記事一覧

No.3625 ウクライナに想いを!

2022.10.30

 幸手市議会自民党市議団では、5月から9月にわたり計11回のウクライナ人道支援募金活動を行い、いただいた募金をユニセフに届けました。昨日の埼玉新聞にその内容が掲載されましたので、添付記事をクリックの上お読みいただけたらと思います。
 6月にはすでに異常な暑さに見舞われた今年の夏でしたが、目標を5万円に定めてそれに到達するまで続けようということで4人が結束し、議会中も含めて5カ月がかりでようやく達成したものです。幸手駅で9回、東鷲宮駅と杉戸高野台駅で各1回ずつ計11回で、時間を変えるなどしての活動でした。

ファイル 1552-1.jpg 南浦和の埼玉ユニセフで贈呈の場が設定され、写真撮影をしていただいたのですが、まさかカラー写真入りで掲載されるとは思いもしませんでした。今回の活動は、議員という立場を超えて、とにかくウクライナの惨状に少しでも役立てればという想いが発露になったものです。
 学校帰りの高校生や塾に通う小学生・中学生までが「額はいくらでもいいんですか?」とか「少なくて申し訳ないんですが」と言いながらウクライナに直面してくれる姿に感動を覚えたのは何度もありました。小銭入れの硬貨全部を手作りの募金箱に入れてくれた中学生もいました。
 募金にご協力くださったすべての方に、このブログが通じるかどうかは別にして、深く感謝申し上げたいと思います。
 戦術核を2千発保有しているとされるロシアかつ狂気プーチンの今後がどういう選択をするか・・・世界が注目する状況で、極寒の冬を耐えなければならないウクライアナ国民に温かい光が当たることを願って止みません。

No.3575 ボリス・ボンダレフ参事官

2022.06.17

 掲題の人物は、この5月まで在ジュネーブ国連代表部参事官だったロシア人です。大きく報道されませんでしたが、5月の頃、彼は次のような発言をしています。

「外交官として20年間、我がロシアの外交政策の様々な展開を見てきたが、今年の2月24日ほど母国を恥じた事はない。プーチンがウクライナに対して、そして欧米世界全体に対して解き放った侵略戦争は、ウクライナ国民に対する犯罪というだけで無く、おそらくロシア国民に対する最も重大かつ深刻な犯罪である。この戦争は、我が国の民主主義に対する希望をZという文字で塗りつぶしてしまった。
 この戦争を思いついた人々は、ただ一つのことを望んでいる。それは、永遠に権力の座にとどまり、威厳はあるが味気ない宮殿に住み、ロシア海軍に匹敵するトン数でコストのかかるヨットで航海し、無制限の力と完全なる不処罰の待遇を享受する。それを達成するために彼らは必要なだけの命を犠牲にすることをいとわない。その結果、この彼らの目的のためだけに想像を絶する数のウクライナ人とロシア人が死んでいる。
 この20年間、外務省の仕事における公平な情報、公平な分析、冷静な予測が失われており、その代わりに、1930年代のソビエト新聞のプロパガンダ精神により自分自身を欺くシステムが構築されている。ラブロフ大臣がこの状況をよく表している。私の同僚たちが高い評価をしていた専門的教育を受けた知識人が、核兵器で世界を脅かす人物になってしまったのだ。
 今の外務省は外交活動ではなく、戦争挑発、嘘、憎しみに関する事のみに徹している。それは少数の利益に奉仕し、私の国の更なる孤立と劣化に貢献している。ロシアにはもはや同盟国はおらず、無謀で理不尽な政策以外に責めるべきものはない。
 私は20年間外交官を勤めてきたが、もはやこの血まみれで、機知に富が無い、まったく不必要な無知を分かち合うことは出来ない」

 この発言の後、彼は当職を辞任しています。亡命云々のニュースは聴きませんが、そうなるのは必然的でしょう。当然ながら命を狙われる状況になったであろうことから、西側の国においてその知識を発揮する場が与えられるのではないかと思います。彼の専門は、ミサイル・核不拡散等に関する軍縮関連の専門家ということです。
 発言にある同盟国はおらずという部分については、ベラルーシの存在や国連で同一歩調をとる中国などがいることにはあえて触れようとしていません。上司であるラブロフ外相の思考変貌に痛烈な批判を掲げる形で、祖国の誤った政策への失望感をあらわにしています。
 残念なのは独裁強権全体共産主義思想に特徴的な情報統制によって、このボンダレフ氏の発言がロシア国内に浸透していないことです。

