッシャーを与えることとなる。この点はプロでもバントを成功させたバッターをベンチが拍手で迎えることからも理解できる。
 4回の攻防は両校ともにワンアウト1塁の場面を迎えた。上尾の次打者は、バントの構えはするもののストライクを見逃し、あっと言う間に2ストライク。もったいないと思う間もなくフルカウントになったが、次の投球にもバントの構えをするのには驚いた。スリーバントをさせるのか? バスター(バントの構えをしてヒッティングすること)は2ストライクになる前までならわかるが、ツースリーになってのバスタースタイルは意味がわからない。そもそもスリーバントさせるなら初球からバントさせればよかったのだ。ツースリーからのスリーバントならしっかりバントの構えをすればよいが、この打者はバスタースィングして三振に終わった。打ちに行くならバントの構えをする必要のない場面・・・相手を攪乱する目的もわからないではないが、それよりは確実に1点狙いの流れを作るべきではなかったか。少々専門的な範疇ではあるが、次のバッターもバントの構えをしたもののバントはせず三振に終わりスリーアウト。たしかに、バントで1塁ランナーを送るのとは別に、打って出ることで打球を転がしてランナーを送るという変則作戦もあるにはあるが、同点の状況を考慮すればオーソドックスにセオリーを求める展開が望ましかった。
 逆に、花咲は初球から確実にバント作戦でツーアウトランナー2塁。次の1番バッターが右中間に2塁打で1点、次打者は三遊間に流し打ってさらに1点。スポーツは時に奇襲奇策がはまって大うけすることもあるが、結果論として策に溺れるという評価に終わる場合もおうおうにしてあるものだ。

 3回終了時で1対1の同点。見ごたえのある試合を予感させたが、この4回の攻防で3対1となった。結局、花咲が7回に1点を追加しただけの4対1で試合は決した。数少ないチャンスを活かした現時点での常勝チームが、古豪ベテラン校に対してセオリーにもとづく固い作戦で勝利した。結果論ではあるが、上尾にとってはなんとも悔やまれる4回だったのではないだろうか。
 戦前の下馬評通り、花咲徳栄と浦和学院の2校が甲子園の切符を手にした。2年連続で真紅の優勝旗を県勢が持ち帰るかどうか。甲子園でのヒートアップした試合によって熱さうなぎ上りのテレビ観戦になるのは大歓迎だ。

