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No.3559 目には春爛漫でも・・・

2022.04.23

 気温の上下差は身体にこたえるが、日々目に入る街風景は春の情景を増している。
 家々の植栽のツツジがそれぞれ色合いを整えながら面積を増やす変化を見て、命の不思議を再認識したり、知人に教わった小さな鉢に観賞用菊の挿し木作業をし、その10㎝ほどの姿が元気にしているかどうかを朝な夕なに気にしたりと、時間の合間をぬって春を楽しんでいいる。
 とは言いつつも、なぜか心が晴れない。コロナのせいもあるのだろうが、やはりウクライナのことが思考の多くを占めているからだと思う。頭に破片を受けて命を取り留めた13歳の少女をみたが、これが氷山の一角かと思うといたたまれない気持ちになる。マリウポリの製鉄所地下に閉じこもった民間人は、ここをハエ一匹通れないように封鎖しろというプーチンの命令通りになったとすると、今や閉じ込められているということになるが・・・。

 ウクライナの春は遠い! いや、夏さえも。 このままいけばイタリア映画「ひまわり」で観た画面いっぱいにひまわりが咲き誇った風景は白昼夢で終わるやもしれない。この映画自体は、戦争が生む悲恋をウクライナの情景に結びつけ、ヘンリーマンシーニの音楽と相まって叙情的に観る者を魅了した映画だった。「昨日・今日・明日」の風刺コメディでコンビを組んだソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの名演は若かった私にも記憶に残る映画だった。余談だが、この頃は仏伊の映画や音楽が世界中でヒットして、それはマカロニウエスタンという異質の西部劇を生むに至った。英米主体の映画史と競うように流行したものだった。
 私は、ヘップバーンと並んでクラウディア・カルディナーレという女優が大好きだった。私事ですみません!

 ロシアの侵攻当初は零下の日々が多かったが、これからは真夏の陽気へと変わりゆく。気温的には季節を巡るものの、ウクライナの風景はしばらくは季節を感じさせる事の無い暗い状況が続くのだろうか。ひまわりどころか、小麦をはじめとする穀物も、今の光景からはどれほど作れるものやら。返す返すもプーチン許すまじの思いが募る。

No.3558 子どもに見せられない光景

2022.04.07

 日に日にウクライナ各地の無残な光景が画面に示される。戦争犯罪かどうかを問うどころではない。これが戦争犯罪でなかったら侵略兵器のみならず暴行強姦の後に命を奪われたウクライナ国民は浮かばれない。
 移動式火葬車などという耳にしたことのないワードに気持ちが暗くなる。ロシアが証拠隠しのために繰り出した特殊車両だというが、そういったものが造られていることが信じられない。戦争を仕掛ける思考があるからこそ発想し得る創造物だ。死した市民の姿にはボカシを入れているものの、黒いビニールに包まれた遺体を運ぶ姿は、子どもに見せるのをためらう侵略戦争の醜悪さである。先月春休みで来ていた孫は「こういうの何度も見たくない!」と画面を換えたものだ。
 G7外相会議で更なる制裁が打ち出されるなど、西側の結束をバイデン大統領は訴えたようだが、最終的に、クリミアを含めてウクライナに正常な状態が戻り、プーチンにとってウクライナ侵攻が全面的に失敗だったとなるかどうかに関心が及ぶが、その前に戦争終結が望まれるところである。 
 ロシアはフェイク捏造の主張を高める情報戦も展開しており、嘘を嘘だと証明する難しさは「嘘も100回言えば本当になる」という、格言になって貰いたくないような実態を深めている。特に自国の国民向けに欠かせないのだろうが、こうした不謹慎さは中国と変わらない。それは共にアメリカに対する敵意むき出しで、アメリカのみをウクライナ侵攻の原因であり、最大の敵対国として浮彫にしたいかのようだ。ロシアへの制裁をバイデン大統領が舵取りをしていることも憎悪増幅につながっているのだろうか。