No.3567 アメリカの解せない社会

2022.05.26

 ロシアによる侵略戦争にウクライナが抗戦を続けている。どこぞの評論家が語る降伏すべきという論調が正しいとしたら、独裁全体主義国家の領土拡張戦略はますます図に乗ることだろう。それこそ未来の地球は赤い主義で塗り固められていくに違いない。ウクライナ国民の国土国民を守るための戦いは果てしなく続くとしても世界全体の民主主義が敗れることがあってはならない。
 ウクライナの抗戦にアメリカが果たしている役割は大きい。中露北の標的は間違いなくアメリカをリーダーとする民主主義体制に焦点を当てている。アメリカ無くして対中露北との聖戦は考えられない。NATO版アジア連合が出来そうな感触にあるのは歓迎すべきことかもしれない。なにより、アメリカには領土拡張という卑劣な精神は無いと考えられるから。

 ところが、そのアメリカにも奇妙な社会ルールが存在する。
 またまたと言うべきか、学校を狙った銃乱射事件が発生した。小学生19人を含む21人が犠牲になるという慟哭かつ衝撃的な事件だ。18歳の高校生に何があったのかは現場で銃殺されたことから永遠の闇になるのだろうか。
 なぜ、18歳の高校生がこれほどの人命を奪う銃を持ち、使用できるのだろうか。事情が異なる日本では理解しがたいことだ。
 日本から帰国直後のバイデン大統領は、何らかの規制が必要だと発言。しかし事件発生地のアボット知事は規制の必要はないと発言したという。規制どころか、銃が一般社会に自由に存在するということ自体まったくもって理解しがたい。日本に限らずそういった社会であったら、この種の事件は発生するだろうと思う。数年前に「ジョーカー」という異様なほどに身勝手な銃犯罪を重ね、ゴッサムシティを恐怖に陥れる映画があった。アカデミー主演男優賞を得ているが、ストーリーは空想社会であっても、こと銃発砲という事件性はアメリカの現実である。
 世界を守る世界の警察という評価は、オバマ大統領によって薄れた格好になったが、2大政党に世界を守るという認識で大きな違いはないはずだ。
 ところが、銃社会への警鐘精神においては、民主党と共和党には大きな隔たりがある。日本では18歳を成人と見なす法が施行されたばかりだ。この少年は小学生時代に何らかのトラウマを持つ経験があったのだろうか。過去には、刃物を手に小学生を追い回すという事件が日本にもあったが・・・。
 なんともまとまらないブログになったが、アメリカの明と暗。住みたくない、行きたくないアメリカの銃社会ルールであると感じた次第。

No.3565 選挙は民主主義の根幹か?

2022.05.17

 全体主義、独裁政権の国家が国際情勢のゆがみの原点をもたらしている。反面、資本主義の現状も問題視する評論が少なくない。
 前者は、言うまでもなく自国権益のために核武装及び威嚇をし、領土侵略、民族弾圧・虐待・拷問といった非人道的行為などをいとわない国。また、国の都合で情報統制や言論弾圧を国家ルールとして示す国。
 後者は、おおらかな自由を推進するが、自由な競争社会が貧富の差を生んでいることが社会の平等性をないがしろにしていると評される国。
 どちらの国民でいたいかと言えば、結論は言わずもがなであろう。

 しかし、今がどうあれ選挙によって国の体質が変わってしまうことがある。特に、大統領制という国民投票制の元では、国民主権で無くなる国体変化がもたらされることもある。
 先日のフィリピン大統領選挙がそうではないだろうか。強権独裁政治の権化とも言われたマルコス大統領の息子候補が圧倒的な差で勝利を得た。候補者演説会も拒否し、ネットでの若者票の取り込みに焦点を定めた選挙戦。
 故マルコス大統領は、やりたい放題の贅沢奢多な実態が明らかになって、放逐、財産没収となったが、事実は全財産の35%程度の没収で、いまだ1兆円近い未没収財産があると言われている。
 今回、息子候補はインフラ整備を主体に治安と経済の改善を訴えたようだが、インフラ整備が遅れた原因には先代の政治手法の問題もあったはずである。しかし、今回の選挙で国民は圧倒的に世襲候補を支持した。
 原因は、若い人は過去に国を揺るがした事件や問題を知らないということと、たとえ知らされたとしても現社会への不満が先に立ち、劇場型選挙の雰囲気にのまれる形で候補者選択をする傾向がある様に思う。こうした選挙結果から国民置き去りのファミリー奢多政治が現実となった場合のことを思うと、選挙が民主主義の最たる制度だと言い切れるかどうか悩ましい。


 新大統領となるマルコス家は、不正蓄財、学歴詐称などの問題点が指摘されている。捜査機関への直接的な影響をもたらす可能性も考えられる。92歳になるイメルダ夫人はこうした関連でいまだに係争中。肝心の新大統領は、オクスフォード大卒とか米MBA取得といった事実はないという。となると、司法・捜査機関に直接介入する可能性もある。
 そういったことは問題外で大量得票を獲得した新大統領だが、国民の信任を増す政治を実現できるのか、それとも良くも悪くも先代政治を承継するのか興味深い。先代政治は国を発展させたと称していることから、どうも同じ方向で国を仕切る大統領になりそうではある。副大統領は、前大統領ドゥテルテ氏の長女が当選した。
 果たして国民の選択が正しかったのかどうかが判明するのにさほど時間はかからないかもしれない。日本にとってのフィリピンを考える時、それは中国外交をどのように構築していくか、自由で開かれた南シナ海の維持にどう対応するのか。実利を重視した中国外交では海洋権益という面で不安を生じることになることは間違いない。