No.3007 ベルギー戦を見られた感動

2018.07.04

 あちらこちらで、ノウゼンカヅラが暑さにひしがれる状態を癒してくれる。それにしてもまとまった雨が恋しい。
 そんな気分ではあるのだが、悔しさ一転、サムライブルーがもたらしてくれたベルギー戦の清々しさはなんだろう。日本勢初のベスト8入りを目指したベルギー戦はサッカーの面白さを最高潮に感じさせてくれた試合ではなかったか。結果は黒星でも見る側に与えた感動は白星と言ってもよいものだった。ポーランド戦の10分にわたるパス回しに賛否両論がネットで応酬された。概ねは、監督采配を理解できるというものだったが、情けない、がっかりした、スポーツマンシップに欠ける、中にはサムライブルーの呼称は降ろした方がよいという意見まであった。結局、引き分けもしくは勝ちに行く姿勢をみせなかったのは監督が選手を信頼していないからで、負けている状況で取る戦略ではないとも。確かに、セネガル如何ではグループリーグ敗退もあったが、攻める作戦でも同じ可能性はあった。この難局でどちらが正論かはもはや議論の範疇にはない。なぜなら16入りした結果でベルギー戦があったのだから。
 そして、このベルギー戦ですべてが払拭されたのではないだろうか。スーパーゴール2本は正に世界の日本を立証したワンダフルミラクルシュートだった。さらに、後半戦の戦いぶりは世界ランク3位を相手に素晴らしい夢の時間を我々に与えてくれた。あのクリアキックミスが・・・とか、あのコーナーキックが・・・とか、選手交代のタイミングや入れ替えの内容が・・・とか、敗戦ともなるとなんやかや批判がマスコミやネットに踊る。しかし、そんなことは現場の当事者として、それこそライブで指揮を執っている監督自体が大いに悩み、迷うことであろうと思うと、おいそれとは批判出来ない世界ではないだろうか。わずかに、交代した選手二人が同点弾と決勝弾を叩き出したベルギーの監督采配は光るものがあったが、それも結果論に過ぎない。勝負の世界の采配など誰も完璧にこなせるわけがないし、最高評価は優勝監督だけが得ることの出来る名誉でよいではないか。ベルギーが優勝でもしようものなら、あの日本戦の交代戦略がベストな采配だったと評価されるかもしれない。
 スポーツの戦いとは、酷評に値する試合内容であったなら批判もやむを得ないが、あれほど興奮と感動を与えた試合であればもはや清々しさと称賛を最優先に選手たちを慰労したくなるものだ。
 別の話として、試合直後の余韻が残る中での本田が代表引退を発言したことにはいささか違和感を持った。長谷部も遅れてひと時の悔しさから感謝と慰労への雰囲気に満ち始めた翌日に引退宣言をしたが、彼はサムライブルーの司令塔として、また日本のベッケンバウアーとしてキャプテンを8年にわたり担ったサムライ中のサムライである。本田があの段階でなぜ引退を語ったのかはわからないが、試合直後のことでは、監督の選手起用など今回の大会全般にわたる不満が為せる言葉だったように感じられなくはない。長谷部への心遣いも欲しいところだった。素晴らしい選手であり、頭もきれる人物だと思うからこそ、もう少しタイミングを選んで発してほしい言葉ではなかったろうか。 
 監督交代も囁かれているが、グループリーグを再開に終わった、しかも前回優勝国のドイツ監督でも慰留されたという。いくら名選手、名監督であるクリンスマンだからといって西野監督をこの結果で降ろすのはもう少し熟慮するべきと思えてならない。
 シュミレーションという反則および類似行為が、今一つサッカーがプロ野球を凌ぐスポーツに位置付けられないのだが、今回、大会前からいろいろなことが話題になった日本サッカー、今後は少々見る目が変わるやも・・・か。