 ところで、林外相が「日本に有事が発生したときには、アメリカが対応してくれる」といったことを発言しているが、こんな発言を聞いたアメリカはどう思うだろうか! 他力本願の国防発言を聞いたアメリカは、政治家だけでなく国民全体が日本の甘さに憤怒するはずである。まさに、ふざけるな!の話である。自ら防衛力を高める姿勢を示さない国を助けてくれると思っているのだろうか。今回のウクライナを見ればわかる通り、第三次世界大戦を引き起こさないために武器は供与するが自らは手を出さないという理屈は現時点で明らかにされている。中国やロシアが、まして北と南から同時侵攻し、そこに北朝鮮が参戦してこようものなら・・・考えたくはないシナリオだが、絶対に無いとは言い切れない悪夢をついつい想像させる現実をウクライナで目の当たりにしている。日本を敵視している大国が日本海の向こうにあるという地勢状況はウクライナ以上に深刻な問題ではないか! 悪夢が現実になれば、子どもに見せられない光景どころではない!子どもが次々と犠牲になっていく可能性がたかいのだ。
 比較するのが適切かどうかは別にして、新年度国家予算は男女共同参画費に9兆円、防衛費は4兆5億円程度で約半分である。国を守るために防衛費を増やすべきという声は、既に6割に達している。岸田総理の制裁発言は威勢がよく聞こえるが、具体的に自国防衛にはほとんど言及していない。もどかしい限りだ。

No.3557 あさま山荘事件50年で想うこと

2022.04.06

 ロシアによるウクライナ侵攻は、各地で人の命を命と思わない残忍な暴行殺戮が行われていた。ブチャ市内の惨状は見るに忍び難い。マリウポリでは5,000人の市民が殺されたという。独立した隣国に無秩序にミサイルを打ち、街の歴史も文化も破壊し続けるロシアは、過去の歴史に見られる残虐行為を民間人に対して行っていたのだ。独裁者の猜疑心による領土拡張には常にこうした結果が伴う。

 今から50年前の1972年2月のこと。自分は卒業を控えた22歳になろうとしていた時だった。軽井沢山中のアジトで同士14人を総括という名目で殺害し、山中に埋めた連合赤軍事件が発生した。殺害方法は文字にするのをはばかれるほど残虐無比なものだった。男女関係を問われて処刑の対象になった者もいた。
 当時、警察隊との攻防を流すテレビ画面に釘付けになったことは今でも鮮明な記憶として残っている。警察隊に銃砲を打つ赤軍派に対して、彼らが根城にする山荘にクレーンでつるされた巨大な鉄球が何度もぶつけられる様子はこの世のものとは思えなかったし、22歳の身が受けた刺激としては最大級のものだった。
 連合赤軍とは、日本共産党の分派であった共産同赤軍派と日本共産党神奈川県委員会が合体した組織で、この記憶に残る事件を起こす数年前から革命活動費を捻出するため金融機関を襲うなどしていた。
 そもそも、1932年の秋以降、国際共産党コミンテルンによる武装闘争指示による結果として、日本共産党は査問と称するリンチを都内のアジトで実行していた。同年、小畑達夫中央委員が死に、その後も不破哲三元委員長など若い時にひどいリンチを受けていた。彼はそれを耐えしのび書記局長から委員長へとのし上がっていく。

 
 今のロシアに言えることは、革命という大義を標ぼうする共産主義の原点である独裁指導者がすべての権力を掌握し、それ以外は絶対服従というスタイルそのもので、これはレーニンによるロシア革命に端を発するものである。正に時代錯誤も甚だしい古い人権無視の手法と言える。
 数人の処刑に関わり20年の判決を受けた元連合赤軍の一人が、事件50年にあたって「赤軍派が起こした事件は大きな過ちであった」と述懐している。テレビを見ていた側からすれば、間違いどころの話ではない。狂気の沙汰としか感じられなかった。左派思想にのめり込んだ若者たちの最後のあがきでもあったのかもしれない。しかし、その運動は深く静かに潜行し枝野幸男前立憲民主党代表なども影響を受けているのだ。
 今の時代、大衆運動や革命といったリンチ虐殺は遠い昔の話だと思っていたが、実際には1960年代の中国文化大革命、1989年の天安門事件はもとより、カンボジアでポルポトが起こした大虐殺では200万人近い命が奪われている。この時のポルポトは同国共産党中央委員会書記長という肩書だった。
 別の観点では、第二次大戦終了後に突然侵攻したソ連によって60万人の日本人がシベリアでの抑留を余儀なくされ、6万人ほどが厳しい捕虜生活の中で亡くなっている。既にお亡くなりになっているが、香日向でもその体験者で懇意にさせていただいた方がいた。南京虫やシラミで寝るのにも不自由したとおっしゃていたものだ。サハリンに送還されたウクライナ人は今どうしているのだろうか。
 こうした過去の歴史を彷彿とさせるプーチンロシアの蛮行は、この先いつまで続くことになるのだろうか。