No.3563 惜しまれる死

2022.05.10

 このところ、深夜から朝方にかけて春をどこぞに忘れてきたかのようだ。冷え込むという表現まではいかないものの異様に寒い。7時過ぎに外出するので、アンダーシャツを長袖に、その上からシャツ、ジャージと重ね着するほど。ところが、その後時間の経過とともに徐々に変節する陽気に体調管理も容易ではない。外は暖かいが家の中はなんとなく冷えており、暖房をかけたくなるほどだ。
 体調管理には、着たり脱いだりを面倒がるのは要注意だということを、昨今の陽気は教えているよう。なかなか冬物をしまえない日が続く。

 そんな陽気のせいかどうか・・・国際政治学者の中山俊宏さんがくも膜下出血で急逝された。先月末、いわゆる数日前にプライムニュースでウクライナ有事に関連する国際情勢を語る姿に接していたのでこの訃報には正直驚いた。まだ55歳という若さで、今後の活躍が期待される方ではなかったかと確信していたので尚更である。論理思考や論調ぶりが、尊敬の念を持つほど好感度の高い方だった。冗長にあらず、わかりやすくポイントを指摘する語り口調は、切れるというかシャープな感覚を聴く者に与える論者だった。
 言わずもがなのわかりきったもしくは何を言うかが事前にわかるようなキャスターやジャーナリストが多い中、中山さんの発信する内容は常に新鮮なものだった。ワシントンポスト系の記者上がりということもあって、アメリカ政治に精通していたこともあってか、大学教授のみならず日本政府にも重用された方でもあった。
 中山さんは、私の記憶では一昨年の大統領選挙の頃からメディアに登場するようになったと思うが、新鮮で知見にあふれた方だという印象を与えてくれるのに時間はかからなかった。
 私も人前で話すことが少なくないが、語りに関する大切なこととして、内容以外にも、スピード、トーン、顔つきに至るまで参考にするべき人だと感じていた。もちろん、出来る出来ないは別の問題で、学ぶべきは学ぶという姿勢はいくつになっても必要だという意識である。世の中、反面教師も良面教師も常時学びの対象なのだ。
 謹んで氏のご冥福をお祈り申し上げます!

No.3559 目には春爛漫でも・・・

2022.04.23

 気温の上下差は身体にこたえるが、日々目に入る街風景は春の情景を増している。
 家々の植栽のツツジがそれぞれ色合いを整えながら面積を増やす変化を見て、命の不思議を再認識したり、知人に教わった小さな鉢に観賞用菊の挿し木作業をし、その10㎝ほどの姿が元気にしているかどうかを朝な夕なに気にしたりと、時間の合間をぬって春を楽しんでいいる。
 とは言いつつも、なぜか心が晴れない。コロナのせいもあるのだろうが、やはりウクライナのことが思考の多くを占めているからだと思う。頭に破片を受けて命を取り留めた13歳の少女をみたが、これが氷山の一角かと思うといたたまれない気持ちになる。マリウポリの製鉄所地下に閉じこもった民間人は、ここをハエ一匹通れないように封鎖しろというプーチンの命令通りになったとすると、今や閉じ込められているということになるが・・・。

 ウクライナの春は遠い! いや、夏さえも。 このままいけばイタリア映画「ひまわり」で観た画面いっぱいにひまわりが咲き誇った風景は白昼夢で終わるやもしれない。この映画自体は、戦争が生む悲恋をウクライナの情景に結びつけ、ヘンリーマンシーニの音楽と相まって叙情的に観る者を魅了した映画だった。「昨日・今日・明日」の風刺コメディでコンビを組んだソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの名演は若かった私にも記憶に残る映画だった。余談だが、この頃は仏伊の映画や音楽が世界中でヒットして、それはマカロニウエスタンという異質の西部劇を生むに至った。英米主体の映画史と競うように流行したものだった。
 私は、ヘップバーンと並んでクラウディア・カルディナーレという女優が大好きだった。私事ですみません!

 ロシアの侵攻当初は零下の日々が多かったが、これからは真夏の陽気へと変わりゆく。気温的には季節を巡るものの、ウクライナの風景はしばらくは季節を感じさせる事の無い暗い状況が続くのだろうか。ひまわりどころか、小麦をはじめとする穀物も、今の光景からはどれほど作れるものやら。返す返すもプーチン許すまじの思いが募る。

ページ移動