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No.3292 地方議会最大の変質?

2020.06.09

 暑い一日でしたが、2階の自室で議案書や月刊誌に目をやり、夕方は数日分の新聞の切り抜きをするなどして集中していたせいか、日が暮れて気がついたら冷房の世話にならず、窓の通風だけで過ごせました。なにしろ、断捨離も含めて整理事が多くてかないません。自粛期間は議会以外には、読書、あらゆる整理、筋トレ、ウォーキング、そして新たにメダカの繁殖に挑戦している日常です。第2波は間違いなくあるとの想定をした上で、最低でも6月いっぱいは自己管理を戒めていますが、皆さんはいかがお過ごしですか。

ファイル 1205-4.jpg さて、掲題に入りますが、まずは添付の表をご覧ください。幸手市議会の3月と6月の定例会で、重要議案の採決での議員の賛否状況を示したものです。重要議案の中でも最大のものと言えば、例年3月議会の新年度予算になるかと思いますが、それは全会一致で可決しました。共産党も賛成かと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、それもさほど不思議ではないという感じがしています。それよりも、変わったなーと小生が感じるのは、会派内で賛否が異なる場面が頻繁にあるということです。表中の赤と青色で示した賛否○×がそうです。
 この原因は、個々の議員の意志を尊重するということで会派が成り立っていることを意味しています。小生が議員になったのは平成15年で、その時、市民クラブという会派に所属しましたが9名もいた最大会派でした。当時、議員数は25名でしたが、他にも4人会派や3人会派が存在してました。そして、およそ採決で異なる結果はどの会派も無かったと記憶しています。意志の統一が図れなければ、それは離脱か会派分裂を意味します。国政でもよく党利党略のためには党議拘束という、いわゆる縛りがあって、万が一これに背くことあらば、訓戒、除籍、除名といった結果が待っています。党の方針に納得がいかないとなれば離党するしかないと判断します。最近の例では自民党への衣替えを志した長嶋昭久、細野豪志、桜井充氏などがそのパターンですが、小選挙区制という点でそうそう簡単には受け入れてはもらえない事情もあるようです。
 

 賛否を拘束しないのは、幸手ほどではないにしても、他の議会にも見られることです。その原因は議員減が大きな理由かと思います。25人・・・いや20人ならまだしも15人に減った状況で、公党会派が公明、共産とあり、残るは2人から3人を基本に会派を構成するというのはやむを得ないことと感じます。自民系保守議員は、主導権争いから複数の会派に分かれると言うのは珍しくありません。多数派工作という事情が発生するのがそれです。
 それにしても、重要議案で賛否が別れる不統一性会派をなぜ組んでいるのか。それは、議会運営に大きく関わりを持つ議会人事を考慮してのものだろと思います。会派を組まずに無所属でいると議会運営委員会のメンバーにはなれません。もちろん、会派代表者会議のメンバーにもなれません。
 勉強会というのが会派を組む二義的理由に考えられますが、その実態は小なるものに過ぎないでしょう。
 自己主張イコール信念の為せる業と言えば聞こえはいいのでしょうが、一方で、党や会派には同一思考への協調性を示す姿勢があってしかるべきで、それが出来なければ、一人の方が信念を貫くためには首を傾げられずにすむと思います。いずれにしても、賛否が会派単位でもバラバラになってしまった状態は、議員削減によって議会の調整機能が著しく減少したことを意味しています。

No.3181 コンプライアンスの無い街

2019.09.21

 ラグビーワールドカップが開幕した。防具に身をまとったアメリカンフットボールと違い、シャツと短パンだけの大きな身体がぶつかり合う迫力は、見る人の心を掻き立てる。プレーが流れるように楕円のボールを追い続ける点でもアメラグと異なる。ワクワク感というのか、試合が進むうちに興奮の度合いが最高点に引き込まれる点ではナンバーワンスポーツと言ってもよいのではないだろうか。1ヵ月半にわたる熱戦で、いったいどんなドラマが繰り広げられるのだろうか。

 ドラマが繰り広げられると言えば、市長辞職で前倒しになった幸手市長選。おかしな動きが展開しているようだ。幸手市には、およそ100人強の区長さんが各地域で地域福祉やコミュニケーションの醸成に尽力されている。その区長さんを地域ごとに束ねる代表区長が11人いるのだが、このうちの何人かが選挙運動をしているというのだ。これは当然のこととして尋常ではない。
 区長という立場は、非常勤公務員という身分ゆえ、警察、消防、教員、役所職員等々の公務員同様、選挙活動はご法度の領域となっている。
 