No.3555 ロシアの影で中国の狡猾な動向

2022.04.01

 ロシアのウクライナ侵攻は先が見えない様相となってきた。いずれにしても共産主義思想に基づく全体主義国家の独裁指導者が選択する道は、自ら停戦という事にはならないものと思われる。また、それが大方の予想でもある。
 ウクライナをナチ化と称し、聴衆に大嘘を吐くプーチンは、既に国家元首として世界に通用する人格には程遠いという評価しかない。ロシアの侵攻が終わりを迎えた段階で間違いなく戦争犯罪人として裁かれることになるだろう。と考えれば、なりふり構わないプーチンに益々変貌する可能性も高い。そういう意味では、帝政ロシアの復活を意図しているとも言われるプーチンだが、皇帝プーチンへの選択は彼自身の破滅への道にならないとも限らない。
 あくまでも強権政治の元、言論弾圧、思想報道統制、果ては自分の為の法改正といった習近平が歩む道を模倣することになるであろう。そうなる方向に自らが舵を切ってしまった感すらある。中国が民族弾圧による民族絶滅すら思考していると言われるが、そこはプーチンに通じることかどうかはっきりとしたことはわからない。ともかく、中国とは異なる複雑な欧州事情がありそうだ。

 さて、その中国だがソロモン諸島と軍事同盟を締結する可能性が高いとされる。ロシアに世界の目が注がれている間に狡猾な軍拡路線を実行しているのだ。この同盟は既に現実のものになっているともいう。その内容は、ソロモン諸島に軍事的脅威が及んだ場合、ソロモンは中国に軍隊派遣の要請が出来ることが中心になっているようだ。その為に諸島のどこぞに軍事拠点を建設するであろうことは容易に想像できる。はてさて、中国以外にどの国が平和を損ねる軍事侵攻をすると想定しているのだろうか。ミクロネシア連邦のトップは、このソロモンの意向を馬鹿げた考え方として思いとどまるようにとアドバイスしているそうだが、ソロモンが耳を貸さないという。
 オーストラリアの東北数百キロの太平洋上に位置するソロモン諸島を、繰り返しになるが、どこの国が軍事侵攻すると言うのだろうか。南米にも中国マネーが押し寄せる流れは、中国の太平洋進出計画が着実に歩を進め、太平洋そのものが米中分断の真っただ中に置かれることになるのだろうか。であれば、南シナ海で仕掛ける中国優位のシーレーン構想がまた一つ具体化することになると考えるべきかもしれない。
 どう考えても、ソロモン諸島は中国マネーに目がくらんだとしか考えられない。下司な考え方をすれば、こうした途上小国相手ではそのトップに対して直接マネーパワーが及んでいる可能性もあるのではないかと思えてならない。習近平は国内の汚職絶滅に力を入れているというが、外交的には有り得る中国的外交作法かもしれない。
 プーチンしかり、習近平といった大国を牽引する権力者に待っているのは、自国内で権威を誇っても、全世界から尊敬を集めることができなければいずれ瓦解する局面にぶつかるということかもしれない。
 反面、自由主義国家群に言えることは、資本主義に対する批判や異論が高まりつつあることだ。自由主義と資本主義の分かれ道が問われれば問われるほど、コミンテルンがゾンビのように復活することも・・・いや、そうは考えたくはないのだが。日本にはマスコミを中心にそうした思想煽動があることは間違いない。

