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No.2735 おもてなし日本一

2016.04.10

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 新人事で行政が動き始めてて早10日が経過した。毎年この時期は人事異動で一喜一憂し、人心も組織的活動もあたふたわさわさと忙しいことになる。もっとも、これは民間企業でも同様であろう。

 今回、自身お世話になった方々の定年退職があったり、また昇格があったりということで関心は高い。
 今年、議員時代に関わりが深かった方が、県民生活部長に就任された。私が当選初年度は産業労働部の観光課課長だったが、ひとあたりが良く、気取らず、冷静な熟慮タイプで、かつ判断力を備え、ユーモアもあり、さらに言えば酒がお好きというか、仕事柄、埼玉県内の酒造地図を名刺の裏面に印刷していた。観光に酒は重要な要素があるということで、県内の酒造メーカーの育成と発展を考えていた方だった。

 一言で言って懐が深いというべきか・・・2年前に部長から副知事に、しかも定年前に抜擢された岩崎現副知事も同様の意味で素晴らしい人物で、お二人とも私よりお若いが、内実は全然足元にも及ばない人格者であり、高い見識をお持ちの方である。

 さて、その新しい県民生活部長が観光課長だった当時のことだが、全国一の観光劣県であった埼玉県を観光的に元気にすることはできないかということで、自民党県議団の一期生が中心となって、観光度アップを目指す条例の策定をすることとなった。
 同プロジェクトを立ち上げ、なんども検討会議を開き、議会政策調査課の協力を得ながら、半年がかりでようやく議員提案出来るまでにこぎつけた。その経過の中で、この観光課長が何かと相談に応じてくれたことがなつかしい。

 観光度アップとは言っても、物理的な条件はそうそう変えられるものではないので、人の心に起因する「おもてなし」の日本一を目指すことを主目的にしてはどうかと、当時課長のこの方のアドバイスにメンバー全員が大いに納得したものだった。
 「おもてなし」という言葉を条例名に入れてはどうかという意見もでたが、すでに他県の先進例に「観光おもてなし条例」というそのものずばりの命名もあったので「観光づくり条例」に落ち着いた。

 で・・・話は長くなって申し訳ないのですが、
 №2733で紹介した「白目桜ゼリー」を購入するために権現堂堤の茶屋を訪ねた方から連絡をいただいた件を少々。
 訪れた時、茶屋は人で賑わいを見せていたこともあってか、「白目桜ぜりーはありますか?」と尋ねたら「ここにないものはないよ」と売り子のおじさんの声。さらに「こっちも全部わかってるわけじゃないんだから、無いものを言われても困るんだよなー」と誰に言うでもない、独り言を口にしたというのだ。でも、それはそこにいる誰もが聞こえるものだったと。

 その状況の大体は想像つくのだが、絶対とは言えないので論評は避ける。
 ただ、「おもてなし」とはどういうことかという部分について、アルバイトだろうが、ボランティアだろうが、男性だろうが女性ろうが、歳がいくつであろうと、共通認識を持って、来訪者に温かく接することを心がける必要があるのは間違いのないところかと思う。
 ところが、そうは言っても、この「おもてなし」はだれにでも簡単にできるものではなく、案外に個人の資質に関わる面が大きいということも理解しなければならない。

 今、、○○コンシュルジュという特命的な専門職種が、あらゆる場で選任され、活躍を期待されているが、まさにこれこそが「おもてなし」の典型的なものと言える。何においても専門家とは言わないまでも、基礎知識を持ってその任に当たらなければ、遠くからやってくる観光客を満足させることは出来ないと思うのである。それでこそ、必然的に「おもてなし度」は高まるはずである。その最大の要素は、丁寧かつ思いやりと優しさがにじみ出る心の対応ではないだろうか。

No.2733 白目桜ゼリーと白目桜チョコレート

2016.04.02

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 3月29日の埼玉新聞に嬉しい記事が。 

 幸手市民なら知らない人はいない?郷土産米がある。「白目米」という米で、これを原料にした日本酒「白目桜」は、私も愛飲とまではいかないまでも時折いただく美味しい味わいを持つ日本酒である。燗より冷が良いかと(笑)

 白目桜は、市内の老舗酒店「伏見屋」さんのオリジナルであり、これに我が家からほど近い「夢菓子工房プレザン・パッセ幸手店」さんがコラボで「食べる日本酒」をテーマに開発した「白目桜ゼリー」が新発売されたというのである。1個320円で篭入りや箱入りもあるという。

 実は、当ブログで紹介するのをうっかりしたが、2月には同じコラボで、この酒風味を生かす形の「白目桜チョコレート」が販売にこぎつけていた。この口当たりの上品さとほんのりとした酒テーストには、酒を飲めない家内も大いに満足していた。

 、新製品のゼリーについては、満開前から観桜客で賑わいを魅せる県営権現堂公園の峠の茶屋で10日頃まで販売しているという。興味のある方はギリギリではなく、少し早めに出かけられて、ぜひともご賞味いただければなによりです。
 チョコレートについては冬季限定ということなのでわかりませんが、ひょっとするとあるかも・・・です。

No.2730 ランドマークかつ心のオアシス

2016.03.31

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 ここ数日、心地良い春光を浴びてすべての生物が活気づいているようです。小宅の猫の額ほどの庭でも、いただいた水仙が大きなラッパで庭全体を奏でています。

 県営権現堂第4公園、通称権現堂桜堤も日曜日頃では開花を見つけるのに大変でした。それでも観光バスがかなり駐車場に見られましたが、利用者はさぞやがっかりしたことだろうと思います。昨日あたりはだいぶ祭りの雰囲気を醸し出してきたようです。
 皇居の乾通りの観桜会も今週の日曜日まで予定を3日延長して行われるということですから、全体に若干開花が遅れているということでしょうか。

