2015.12.16
「教育と未来」この限りない絆が、本当に大丈夫なのだろうか?と思わせる出来事が、またまた発生した。
すでに今日のネットニュースや一部の新聞でも報道されているが、埼玉県春日部市の市立中学校で、共産党機関紙「しんぶん赤旗」を教材として使用している教諭がいることが判明した。
報道によると春日部市立豊春中学校での出来事となっている。
今、私の手元にその教材のコピーがあるので添付資料で紹介する。
事の仔細は、この教諭が「今日の気になるニュース」という台紙を作成して、その台紙に「しんぶん赤旗」の切り抜き記事を貼り、それをコピー原紙にして各生徒に配布していた。
そこには、記者名が手書きで書かれており、発行の日付、新聞名などを記載している。さらに最下段には「記者〇〇さんからの記事に関する意見や考え」というタイトルがついた書き込み欄を2箇所設けてある。この記者名が当の教諭である。2学年の副主任で担当クラスを持っており、科目担当は国語となっている。おそらく担当クラスのホームルーム活動でこうした形の授業を実施しているものと思われる。
(添付資料をご覧ください)
当然のことながら、この新聞の特性からして政治的ニュアンスのはっきりした、ことに政権および政策を批判した内容の記事であることは容易に理解いただけると思う。
ちなみに、私が入手した2種類は「平和安全法制」と「マイナンバー制度」に関するものだが、どういう内容かというと・・・
◆これは戦争へつながる法案・数を頼りの強行 絶対許さない
戦争法案廃止
若者全国で決起
というキャッチで、さらに19歳の女子の主張を「声あげている現実に希望」と題して掲載しているが、内容はシールズメンバーのデモスピーチである。
そして、「記者○○さんからの記事に関する意見や考え」のコラムでは、
『政権の長たるだれかさんの答弁よりも、よっぽどこの法案の本質を言い当てています。また、歴史認識に関しても、戦後70年談話で示した欺まんに満ちたものでなく、正しく認識しています。さらには、未来へ向けた展望も、本当であれば、この国の為政者が述べるべきものと言えましょう。こうした真実の声を、この国を担っているはずの者たちはどう受け止めているのでしょう。
それでも自分たちのなそうとしていることが正しいと、胸を張って言えるのでしょうか。あるいは、本当に「聞く耳さえ持たぬ」状態なのでしょうか。いずれにしても、この若者たちと比べると、なんと恥ずかしい態度なのか。
しかし、若者たちが、こうした考えを持ち、何よりも強い行動を起こしていること。そこに私は戦いを感じます。』
と手書きで記してある。
法案廃棄運動を広げる主旨も見えるが、それ以上に感じられるのは、同じ主義主張の若者たちを増殖させようとする遠大な長期戦略が中学校で存在していることである。この教諭の個人的活動なのか、はたまた組織的思考によるものなのかは分からないが、全国の公立学校の実態調査が必要だと考えさせられるほどの問題である。最後の部分、戦いを感じるは義務教育現場にふさわしいとは、とても思えないのだが・・・。
◆マイナンバー制度は違憲 5地裁弁護士ら一斉提訴
この問題は、私も実施が拙速な感じはしているが、中学生授業にふさわしいかどうかの方が先に思うことである。大人を中心に社会全体の理解度が浅い現状で、制度そのものも中学生には理解が難しいレベルだと思うし、訴訟に関する原告や弁護士の話を記事を介して理解させようとすることに無理があると思う。「しんぶん赤旗」の記事だけに、この訴訟も共産党が何らかの形で関わっているのではないだろうか?
春日部市教育委員会では、この教諭の処分を考えているというが、さて、日教組はどういった反論をするだろうか。
前々号のブログで書いた「教師の平手打ち事件」での弱腰な教育委員会の対応を思うと、「これでいいのか、教育の実態!」が多すぎると思えてならない。