No.3553 6年経って・・・

2022.03.23

 昨日の雪には驚いたし、寒かったですね。今日にも持ち越しとなったら、小学校の卒業式なので足元悪くて大変だろうにと思っていたら、晴天になりほっとしました。
ファイル 1475-1.jpg 今日のスクールガードはいつもの時間に子どもたちが来ないので変だなあと思っていたら、香日向ボラのガードリーダーから電話があり、登校は卒業生だけで、時間もおよそ1時間ずれるということでした。そこで、いったん引き返し、再度8時15分に行ったらそれでもなかなか来ないので、今日は最後だけど、会えずに終わってしまうのかと思っていたら、写真の親子が急ぎ足でやってきました。
 1年生当時、私のベルトほどしかなかった身長もお母さんに近い高さに成長しています。他の子では私より大きくなった子もいます。
 「よ、学生服似合ってるよ」というと嬉しそうな顔をしてうなずいてました。お母さんの笑顔もなんとも言えない感じで、感慨深いとはこういうことにも言えることだと、しばし見送っていました。結局、通過したのはこの子だけでした。車で送ったのかもしれませんが、新しいステップに向けて最高の卒業式になるよう願うばかりです。かっこいい生意気になるんだぞー・・・ガンバレー!

No.3552 コロナとウクライナ

2022.03.21

 ウクライナ情勢は今後が見通せない状況となっているが、確実に市民の犠牲者が増える日々であることに変わりはない。とうとう、キエフではスーパーマーケットがミサイル攻撃を受けるなど首都攻防戦が展開し始めた。
 かなり前のブログでも書いたと思うが、プーチンは30年前のソ連崩壊後、西側に強烈な敵意を抱いたのだろう。そして、ソ連復活どころか帝政ロシア時代へのタイムスリップを実現させる野望を持ったのだ。それは、軍備増強という形で静かに時をかけ地殻変動のタイミングを待っていたものと推測する。それが証拠に、現時点でプーチン支援者が言う「ロシアは世界一の大国だ」という発言につながっているのではないだろうか。つまり、大国とは軍事大国のことを言い、更に突き詰めれば核大国を誇示しているものと思う。それは、6000発を超える核弾頭を既に保有しているという説があることを思うとあながち虚勢発言とも思えない。シベリアに眠るエネルギーで蓄えたロシアンベネフィットが核製造の原資になったのだ。

 ここまで民主主義に対抗するプーチンの精神構造は、ウクライナ攻撃に生物、化学、核兵器なんでもござれの可能性が高いと考えるべきだろう。その覚悟を決意しての軍事侵攻だと考えないとどうにも理解できないのだ。その先にはモルドバ、ジョージア、ハンガリーなども視野に入れているはずである。要するにプーチンはもはや突出して超異常な独裁者でしかない。
 この侵略戦争もいつかは終戦を迎えることになるだろうし、ならないとすれば気の遠くなる第3次世界戦争にもなりかねない。そうなる前に、どんな理由でもいいからウクライナに平和が戻り、プーチンが失脚することが望まれる。それこそが中国への抑止力にもなることだろう。

 ところで、ここまで人の尊厳が侵されている状況で、日本はどうかと言えば、コロナ感染者数の定例発表に一喜一憂する日々である。今日21日でまん延防止対策措置が終了するが、このひと月感じることは、ウクライナでマスクをしている人を見かけない。いてもそれは寒さと恐怖心がさせているように感じる。プーチンの演説に集まった大会場でマスクをしている人も皆無。命への闘いと恐怖では戦争に勝るものはない。
 コロナは、この2年感染者数の積算累計を自治体別に毎日示してきたが、もはやその意味がどれほどあるものやら。そろそろやめてもいいのではないかと思うが、巷の声もその傾向が高くなりつつあるようだ。
 医療部門の状態は無視出来ないが、個々の対策では自己防衛という手立てしかないことを認識するところにきているのではないだろうか。行政と議会という関係で考えれば、情報は共有しなければならないが、詳細を市民に語ることは出来ないし、経路がどうだ、濃厚接触者がどうだと言っても、結局は外出しないわけにはいかない中で、マスクと消毒という基本行動を守るしか私たちに出来ることはないのだ。
 コロナで疲弊する社会に、ウクライナ関連で予測される経済悪化が加われば、私たちの生活はこの先どうなるのか。物価はひしひしと日常を重くし始めているように感じる。
 そういう意味では、個人的にはPCR検査などに気をおもねることなく、相対する人や常の周囲環境に配慮したマナー対策を遵守することを大切にし、普通の生活に戻すべきだと思うこの頃である。

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