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No.2532 3h217mm

2014.08.21

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舗装のはね返りもここまで熱いとうんざり、身体の持続性がそがれていくようだ。しかし、朝夕は気温も落ち着き、熱帯夜は影をひそめてくれるようで、こんな時期を、いわゆる「残暑の候」というのかと・・・。

 広島市安佐南区を中心とした土砂崩れ災害は、時とともに被害者と不明者が増え、台風でもない大雨としてはまれにみる大惨事となっている。
 昨日朝は13名の犠牲者を報じていたと思ったら、見るたび、聴くたびにその数は増え、現在では犠牲者39名、不明者26名にのぼっている。

 現場の光景はアップ図、望遠俯瞰図いずれも土砂というより山自体が崩れた姿をはっきり見せている。そこはまるで、依然からあった沢のようにも見える。それだけ大地が動いたことを示していることになる。

 崩れたのが深夜だったというのも被害を大きくしたと思われる。不気味な異常音を察して、家族総出で避難したという家庭もあったが、そのお宅には多量の水を含んだ土砂が流れ込んでいた。まさに間一髪だったと推測できる。

 掲題の記号はすでにお気づきのことと思うが、局地的豪雨が広島を襲った、その雨量を示すものです。3時間に217㍉という大雨量。我が幸手市で考えると、昨年、床上浸水が市内で数件発生した台風の時、たしか1時間37㍉だったと記憶している。しかも3時間も降り続けたわけではない。
 つまり、平均時間雨量70ミリというとてつもない量の雨が3時間降り続けるということがどれほどのものかだ。さらに、この降雨の前にも雨天続きの状態もあったということになれば、山はかなりの水を吸い込んでいたと推測できる。山林の根の深さも持ちこたえられないほどの水が入り込んでいたのだろう。
 ただ、画面で見るこの地区の住宅開発は素人目に見ても、無理な山間地の造成という感じがしないでもない。山林を切り崩して造成した土地に県営の集合住宅や一戸建てがいくつも建てられているが、結局、住宅の裏側は山林がせまっている。開発の際の地質調査や造成工事がどれほどのものだったかと、ふりかえさせるに十分な現地状況である。

 サラリーマン時代の親友が広島の佐伯区にいるので、何年ぶりかで電話したが、10㌔ほど離れているので雨と雷はあったが、なんでもない、電気も水も普段通りだと言っていた。しかし、考えてみればわずか10㌔の違いが、この3h217mmに見舞われなかったということは、いかに今回の豪雨災害が局地的な豪雨であったかということになる。
 今、県が洪水対策に腰をあげはじめた埼玉県東部地域のどこかが、同じような豪雨に襲われたらと思うとゾッとする。

 亡くなられた方々に心よりのご冥福と、行方不明の皆様のひと時も早い発見が叶いますことを、慎んでお祈り申し上げます。

No.2466 229億円

2014.02.22

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 すでに日が変わって2月22日。あっという間に月日が過ぎていく感じです。

 今日のタイトル・・・昨日時点での大雪被害状況の金額換算の数値です。
もちろん、これは埼玉県内でのもので、当初22億円と推定した数字が5日経過して10倍に膨れ上がったわけです。私が前号で100億前後にはなると推測した数値をはるかに上回ってしまいました。
◆作物被害(野菜、果樹、花植木、畜産、きのこ、その他麦など)
 これが108億円
◆施設被害(パイプハウス、鉄骨ハウス、ガラスハウス、畜舎など)
 これは121億円
◆その他、揚水機場など農業用施設、市場施設等)
 換算不確定

 といったところですが、きゅうりだけで29億円と群をぬいて多く、突出しています。そしてハウスはすべて合算すると101.5億円という巨額で、今回の被害の深刻さがここにあります。つまり、廃業するかどうかの追い込まれた瀬戸際となっているのがこのハウスの復活の有無に拘る。金利は県と市町村が負担する予定の緊急融資もすでに返済途中の農家が多くては、はたしてどれほどの即効性があるのかと思えてならないのです。
 積雪1メートルを想定したハウス造りとなると、これまでとは根本的になにもかも規格が異なるはずです。実際に同僚県議に聞いたところでは、モチベーションは大方の農家でかなりの低下が感じられるそうです。畜産農家は数は少ないのですが、もっと悲惨な面があるようです。

