№3627でお知らせした先月31日の臨時議会の内容に対しいくつかのメールをいただきました。その一つは、かなり手厳しい内容でなるほどと感じさせてくれる点があるのですが、こうしたご意見に耳を澄ますと言うのがいかに難しいことかを痛感しているところです。
その理由は以下のような点にあるかと思います。
❶まず最初に申し上げたいのは、執行部が予算編成を積み上げる際、議会・議員が、その論議に入り込む余地がないということです。あくまでも、執行部内でヒヤリングなどを通して、部門別に支援する方向性や枠組みを協議検討しているということです。それはまた自治体予算編成の在り方として伝統的に行われてきた手法で、議会は提示された議案を審議する立場で、質疑、採決をする機能を有しています。臨時議会の場合の多くは委員会付託も無く、即決採決という流れです。
国政において政権与党が財務省の頭の固さを吐露する場面がありますが、それと本質的には同じことと思います。
❷したがって、今回のように緊急臨時議会の開催を招集されて生活支援予算議案を質疑するにあたっては、当初から反対という姿勢ではなく、賛成という認識に立って、質疑をするのが一般的なあり方です。なぜなら、生活支援議案に反対するという姿勢で臨むこと、更に採決で実際に反対することが良いことかどうかが根本的に頭をよぎるからです。
❸つまり、どういう支援内容にするべきか、した方が良いかの考え方は、まさに千差万別です。個々に持つ意見を集約してみたところで、まとまるわけがありません。編成するための視点を広く持てば持つほど、予算額そのものにに限度が生じてきます。
国からの補助金ということを考慮しての積み上げ予算であり、過去の補助実態をふまえて行う支援策の予算組みですから、その内容に正解はありません。今回の場合、財政調整基金から2900万円を繰り入れも加えての編成でした。
ただ、根本的に私が思っていることは、執行部が行う予算編成は細かすぎるという点です。電気だガスだ一般生活物資の物価高騰だと騒いでも、要は同じように生活そのものへの影響ということではありませんか。
であれば、事細かに対象を分けて細分化に配慮する支援が必要だろうかいう疑問です。
わかりやすく言えば、水道料基本料金の無償化を8月から11月まで実施した前回のパターンを来年3月まで継続してもいいのではないかとか。あまねく、等しく対象となるのは生活インフラです。水道料金は自治体の管理下にある特別会計ですから最も打ち出しやすい支援策です。それを事業所にまで拡大することがあってもいいと思います。
また、今回の国庫補助で他の自治体が表明した中で、私が関心を持ったのは松伏町です。プレミアム商品券を等しく15,000円も配布するという施策です。わかりやすいと思いますがいかがですか。1世帯あたりが受ける電気、ガス、食料品などの物価高騰の影響を単純に考えれば、家計が圧迫されるということですから松伏町の考え方は単純明快でわかりやすいやり方です。地場商店にとっても好影響でしょう。
考えるべきは生活レベルの違いをどう反映させるかです。年金生活者、生活保護者、非課税世帯、多子世帯等々、複雑にはなりますが、基本は事業商売の如何にかかわらず、生活支援にあれほど複雑で細かい支援策が必要かという想いはあります。
ただ、議案として提出されれば、それを否決するのはなかなか難しいことではあります。ベテラン議員の一人は厳しい質疑をしましたが、採決では賛成しています。その裏にある事情及び心中は分からないではありません。