 それが、候補者を連れて戸別訪問で紹介して歩く、集会の案内を配る、記者会見に同席するといった行動を実行しているのが実体なのだ。秘密裏に動くといった類ではなく表立っての活動であるから、もはや何をか言わんやなのである。
 中には、辞表を市の市民協働課に提出した区長もいるようだが、地元に表明していなければ、選挙が終わって元通りといった体裁だけの法逃れと指摘しておきたい。代表区長が忙しいことは、私も昨年経験しているので理解している。順番と抽選で決まる香日向の場合と違い、他の地区では何年も同じ人が代表区長を続けている例が少なくない。前述したように忙しいことは事実なので、他に手を上げる人がそうはいない。そのような重職なので10年以上も代表区長を続けるという例もある。当然、地区の顔にもなってくる。と言うことは、辞表とは名目上で、選挙が終われば他にやるという人が現れないと考え、選挙が終わったら復活すればいいという予定の行動と言える。
 そういう人たちが、選挙で暗躍どころか表だって特定候補者の選挙活動をすることが許されていいはずがない。

 そもそも、全国に幸手の恥が波及した原因は、前市長の倫理、道徳、モラルといった人としての資質欠如に加え、深夜のバーで女性への暴力行為という、まったくもってコンプライアンス精神が欠如していたことによる辞職から、新市長選挙という経緯をたどっているのだ。
 この経緯をふまえれば、清新な幸手市に生まれ変わらなければいけないのに、今度は街の重鎮とも言うべき代表区長がコンプライアンス精神をかなぐり捨てて、やってはいけない選挙活動を実践している現実に直面している。この現状は幸手市にとって恥の上塗りでしかない。いや、この状況が広くは知れることは無いとしても、違法行為が街のリーダーによってまかり通っている現実は、幸手市を清新な街にと訴えるのがむなしくなるし、良識ある市民に申し訳ないことだと思う。幸手の政治にかかわる諸悪の根源はこうしたところにあるのかもしれないと思うと怒りと悲しさがこみ上げてくる。
 今回の選挙は、市民にとっての出直し選挙だと思います。それは、幸手市民の民度+良識=民力にかかわることです。
 だ・か・ら、主役は市民!!! 顔を見て、握手をして、感じがいいから入れたというのでは真の市長が選べるわけがありません。それは、同じことの繰り返し、過去の二の舞というドラマを生むだけ。正義と違法のぶつかるトップ選挙にどんなドラマが待っていることやら。

No.3168 一般質問

2019.08.23

 9月定例会の一般質問は、通告はしたものの市長選を直後に控えている状況では、する側にとって少々気抜けしたのは確かなところです。1か月後に新市長を迎える執行部職員にしてみれば気もそぞろの面が生じるのは致し方のないところ。とくに、市長と同じ特別職の副市長は職務代理者とはいえ、確定的な答弁は出来ないでしょうし、控えることも予測されます。それはまた間違いとも言い切れません。
 それでも質問は議員の権利と義務と考えて通告しましたが、主体は、現状確認や過去の経緯に関するものに集約した形となりました。

1.渡辺前市長の退職に至る経緯と今後の対応について
 (1)事件後の市の対応
 (2)市長退職金の取り扱い
 (3)新市長就任までのイベント対応
2.幸手駅西口モニュメントについて
 (1)制作者決定の経緯と契約方式
 (2)制作者以外で設置までにかかわった業者
3.学校現場の実態と改革について
 (1)学力アップと教員モチベーションの関連
 (2)児童、生徒の悩みの現状と対策
 (3)私立中学進学の実態
 (4)全国学力テスト結果の年次推移
 (5)アフタースクールの現状
 (6)小中一貫校の実現への考え方
4.市職員の長期休暇の実態について
 (1)心身の病気等により3か月以上の休暇を取得
    した職員の過去5年間の数値
 (2)その原因と対策
5.幸手中央産業団地について
 (1)現状と今後
6.期日前投票業務の委託について
 (1)契約内容
 (2)業務委託の範囲
7.幸手市人口の未来図について
 (1)県内自治体上位の人口減少の実態及び対策
8.市公共交通機関の今後について
 (1)6月議会一般質問後、踏み込んだ未来案協議は
    しているのか
 (2)他の自治体の実態調査は具体的にしたのか
 