 実は、野菜被害額には県最大のブランドである深谷ネギが雪が無くならないと実態がつかめないということで、上の数値からはずれています。これが判明するとどうなるか・・・。
 埼玉県としては、雪に対する考え方が甘かったうんぬん以上に、観測史上最高の雪量ですから想定外の自然災害に戸惑っているというのが実態です。
 聞くところでは、「とちおとめ」ブランドが全国規模の栃木県では、破損したイチゴハウスの撤去費用を全額県が負担するそうです。不確定情報ですからなんとも言えませんが、撤去だけでも救われるでしょう。

 2月22日・・・64歳になりました。歳とともに喜びもスモール化していますが、今回はその小さい喜びも更に半減しています。

No.2464 2週続きの記憶にない大雪に・・・

2014.02.17

 災害にもいろいろな種類があるが、ここ2週続けて大雪に見舞われた東日本では多くの人命も奪われた。今朝の青空を見る限り、優しい頼れる空に見えるが、一旦低気圧にふれるとこうも恐ろしい空に変質するものかと恨めしい気持になる。

 14日の金曜日、早朝5時に幸手を出発したお伊勢参りのバスが、雪の影響にあい始めたのが海老名SAあたりから。三重県の御在所SAあたりからはスピードが鈍り始め、伊勢神宮到着時刻の2時予定が4時になり、すでに雪の影響で参拝不可の状態。理由は滑ること以外に神宮内の木から落下する雪が危険とのこと。確かに着いた時点でここ100年ほどは記憶にない雪だというので、それもやむ無しと。うっそうとした神宮の森にも相当の雪が積もっているのは、鳥居前の積雪からもわかるほど。おもかげ横丁も早めの店じまい。
 さて・・・ここらがものすごいことに。

 神宮をあとに鳥羽のホテルに向かったのはよかったが、伊勢を過ぎて二見ヶ浦町に入る頃からバスが動かなくなり、この後なんと時速100メートルの超ノロノロ。42人の同士の皆さんがバスを降り、向かいのコンビニのトイレを利用するなど、考えもしない事態に遭遇。
 しかし、まだまだ考えは甘かった。途中Uターンして有料道路に向かうも行ってみたら通行止め。有料も優良にあらず?? すみません。

 再びほとんど進まず状態の国道42号にとって返すしか手立てはなく、情報がほとんど入らない状態に誰も不満を言うものも出ず、時は淡々と過ぎていく。 ようやくノロノロではあるものの、継続的にバスが動き出したのは日が変わった12時すぎ。もちろん夕食も食べてない42人だったが、それだけでも歓声があがる雰囲気。鳥羽までの海岸沿いを走る道はけっこうなアップダウンで、途中多くの車が乗り捨ててあり、対抗車線ではタンクローリー車など6〜7台の車がどちらに向けて走っていたのかわからないほどの接触事故現場が残されたまま。これか!渋滞の原因は。 100年ぶりの雪で、しかも温暖な地域というイメージの伊勢志摩であれば、すべてにおいて想定外でチェーン、スタッドレスはもとよりラッセル車など用意も少ないことだろう。

 ホテル着午前2時。なんとおにぎりくらいは用意してくれているだろうと思っていたのだが、事前連絡したにもかかわらず「出来ない」と断られていたようで、それどころか、早く部屋に入ってくれと言わんばかりの若女将の苛立っているような物言い。名前は出さないが、客の実態に思いやりの推測も加えることのないおもてなしゼロのホテルに絶句。
 風呂には入れたものの眠れないまま。テレビが羽生選手の奮闘を伝え、憤怒の気分が癒されながら4時すぎには浅い眠りに。と思いきや、空腹ゆえか6時に目が覚め、旅のお定まりの朝風呂から朝食・・・生卵、アジ、味噌汁で2杯半一気に。
 休む間もなく出発。時間は15日8時半。再びお伊勢様参拝にチャレンジ。すでに多くの観光バスが参拝者を降ろしていたものの参拝不可は変わらず、宇治橋前の鳥居をバックに写真撮影がせいぜい。