 時の移ろいは長い意味と短い意味の両面ありますが、桜はもちろん後者の代表格で今頃は毎日その姿を変えます。そして天候に弱いという面でも、人の寂寥感を誘いつつ、ほぼ2週間私たちをうっとりさせる貴婦人のような性格を持っている大木花。
 私は、東武線陸橋の上から見る桜堤が大好きです。

 公園管理にご尽力いただいている方々にも新しい公園管理事務所が完成したことで、気持ちも新たに精を出していただける一因になればと思います。
 川向こうの第3公園のトイレは、設置予定場所の地盤の関係で工事が遅れているようですが、あったものが無くなったわけではないので、逆に後の楽しみと考えればさしたる問題にはならないものと思います。

 私は、常々権現堂公園を幸手市のランドマークと評してきましたが、人によっては市民の心のオアシスと語る方もいるようです。著名な観光地と違って名所旧跡に恵まれているわけではない幸手市にとって、権現堂公園は幸手市民の心の支えと言ってもいいのかもしれません。

No.2709 データからのプラス思考が重要

2016.02.12

ファイル 614-1.xlsx

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 新聞等ですでにご存知の方も多いと思うが、埼玉県と埼玉大学社会調査研究センターが行った人口減少に関するアンケートの結果は、対象となった市町だけの関心事ではないはずだ。すべての自治体にとって参考になると考えれば、なかなか有意義な調査であったと思う。
 他県のデータがないので比較しようはないが、出された数値の中で「転居意向者」の平均25.3%はかなり高いというのが正直な感想である。
 アンケートは分析してこそ価値があるので、以下私なりの思いを我が街幸手市を中心に指摘してみたいが、若干データが足りないので深層にたどりついていないことをお断りしておきます。

 調査対象に選定されたのは、川越、秩父、本庄、戸田、幸手の5市と、小川、鳩山の2町。県内の地域バランスをふまえて選定されたようである。
まずは、定住希望と(転居希望)をあらためて見てみよう。
 

川越市 69.2(26.2)
秩父市 79.6(16.9)
本庄市 71.0(22.2)
戸田市 62.3(30.4)
幸手市 65.1(29.6)
小川町 71.2(24.5) 
鳩山町 68.6(27.9)
 

 
 東京からの距離が遠いほど定住意向者が多いという結果はある程度理解できるところである。つまり、北関東3県であれば、さらに定住希望率は高いだろうと想定できるのではないだろうか。
 ならば、茨城、栃木両県に近い幸手市に関して言うならば、秩父、本庄に比して定住希望率が低く、転居希望率は埼玉都民が多いと言われる戸田市とさしたる差が見られないのはどうしたことか。幸手市民は他と比べて我が街から離れたいと考えている率が高いということになる。

 転居したい理由で「交通の便が悪いから」が、鳩山町69.7%、小川町51.7%、幸手市35.9%、秩父市33.9%でそれぞれトップとなっている、鳩山、小川の高さが際立つが、逆に幸手市と秩父市の差があまりないのはどうしたことか。秩父市の方がより高くてもいいと思う地理的交通事情を抱えていると思うのだが・・・。
 鳩山、小川両町では「老後の生活に向かない」が30%台ということで、ほぼこの2点が定住したくない理由ということになる。
 

 一方、東京への通勤至便な川越、戸田両市は「親や知人が近くにいない」というのが、36%、29.7%で高い。本庄市は「医療施設が不十分」が21.3%でトップだった。

 重要だと考える人口減少対策は、秩父市49.7%、本庄市27.4%、幸手市24.9%、小川町26.4%、鳩山町29.4%でそれぞれトップに挙げられているが、県内でも規模の大きさでは屈指の産業団地が進捗中の幸手市において、他と比べて期待度がさほどに高くはないというデータは気になるところである。なんとなく幸手市民の行政への期待度や街のこれからに冷めた目が多いように感じられてならない。
 また、川越、戸田では「福祉、教育等の行政サービスの充実」が40%近くという結果であった。
 あらためて断っておくが、これはあくまでも住民意向調査であって、行政の意向データではない。

 埼玉県の人口はほぼ現状がピークと考えられており、まもなく減少傾向に転じる予定だ。今回の結果から、「地方版総合戦略」「まち・ひと・しごと創生」等の策定にあたり、各自治体の意向がどのように活かされるか興味深い。アンケート結果である住民意向とのギャップが「あると思うか、ないと思うか」でもかなり方向性は変わってくる。自民党県議団も各分野別に議論を深めたプラニングを急いでいると聞く。
 
 幸手市のことで言えば、最近、不動産業界の関心度が低い街だという寂しい話を耳にした。戸建住宅は各地で販売されているものの、最終的に値引きされる物件も多く、そもそも世帯数は増えているのに人口が減少している不思議な現象がある。これらも、本来は詳細な分析をする必要があるだろう。
 今回の調査結果は街の現状と未来を憂う市民が現状少なくない中で、それが現実だということを確認させられたアンケート内容だったと言える。しかし、それが住民の気持であるという前提において、政治行政がしっかり打開策を講じる必要があるのは言うまでもない。

 私としても今回のアンケートを、けっして悲観的に考えているわけではなく、くやしい、残念だ!という心情において反発マインドは上昇している。だからこそ、行政にも幸手市民の元気思考にかげりが見えるデータとの理解において、なにくそ!を原点に斬新かつ大胆な街創生のアイデアを生み出してほしいものだと思っている。
 まもなく始まる幸手市議会定例会でも、せっかくのこうしたデータを元に熱い議論が前向きに展開されることを望みたいものだ。

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