南北会談は、各国で生中継されるほどに世界政治のトップニュースになった。金大中大統領の訪朝以来10数年ぶりということだが、当時と異なるのは、関係諸国のリーダーに思想的変化があるということではないだろうか。日本の安倍首相は、反日マスコミと野党コンビによる国益ほったらかし政権批判運動の渦中にあっても水平安定思考の外交をこなしているが、なんと言ってもトランプ、習近平、プーチンの三巨頭そろって強気な戦略志向を見せる状況は過去に記憶がないほど異常と言えば異常である。そこに来て、キムジョンウンとムンジェインという南北リーダーも日本にとっては喜ばしいタイプではなく厳しい外交関係に置かれている状況は間違いないところである。
キムジョンウンが中国を訪れて習近平と会談してから急展開を見せる北朝鮮状況。習近平のアドバイスをすっかり信頼してのことであろうし、韓国も在韓米軍の関係で中国からあけすけな経済制裁を受け、ムンジェインが習近平からの提案を受け入れ、さらには寄り添う形で南北会談の実現をしたと推測している。
その前提となる共通認識として習近平が二人に持ちかけていることとして、対日関係があることは容易に推測できる。つまり、習近平の最大の野望を実現するためには在韓米軍の撤退、ひいては沖縄米軍の撤退まで視野に入れているはずである。フィリピンの米軍道撤退がオバマ時代に実現していることから、習近平による世界平和安定政策という綺麗事が成り立つ可能性が無きにしも非ずである。そして、日本の大東亜戦争における行為を過大捏造してまで世界での日本のイメージを低落させる共同戦略を謀略している。つまり、中韓朝の3国が連携して従軍慰安婦や南京大虐殺、さらには徴用工までをも世界に訴え続ける狡猾な戦略を練り上げているものと思う。これまでは3国バラバラな歴史捏造のロビー活動であったが、その流れを一気に変える戦略が習近平から提案もしくは指示があったのではないかと思う。そういう意味では日本の孤立化の可能性が絶対ないとは言えないが、それはあくまでも3国に対してのことであって、アメリカがそれに乗るとは考え難い。
中国は、あわよくばトランプのご機嫌伺いを平和友好的イメージを匂わせる趣きで南北に仕向けさせ、在韓米軍の撤退を世界に向けた美談として仕掛ける・・・・。南北会談で核の撤廃に向けた共同宣言では「半島からの核の撤廃」という文言だったことに違和感を感じる向きは多いと思う。さて、半島どころか北朝鮮の核の撤退すら本当に実現するのであろうか。
ともあれ、注目は中国が軍事費を膨大に膨らませ、平和活動とは無関係の航空母艦を増強し、世界各地に軍港整備を働きかける現実と、なにより習近平が期限無き中国トップに居座ることの出来る憲法改正を実施したことを常に見過ごしてはならないと思うのである。
それにしても、日本の国会は何をしているのであろうか。こうした世界情勢の中で、政権を転覆させてどの政党に日本を牽引出来るというのだろうか。いや、朝日系マスコミと野党の戦略は安倍政権による憲法改正の実現にストップをかけるための総理引きずり降ろしが狙いであって、その後の総理は誰でもいいくらいのことかもしれない。それが現状の最大の目的になりつつあると感じるのだがいかがなものだろうか。
記事一覧
No.2989 どこかおかしな日本
No.2984 バヌアツ
中国の海洋大国への野望が止まらない。南太平洋にバヌアツという島国がある。この国に中国が軍事基地を計画しているとのスクープをオーストラリアのメガメディアであるシドニー・モーニング・ヘラルド紙が伝えている。
このバヌアツはオーストラリアから2,000キロ程度しか離れておらず、地政学的にはオーストラリアのみならずニュージーランドや他の島嶼国家にとっても安全保障上尋常な話ではない。
これが事実ならば、紅海からスエズを抜けて地中海に入る重要航路の入り口に位置するアフリカのジブチに続いて2カ所目であり、太平洋では初のことである。中国は周知の通り、ODAというと聞こえはいいが、途上国へのインフラ整備や資金提供といった札束で相手のふところを叩く外交に徹している。小国をのみ込むには手っ取り早い方法と考えているのだろうか。そして、究極の目的は太平洋、インド洋、地中海ににらみを利かせる海洋軍事大国化を謀っていることは間違いない。アジアで数少ない親中派であるパキスタンとの関係も緊張関係にあるインドをにらんで中パ経済回廊と呼ぶ600億ドルという規模の投資を開始している。パキスタンのグワダルという港湾都市は日本にはあまり伝えられないが、中国の軍事基地化が進められているという。