 鳥羽に戻ってフェリーで伊良子岬から田原、豊橋を抜けて豊川稲荷参拝。豊川稲荷の壮大なたたずまいに驚いたのも束の間、この後が悪夢の最高潮へ。
 豊川ICから東名に。ここからなんと静岡ICから東京ICまで大雪で通行止めだという。新東名もしかり。そこでバスはいろいろ考えて日本平SAで休憩することに。すでにSAは足止めをくったトラックだらけで満杯。数えた人によるとざっと130台だったそうで、我がバスも正規の場所には止められず端にひっそっりと、なにより他に観光バスが見当たらない状況に不思議な思い。
 この時間・・15日の午後2時。6時になってガイドさんが明日の仕事に穴はあけられないとSA裏にタクシーをよんで静岡から新幹線で帰路に。このまま一夜がすぎ、車中で葛西選手の銀メダルに全員が置かれた状態を一瞬忘れたかのよう。
 しかしながら、車中では長時間眠ることは叶わず、誰しも足が重くなるようで、時折車外に出てはトイレやレストランに出入り。体を癒すことに専念。
 このSAで結局3食を取ることになったのです。
 午前6時、第2弾の新幹線利用者が3名。そして8時半に第3弾が9名で、ここに私も参加。9時37分のこだまで東京着10時40分。宇都宮線に若干の遅れが出ていたものの、我が家に着はほぼ13時近くのことでした

 その後も東名は通行止めが解けないまま。☎でバス状況を確認するも、午後8時になっても日本平に釘付け状態。ようやく10時に解除となり、20数名の残った方々が幸手に戻ったのは今朝17日の4時過ぎだったそうです。ホテルで寝たのはほぼ2時間程度の1泊4日の伊勢参りということに。お疲れ様でした。

 長野、山梨で100年ぶりですから、埼玉のそれは未経験もいいところ。熊谷ドームや富士見市民体育館の事故だけでなく、香日向でもガレージの損傷が多く発生したとか。
 先週の雪では私の県政報告会を強行しましたが、300名近い参加者が訪れ、なんとかほっとしたものの、その時応援に来てくれた富士見市の星野県議は15日の自分の報告会を中止したそうです。雪としては今週のほうが量も被害地域も多かったようです。自然に立ち向かうといっても、こうした雪ではなすすべが無いということでしょうか。残念でしょうが素晴らしい決断だと言えます。

 亡くなられた方々に慎んでお悔やみを、また被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 話は違いますが、いま予算委員会をやってます。民主党のとんがった物言いにはほとほと愛想が付きます。もとより民主党を支持も支援もしたことはありませんが、若い政治家がこうした揚げ足取りの発言ばかりしていたのでは個人的に成長もしないでしょうし、民主党が自民党に対抗しうる政党になることも困難です。それすなわち日本の政治が高揚しないと考えるならば残念なことです。
 安倍総理!安倍総理!と総理の言質を獲るために総理を名指しする若手の発言に喝!ですよ。どう安倍総理を攻撃しても賛同を得難い質疑は醜いだけです。いま、前原元代表が出てきました。日本を現状に貶めた政治家の一人ですが、さて。

No.2047 石巻ショップ “希りん”

2013.12.26

 寒い朝。「心ひとつで暖かくなる」という歌詞が印象深い、大好きな吉永小百合さんの歌のタイトルですが、12月の冷え込みとしては、例年以上の厳しさを感じますね。ふたり住まいの我が家で、家内と心ひとつにしても、さして暖かくなる感じはしない?のですが・・・あれ? 怒られるかな。

 さて、寒いと言えば忘れてならないのが、未だ仮設住宅暮らしの方が多い被災地地域のことです。太平洋側は日本海側の各県と比べて積雪は少ないようですが、それでも寒気の状態は高齢者や女性には辛く厳しいものが想像できます。

ファイル 349-1.jpg 実は、幸手市に石巻ショップがあるのをご存知の方は少ないかと思います。私も昨年の市民まつりで知り合ったのがきっかけですが、石巻の鰹節家さんで生まれ育った小林さんという女性が、ふるさとのために少しでも役にたちたいと始めたのが、石巻ショップ“希りん”です。商工会青年部の後押しなどで市民まつりに出店するようになったことがきっかけで常設店を構えるまでになったようです。愛郷無限が示されたホットな事例だと思いますね。
 被災地は広い範囲で復興に向けて遅い歩みを進めているところですので、今年の冬も身体の芯まで温まることを妨げるような厳しい毎日だろうと思いますが、そんな故郷に思いを馳せて、頑張る女性が幸手にいるということを、読者の皆さんに少しでもご理解頂ければとご紹介しました。