No.3006 筋違いの正義感

2018.06.30

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 サムライブルー西野ジャパンのポーランド戦に世論がかまびすかしい!
 スポーツのこうした場面になると、スポーツマンシップという正義感を前面に押し出して綺麗事を口にするヤカラが多い。俗世間の一般論としても、こうした似非正義感をふりかざす御仁が多い昨今だと感じている。
 スポーツの最大の正義とはなんぞや! 小生はルールの範囲内で勝利を目指すことにあると思っている。しかも、その勝利は最大の名誉である優勝を勝ちとることではないか。われわれが日頃親しんでいるオジンソフトでもこの論理は永遠不滅のものである。プレー後の一杯ののど越しは格別のものがあるが、それも勝敗如何によって度合いは違う。俗っぽい話ですみません。
 マスコミには「西野ジャパン 戦意放棄」とか「スポーツの真髄に程遠い」といった戦評がある。しかし、サッカー関連者は、多くが西野選択の理解者である。川渕、カズ、秋田といった先人たちもしかり。確かに、西野選択の10数分にセネガルが得点したならば、グループ敗退になる可能性があったが、そこで叩かれ、言いたい放題の批判を浴びるのは西野監督自身であったろう。選手との信頼感にも関わったことは間違いない。批判は易しだが、監督の心中をおもんぱかることなく悪口雑言が並べ立てられることも覚悟の上で西野監督はサムライブルーの16入りを「あの選択に賭けた」のである。誰もそこに文句や注釈を加えることがあろうか。参加32か国中最もファウルの多かった韓国に批判される覚えもないし、セネガル監督の「一生懸命戦ったからファウルが多くなった」というのも監督の立場として発言すべきものではないと感じている。
 そもそも、こうしたことも推測したうえで今回の大会からフェアプレーポイント制度が設けられたと考えるべきで、それによる16入りを素直に喜ぶのが筋であろう。だいたい、危険なラフプレーは日本選手に見られないし、シュミレーションという綺麗に転がり、大げさに痛がる迫真の演技力(笑)に最も乏しいのが日本ではないかと感じる。もちろん、それが日本らしくていいと思っているのだが皆さんはどう思われますか。
 思い出すのは、1992年8月16日の甲子園大会2回戦の明徳義塾対星稜高校戦。明徳は怪物松井にすべての打席で敬遠(捕手が座っていたので記録は四球)し、松井は一度もバット振ることはなかった。結果は明徳が3対2で勝利した。しかし、松井の打席のたびに場内が騒然とし、明徳ナインに「帰れ!」「殺すぞ!」といった罵声が浴びせられ、いろいろな物がグランドに投げ込まれた。それでも明徳の河野投手は監督の指示を守った。ナインもつらかったことだろう。純粋スポーツの鏡である高校野球にあるまじきという評価がつきまとい社会的に大きな問題となったのは今回の比ではなかった。今でこそ語られなくなったが、それから数年にわたり明徳義塾にブラックイメージがつきまとったのは日本的正義という観点からやむを得なかった。しかし、これもルールを有効に利用した勝利への飽くなき執念が為せることだった。今年からプロでは申告敬遠という制度が設けられた。この明徳星稜戦で申告敬遠があったなら河野投手の気持ちも少しは楽だったであろう。打席ごとに4回投球する時間はおそらく胸がつまったのではなかっただろうか。この申告救援は日本でも大リーグでも頻度はかなりのものがある。そもそも、そうした場面でもブーイングはかなりあるが長続きはしない。どうやら時間短縮以外にブーーイングを防ぐ効果もあったようだ。敬遠はほぼ最強打者に対してとられることから観る側にとってつまらないというのがその評価の最大の理由につながっている。お金を払っている観客を楽しませ、満足させることがスポーツマンの使命という論理はわかるが、やはり勝ってなんぼの世界でもあるのだ。
 最近の例では先々週に行われたゴルフの全米オープンに見られた。すでに殿堂入り間違いないと言われる史上最高のレフティーとして名高いミケルソンが、打ったパットがホールを越えて転がっているのを走っていって「故意打ち」で逆打ちした事件である。そのまま転がればグリーンの外に出るのがわかったということで取った違反行為である。この行為は、違反ではあるが2打罰というもので、スコアの状況によっては軽いと理解すべき可能性もある。つまり、大差でトップを走っている選手がこの行為をしても2打罰ならさほど痛くはないし、下位に低迷する選手なら結果に影響ない。おそらくミケルソンはコース設定の在り方に「いい加減にしてくれ!」という思いがあったのかもしれない。 勝利にも次のステージに進むにも大きな影響がないルール違反である。そしてゴルフは個人競技であり、お国を代表したアイデンティティーを標ぼうする点でサッカーや野球とは異なる。その後のミケルソンに対する人間評価がどうなったかは分からないが、同様のルール違反は今後一切起こらないだろうという推測は出来る。

 さあ、見事16入りを果たしたサムライブルーの赤い悪魔戦に、また熱い声援を送ろうではありませんか。小生はポーランド戦にしこりを残す方には忘れることに限ると申し上げたい。


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No.3003 サムライジャパン いざ出陣!

2018.06.19

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 今日のスポーツ紙の一面は、報知、スポニチ、サンスポなど、多くが香川の文字を大きく掲げていた。小生も香川に期待するひとりだが、なんとカズが香川の得点にからむ活躍を期待し、暗示しているのが目を引いた。
 頼むぞ、香川!の感覚で共通する人が多いということだろう。 
 乾も柴崎も長友も日本の強烈なアイデンティティーを見せつけてほしい。本田にも期待しないわけではないが、チームプレーの面から言えば、孤高のプレーヤーのイメージが強い彼は控えでいいのではないかと思う。この点については個々に考え方がわかれるところではあるが、とにかくコロンビアに勝って前回の雪辱を果たすことを最大の眼中にシャカリキになって走りまくってもらいたい。

 さあ、突っ走れサムライブルー!!