別の観点からは、14億人とも言われる人口の食い扶持を確保するためにもこうした進出が必要だと考えているのかもしれない。それにしても、私には三国志に通ずるものがあると感じられてならないのだが、今、まさに中印パによる南アジア三国志の熾烈度が増しているという。
文化レベルの低い時代は、どこの国でも食うか食われるかの殺戮の歴史を持っているものだが、中国はそれが抜きん出ている。実際に、論語の教えなど中国人は鏡にしているのだろうかと思う。それは文化大革命や天安門事件といった近代政治下の大量殺戮にまで引き継がれている。その天安門事件の10年前にと小平が打ち出した市場経済路線は、江沢民等によって中国式社会主義経市場経済として発展をすることになる。資本主義経済とは異なる一党独裁国家ゆえに国庫が豊かになるスピードは資本主義国の比ではない。そこに腐敗が横行する所以があると言えるのかもしれない。
2001年にWTOに加盟することで更にめざましい進展を続けた中国は、世界制覇という野心を隠すことのない習近平の元、世界一の下請け国から、世界一の消費国、そして世界一の軍事海洋国へと実体を変えつつあるのだ。
No.2974 新冷戦時代の幕開け
ロシアと中国。自由と民主主義を掲げて世界を牽引するアメリカに対抗せんと、この二大覇権国家は相次いで戦備増強の方針を打ち出した。これには、アメリカ・ファーストなどと身勝手な発言をし、自国の損得しか見えない国に成り下がりつつあるトランプアメリカの存在が軽くなっているのも一因にあるだろう。
ロシアはクリミア併合、シリア・アサド政権支援、北方四島の軍事拠点化など、ユーラシア大陸各地の海洋要衝地の軍事領土化を謀っている。おりしも、近々行われる大統領選挙で国民に人気の高いナワリヌイ氏を犯罪者扱いすることで出馬を妨げるという民主主義の破壊行為を実行している。ソ連崩壊とペレストロイカにより冷戦時代に終止符を打ったかに感じられたものの、今ではバルト三国とウクライナ、ジョージア程度がロシアに抵抗するだけで、多くの旧ソ連に属した国々のみならずポーランドなどもプーチンロシアに膝着き外交をする傾向にあるという。プーチンは、つい先日もアメリカに届く小型ミサイルの開発に成功したと発言しているし、北朝鮮周辺事情でもお得意のどさくさに乗じた領土拡大を意識しているかのようだ。
中国はと言えば、5日に始まった全人代では憲法改正が確実という。習近平の生涯主席を約束するかのような国家主席の任期廃止がそれである。毛沢東による文化大革命の反省から集団合議体制を憲法に持ち込んだのが1982年。もっとも、これをもたらしたト小平こそが天安門事件の学生大量殺戮を指示した張本人だったというのも皮肉な話である。それにしても、何をもってわずか5年程度で独裁体制を実現するだけの力が働いたのか見当がつかない。習近平という人物はそれほどの器なのだろうか。日本では言論の自由が政権転覆をはかる捏造記事を許したり、それをネタに国家の安全を無視した議論が延々と続く国会となっているが、中国ではもちろん、国家批判は許されず、ネットチェックも厳しいものがある。世界に旅する国民が多いこともあり、北朝鮮ほどではないにしても、国民には政権指導部にとって都合のよいことばかりが伝わる情報システムと言ってよいだろう。
日本の防衛費は数年減額が続き、ようやく過去最高に並ぶ4兆9千億ほどになりはしたが、中国の軍事費は日本の3.7倍である。すでに海・空に関する戦闘個体数は5年前と比べて3倍から5倍規模と飛躍的に増加しているが、今後、さらに増強する計画である。南沙・西沙は言うに及ばずパキスタンやモルジブ、ジブチなどにも貿易港の名を借りた軍港の配備を実現もしくは画策している。数日前には、尖閣の接続水域侵入に抗議した日本に対して「日本の自衛隊が接続水域に入ったからだ」と強弁している。尖閣は我が領土と主張し続ける意味を小さく考えてはならない。嘘も百回言えば真実になりかねない。