 小林さんにすれば、多くの人に立ち寄ってもらえることが売上を上げる以上に励みになることでしょう。これもまた「心ひとつで暖かくなる」ということではないんでしょうかね。

No.2384 ピンポイント的大災害 

2013.10.17

 先週の真夏日が信じられないほど今朝は冷え込みました。半袖に防犯チョッキだったのが、今日は長袖に防犯ジャンパーと、一気に冬支度のスタイルに。

 さて、昨今の陽気異変は当たり前のようになっていて、報道ほどには驚くこともなくなったとの思いも束の間、26号の被害がこれほどのものになろうとは思いませんでした。
 伊豆大島での死者17名、不明者40名超という人的災害には、予報予測が数日前から出ていたこともあったにもかかわらずですから、その猛威に驚かされました。水、風、土、といった自然が大きく動くと人知をもってしてもひとたまりもないということと理解するしかありません。いかほどの準備対応をしても、その上をいく自然の驚異を思い知らされます。

 幸手市でも大堰橋付近の冠水が厳しかったようですが、前回かなりひどかった地点では、その時ほどではなかったということです。つまり、昨今の雨はとくにピンポイントで狭いエリアを襲うようで、大島の場合も地図を確認する限り、広い絵図の中で小さく感じる大島上空に豪雨をもたらす雨雲が停滞したということです。
 もともと三原山を神の山とする島で、その稜線が風光明媚な大島をイメージ付けている島ですので、そうした地形が土石流被害をもたらしたと思うと、風光明媚というのも裏表ありということと思えてなりません。残念無念!
 今朝のニュースで、70歳の女性が地中に埋まっているものの、「水が飲みたい」との声が聞こえたとか。身体にとりつく異物には危険ななものもあるかもしれませんので慎重な救出が望まれますが、命を尊さからは、まずは一命でも確実に救出できればなによりです。
 亡くなられた皆様のご冥福をお祈りし、まだ不明のままの方々の一刻も早い救出を願わずにはいられません。

No.2372 台風18号の爪痕

2013.09.17

 天災には人の生活などひとたまりもない。今月2日に越谷、松伏、野田を襲った竜巻は、その通り道で大きな被害に遭った建物屋上から目にした光景に身がすくんだ。
ファイル 314-1.jpg しかし同じ埼玉で昨日突風に見舞われた熊谷、行田は状況からすると、さらにその上を行くものだったのかもしれない。写真がそれだ。越谷では倒れた家まではなかったが、これを見る限り、瞬間風速の恐ろしさが感じとれる。水害と合わせて風害もともなう台風は多くの農家を容赦なく直撃した。今後、想定される被害総額はかなりのものが予測される。

 今回の台風被害は、埼玉のみならず京都から北海道まで広範囲に及んでいる。洪水・氾濫・土砂崩れといった状況は、わかっているだけで3名もの命をも奪われている。他に行方不明者も数名いる。台風の大きな渦の中で局地的に竜巻が発生したという事実はほとんど経験がない上に、そもそもゲリラ的集中豪雨でさえ始めての経験ですという人が多いことに驚く。
 社会の変化、人間生活の変化とともに、自然も大きな変化をしたということなのだろう。最近の空は1年中ゴロゴロ鳴り響いているような感じだ。

 そんな折、荒川水系の多くの世帯を支える水源地の合角(かっかく)ダムの取水制限が解除になった。本日午前11時のことだ。利根川水系でもまもなくのことだろうと思う。
 初夏から悩まされてきた水不足が、大きな災害をもたらした台風一過を合図に解消されるというなんとも皮肉な状況になってしまった。
 自然災害の怖さと、その対処法については、今までの認識度をランクアップしなければいけないと強く感じさせられたが、この恐怖の9月をいつまで記憶にとどめておくことができるだろうか。いや、さらにこの上をいく災害にいつ見舞われるかわからないという恐怖が芽生えつつある。

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