No.2997 組織的保身はスポーツ界の汚点

2018.05.23

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 怒りが止まらない! 昨日、自らの暴力タックルに起因する状況を説明するために素性を明らかにして記者会見に臨んだ宮川選手。彼の説明全文は読売朝刊で再確認したが、これだけのストーリーを創作しようにも出来るはずもない。おそらく若干の記憶違いがあったにせよ、多くは事実を真剣に伝えているものと信じたい。まして、試合後には監督やコーチとの話し合いもあり、彼の父親も同席している場もあるというし、真実を述べることによって彼は傷害罪という負い目を受ける可能性すらあるのだ。謝罪という観点から表に出ることを申し出るも大学側から止められたが、事の大きさが拡大する状況に耐えられず弁護士付き添いでの会見を単独で実行するに至った。いわば、本来大学側が率先してするべきであった説明責任を学生が先出しした。ところが、説明を拒み辞任で幕引きを謀った監督・大学側の根性の悪さは最悪のものと言えよう。つまり、先出しした学生の説明を後出しで否定したのだ。小生は学生の話を聞いていて、録音しているわけでもなく、言った言わない、聞いた聞かないの行き違いにひょっとすると大学側は「しらを切る」可能性もあると感じていたが、まさにその通りとなった。
 大学側は宮川選手の説明に対し、迅速に文章で反論した。ならば、なぜ学生より早く説明責任を果たそうとしなかったかに疑問以上の憤りを感じる。相手大学への謝罪こそ宮川くんを伴って迅速に対応するべきであったであろう。前号でも書いたが、日大は段階的にいくつもの対応不足をしていたにもかかわらず宮川君に対する否定反論は迅速だった。
 誤解や乖離を前提にしたコミュニケーション不足が原因だとする言い逃れも、薄汚い上から目線の大人の世界を標ぼうしているようでどうにも釈然としないどころか得も言われぬ悪寒さえ走る。
 宮川くんが監督・コーチの指示に逆らうことが出来なかった事実は、体育会系の経験者であれば理解できるところだろう。それについては勇気がなかったということになるのかもしれぬが、昨日の記者会見は周囲から勧められたことがあったにせよ勇気ある行動だった。テレビでも盛んにこういった記者会見は前代未聞だと評していた。だからといって、これで彼への全面的な了解がはたされたということではない。彼の苦しみはこれから幾重にも連なってくるものとは思うが、20歳の身にはまだまだ大きな未来が待ち構えていることも間違いない。
 それにしても、知人友人にも日大出身者は多い、おそらく卒業生も日本一を誇るであろう同校が、今回の事件で著しく信頼を低下させたことは間違いのないところで、反省や学生への思いやりもない校風体質に恐れ入りましたと評しておこう。もちろん、最大の皮肉である。この事件に関わりのない日大関係者にしてみればさぞや忸怩たる思いでいることだろう。今後は、内田監督が迅速に説明責任を果たすことが望まれる。宮川くんの主張が万が一日大組織に太刀打ち出来ない状況となったならば、現役アメフト部員の表に出ての証言が鍵を握ることにもなる。警察の捜査はそこまで行く可能性もあるだろう。選手は我が子同然とよく言うが、その我が子を貶めるシナリオが大学と部活ぐるみで創作されるようなことは誰も期待していない。

 スポーツの世界には常に悪意の思考が潜む。八百長、薬物汚染、ハラスメントetc。アメリカで起きたスポーツドクターによる女子選手への性的虐待は、自らの快楽を求めたものでその異常性が際立つが、この例の主犯は指導者でも選手でもない。指導者や選手自らが発する悪意の思考の多くは、勝負に勝ちたい、懐をあたためたいというものに尽きるのかもしれぬが、勝たんがために相手をケガさせ、その結果として半身不随とか死に至る可能性に思いが至らないのであれば、これはもはやスポーツとは言えない。今回の事件で、日大には脈々と続いてきた相手選手への反則行為を指示する指導が存在していたと理解せざるを得ない。他の大学のアメフト部に同様の精神があるかないかは不明だが、この事件をきっかけにして本来のスポーツマンシップとは何かを組織的に見つめる機会にしてもらいたいものだ。大相撲では昨日、横綱が幕内に対して横に飛ぶという真っ向勝負を避ける取り組みに国技館全体が大きなブーイングでわれたが、勝てば何をやってもいいのかにはファンの目も厳しさを増していることに上層部が危機感を持つ必要があるだろう。
 政治に関わるものを除いて、単一テーマを3回連続で書いたのはおそらく始めてかもしれない。この事件は、鈴木大地スポーツ庁長官や林文科大臣も看過できないといコメントを発しているわけで、スポーツを通しての教育の在り方、人間形成、指導者資格等々の観点から国会で取り上げてもいい、というか取り上げるべき社会問題だと思うが・・・6月10日の閉会を前に提出議案の成立に意欲を示す与党はさておき、モリカケ問題に執拗な狂気を示す野党議員たちにはおそらく届かないでろう。

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