そもそも、日本には防衛の必要性があっても、中国やソ連に防衛の必要があるのだろうか。いや、あるとは思えない。この軍事費は防御用ではなく限りなく攻撃用としか考えられない。軍備増強にはいろいろな理屈があるが、ロシアにアメリカやNATOが攻撃を仕掛けるわけもなく、中国にも同様のことがいえる。いきつくところ、遠い先にはロシアと中国間の応酬はあるかもしれないが、今はとにかく対米意識で共通している。
中国が日本に攻め入る可能性は大いにあり得ると考えるべきであろう。日中平和友好40年の今年だが機を見て敏な中国である。ゆえに、野党による意識的な紛糾質疑による中断、速記停止が続く今の国会議論の的外れなのんびり感がどうにもまどろっこしい。
作り物の話で恐縮だが、英映画ジェームス・ボンド007シリーズで闇の組織スペクターを思い出す。大方のストーリーは、秘密裏に製造したプルトニウムなどから大量破壊兵器を製造し、地球戦争に持ち込み世界を手中に収めようと暗躍するスペクターという位置づけである。それに立ち向かうボンドが、その謀略を阻むという図式がシナリオの主体だったと記憶している。ドクターノオやゴールドフィンガーなどはその都度登場するスペクターの首領であった。このシリーズではスペクターがソ連や中国の共産党国とのつながりを持つ状況が作られる場面も少なくなかったが、私にはスペクターそのものが時折ロシアもしくは中国に思えるのだ。なぜなら、この2国は原子力利用を中心とする軍備増強という面から反原発、代替エネルギーという世界の流れに乗るわけもない。化石燃料で地球を大量に汚染した中国だが、軍事力アップという観点においてこれからは原発大国に向かうのは間違いない。
そんなわけで、今でも続くシリーズ映画だがルーツは古い。その、ストーリーがなぜか現代に通用しているように感じながら私はこの両国を見つめている。
今夜、8時からプライムニュースを見て、9時からの1973年「007死ぬのは奴らだ」は録画しておきたいと思う(笑)
No.2965 北方領土の日
昨7日は「北方領土の日」。古く1855年「日魯通好条約」を締結した日にちなんで制定されたという。いまだ帰らぬ故郷への郷愁にかられる人が多くいる現実、そしてそういった方々も高齢化によってロシア領としての土地に踏み入ることが出来てもそこにはイエローフラッグは羽ばたいていることはない。
そんな日本源地の返還問題が政治交渉の場にある状況(少なくとも日本人の期待感は変わらない)において、昨日、北方領土の日に2,000人規模の軍事演習を実行したロシア。
安倍総理ははっきりと口にはしないものの、可能性を探りながらおそらくまずは歯舞・色丹の2島返還を目的にプーチンとの会談を繰り返してきたものと思われる。そして他の国後・択捉までもの経済発展に共同作業をする話まで進んでいるのだ。まるで4島をニンジンがごとく目の前にぶら下げて金を拠出させる反面、一方でミサイル配備など軍事拠点化を目論むプーチン。返還の意思などないがごとくにしか理解できない。そもそもロシアの軍事的戦略は過去にはアフガン、さらにはクリミアやシリアでもわかる通り、中国とは異質の軍事拠点獲得戦略である。世界地図上の要衝と考えられる地域に突然のように侵攻し、治めようとの思考が見える。それは、反米、反NATOに染まっているかのようで、まさに冷戦時代の再来を感じさせる。
考えてみれば、1945年8月の終戦直前にどさくさに紛れてという表現でもいいくらいに突如「日ソ不可侵条約」を破って北方に侵攻した国である。8月15日を過ぎてもソ連の略奪的侵略は続いたのである。そうした国家気質を今でも変わりなく有していることは疑うべくもない。
今にして思えば、沖縄返還が叶った昭和47年の同時期にソ連にも返還を強く迫る外交がなされたのだろうか。あるいは、ゴルバチョフのペレストロイカ時代により突っ込んだ返還交渉はできなかったのだろうか。今回の軍事演習によって、日本人の期待感はかなり薄らいでいくのではないかと案じる。 中国がなぜ尖閣や沖縄に目を付けるかという論理と同じく、ロシアがなぜこの4島を手放す方向にないかというのは、世界地図を見ていただければ合点がいくはずです。対米戦略における太平洋を西から北から望む位置にあります。シリアもクリミアも同様の地政学上の見地から重要視していることがよくわかります。中国も同様で太平洋に出ていくためには沖縄が壁になっているということです。ロシアも良好な軍事拠点、もっと言えば軍港が新冷戦時代に欠かせないと謀っているのは衆目が一致するところでしょう。
No.2961 経済に変化はあるか?
雨から雪に。大地に潜む体動をキャッチする噴火予知、地震予知と違い、気象予報は適格だ。明日は通勤時間帯まで降り続くということで、見た目には美麗で風情を感じさせる雪だが不慣れな関東人には厄介な相手だ。
今日、29年度補正予算が可決した。2兆7073億円という額で「人づくり&生産性革命」「働き方改革」「災害復興」などに対応した内容となっている。参議院予算委員会は立民に移籍した蓮舫前民進党代表が質疑に立っていたが、今一つ低調な指摘が多く自らの政治スタイルを変えようという姿勢は見られなかった。それよりも「借金が増える赤字国債の垂れ流しはやめてもらいたい」と総理に攻め入るも、「前政権時代の発行額より少ないということをご確認いただければと思う」といった答弁でまたもやブーメラン現象を受ける始末。野党の茂木大臣の線香問題もジャーナリストからの反政権スキャンダルの提供とおぼしきもので、質疑項目として適切かどうか。一昨日の質疑で「米軍基地を日本の管理権にしてはどうか」という質疑に対して河野大臣が「実現に向けて努力する」と答弁したのが印象深い。提案型の質疑は納得感を増長させる。社交辞令で終わらないようにと心で叫んだ。頼みますよ、河野大臣。
ところで、製造業の基幹産業である鉄鋼業界が好調な決算状況を相次いで発表し大手三社は新日鉄と住金は1千億円超、昨年不正が発覚した神鋼は450億という黒字幅となった。同業界は中国をのぞき世界的に好況だということだが、中国景気の今後の動向が気になるところ。習近平の元「躍進」を掲げる中国だが、チャイナファーストに対する世界の目はアフリカを除き徐々に厳しさを増しているようにも思える。
毎年2月は各企業による経営数値が発表されるがどんな内容となるのだろうか。為替変動の影響という本質的な経営と異なる面は別にして、デフレ脱却と賃金上昇、さらには中小企業の安定という政権の経済構想がどれほど実現するかはここにかかっている。好調な経済はトップダウン的流れで大企業から中小企業へと段階的に浸みてくる。逆に不況は中小の倒産を発生させる傾向にある。そういう意味では中小が内部留保をしっかり確保できるくらいの状況になるのが理想であり、今こそその足掛かりへのきっかけと期待する。ただ、大企業の内部留保が高額かつ優先という経済システムはいかんともし難い。
安倍総理が要求した賃金3%アップに対応しようと名乗りを上げる企業が現状複数あるのは明かるい。これこそ大企業から率先して実現してもらいたいものだ。メディアによる経済アンケートで「景気が良くなった実感がない」と答える人がまだまだ多数派という事実は、ここに起因している。物価が着実に上昇傾向にあるというのを買い物に同行するたびに感じるが、物価上昇が先行し賃金上昇追従型という日本経済の現実は国民の不況感を持続させるマイナス要因でしかない。タンス預金は膨らんでいるというが、先が見通せない超高齢化による人生100年健康寿命社会を見越してのものだとすればそうそう簡単に消費に向けられるとも思えない。GDPや有効求人倍率の上昇は間接的には高齢者に影響があるのだが関心度から言えばけっして高いとは言えない。若者はどうかと言えば車離れ、酒離れで将来に備えて消費を手控え財テクに走る傾向が見える。話題になったコインチェックの実態はインターネット内で動くマネーゲームであって売買行為の対象となる通貨ではない。27歳の若者が巨額を管理する時代を理解するには我々昭和の頭の固い人間には難しい。
雪で葉物野菜を中心とした相場価格は異常だ。2度目の雪でさらに高くなる可能性もある。前段で示した雪の厄介度は物価という点でも我々を苦しめる。
国民が受ける景況感と政治動向は密接な関係あることを考えると企業責任もコンプライアンスだけではなく社員一体の家族観を強く示すべきだと思うのだがいかがなものだろうか。
とりとめのない話で恐縮です。
No.2915 繰り返す挑発狂行
北朝鮮ミサイル北海道上空通過! 横になってのんびりテレビをながめていたところでの、突然の騒々しいニュース速報にタオルケットをかっぱじいた。繰り返し耳にする強い抗議の声明とか圧力強化といった対応に動じることなくくり返すミサイル発射。それに対して発せられるのはこれまた抗議と圧力の上乗せである。
タイトルの狂行は辞書にはない造語だが、愚行、蛮行、暴挙といった言葉では示しきれない想いからのもの。北海道の複数の自治体ではミサイル通過の緊急放送が流されている。これは正に異常事態そのものだろう。海ではなく陸地に着弾したらどうなるか。海への着弾が操業船や他の運航船に当たったならどうか。こうした場合の想定は果てしなく裾野は広くなる。今年になって知人が釧路に住む娘さん家族と同居するとして住み慣れた地を離れていったが釧路の名を耳にするたび想い出す。今朝の事態にどんな想いでいるだろうか。
アメリカが日韓との軍事練習を頻繁に行う中、北朝鮮の挑発行為は強気一点張りの度を増している。中国による圧力強化をトランプは求めているが、中国に代わってロシアが北朝鮮に救いの手を差し出している現実はあまり報道されないし、トランプ政権からも語られない。これもおかしい。中国ですら見せかけの圧力から脱皮していない状況にあって、ロシアの行動は許しがたいと言えるもののはずだが・・・。
今年の5月のことだったか、北朝鮮との国境近くに戦車などの軍備を配備している事実や万峰号のウラジオスットク寄港を許可したり、ガソリンの供与を倍々増するなど、ロシアが北朝鮮のフィクサー的立場で暗躍していることは間違いのないところである。とくにガソリンに関しては中国に輸出削減を求め続け、ようやく重い腰を上げ始めたところなのにだ。
ロシアも中国も覇権国家としてアメリカへの対抗心は並々ならぬものがあることから、自らが手を下すことなく北朝鮮が対アメリカへの先頭に立ってくれる現実をほくそ笑む状況にあると考えるのは過ぎたことではない。戦時勃発という観点ではなくアメリカ国内の政治基盤が揺れ動くことは中露にとって望むところと推察する。たまさか金正恩という独裁精神異常者が核という武器を保有しつつ、日韓を越えてアメリカへの対抗心に燃えているのは中露にとって誠に都合が良いということである。これらの国には距離が近いからといって基本的に核の脅威は向けられていない。北朝鮮は米中露のどこに核を向けても国家の破滅につながるのは金正恩といえどもわかっていると思いたい。国境を接していないアメリカが最大の標的にしやすいはずで、その手前の米同盟国である日韓への驚異増加を考慮したミサイル北海道通過と考えるべきだろう。いわゆる軽く見られている日本とは言えないだろうか。
集団的自衛権では積極的な軍事対応は出来ない日本。今、行われている菅官房長官の記者会見でも「手を出すことがあってはならない日本」であるのが前提であるにもかかわらず政府はどんな対策を講じているのかといった質問が歯がゆい。抗議、圧力・・・これ以外に考えられる日本の出来ることがあるのだろうか。
対話・・・通じると思うことがナンセンスだと考えるが。
防衛費増強・・・また安倍倒閣の材料にして大騒ぎになるだろう。
ただし、ネットで行われている各種アンケートで、防衛費を増加するべきであるという声は他のどの回答よりも多い。専守防衛の域を超えない範囲でそれを増強するための防衛費が500億円台で妥当かどうかの判断は難しいところだが、足りているということでないことは確かだろうと感じる。