 以上、一般質問の基本的考え方からすると、いささか項目が多くなってしまいましたが、7と8についてはまさに新市長に聞きたいことでもあるので、12月議会の予告になってもいいと考えながら、とりあえず挙げておいたものです。時間が足りればもちろん確認はしますが、人口減少問題は簡単な議論では済ませられないテーマですので今後も主体的な質問の対象となっていくでしょう。
 それと、くどいようですが、納得できる答弁はそうそう期待出来ないことを想定しますと、あまり突っ込んだ質問や指摘、要望もむなしくなる可能性があるので、確認といった感じの質問が多くなりそうです。やはり、市長不在というのは異常ですし、定例会が行われるにしても空白期間のイメージが拭えないのは残念なことです。

No.3167 後援会解散

2019.08.22

 不信任決議案を審議・採決する臨時会を先週金曜日16日に請求し、市長は来週あたりの開催を見込むだろうと予測していました。ところが、週明け火曜日を臨時会とする旨を通達してきて、臨時会冒頭に退職届を提出。臨時会ではひと言も発せず議場を後にしました。わずか4分のまるで寸劇のような展開に言葉が出ませんでしたが、「市長!なにも言わずに終わるのか!!」くらいの発言をすればよかったと、今更ながら後悔をしています。市長が口を開くかどうか別にして、それに対する反応を確認するだけでも真実の一端が見えたかもしれないと。なにより、傍聴の皆さんの不満と怒りを多少なりとも鎮めてあげられたのではないかと悔やまれてなりません。もっとも、逆に血圧上昇に貢献することになったかもしれませんが。
 その臨時会翌日に市長退職。朝一で管理職を会議室に集めて退任式を行ったそうです。市長は「たいへんお世話になりました。ご迷惑をおかけしましたが、本日をもって・・・・」といった挨拶をしたそうです。何かおかしいですよね。議会で議員やわざわざ傍聴にお越しいただいた市民に対して無言を貫くという無礼な対応ですませたのとは大違いです。
 市長退職の関係から9月議会が当初日程通り行われることになり、一般質問の通告が今日ということで、12時前に提出しました。これは次号で紹介しますが、その足で市内知人宅に所用でお邪魔しました。
 冒頭の会話
 「あれー、随分タイミングがいいね。枝久保さんに見せようと思うものが今日届いたんで電話しようと思っていたんだわ」「なんですか?」「いや、市長からの手紙よ」と言って、渡されたのは、市長の後援会の解散通知でした。
 タイトルは、後援会解散のお知らせ。内容は、私の軽率な行動でご迷惑をおかけしたことをお詫びし、8月31日を持って後援会を解散することにしたというもので、追記として、31日に予定していた市政報告会は中止すると。切手のない料金別納ハガキでした。
 実は、このご夫妻とはかなり前からじっこんのお付き合いをさせて頂いております。市内各地域では人間関係に配慮して、入会を頼まれると断りにくいということから名前は連ねるという場合が少なくないようです。形だけの幽霊後援会員と理解できるものですが。こうした感覚は新興住宅地にはあまりないことです。依頼すること自体が関係にヒビが入る原因になることを懸念するからでしょうか。
 不思議なのは、発信者は渡辺くにおとなっているのです。後援会解散通知ですから、本来は後援会長が発信者のはずです。もっとも、この期に及んで後援会長を名乗ることを躊躇するというのはわからないではありません。しかし、後援会長が私の推測する人だとすると、それはまた別の事情もあるのかと感じさせなくもありません。
 また、この私製ハガキは家庭用プリンタではない業者印刷ものでした。いくら何でも、22日午前着ですと21日投函でしょうし、20日の午後2時45分に退職届を議長に・・・と考えていくと、この作業の必要性を考え、文章考案し、印刷発注から宛名うんぬんと考えていくと、後援会解散と退職意志の決定とは違うものの、市長が辞める想いに至ったのは数日前と推測できます。また、少なくとも、後援会解散ですから記者会見で市長選出馬について考えていないと20日の記者会見で答えていましたが、それは偽りだったのではないかという見方も出来ます。
 退職届のタイミングが悪すぎる(遅すぎた)という声と、退職金は払わないようにならないのかというのが、昨今の市民の間の怒りの対象ですが、県外の知人から同情ともつかない連絡が来るのもここ数日の特徴です。釧路の友人からの電話では、こっちの新聞にも出てるよと。
 1ヵ月後に決まる新市長次第で、市政が大きく展開を変える可能性もあるわけですから、執行部は誰も核心的なことを言える状況にはないということになります。したがって、一般質問も提出はしたものの気合が今一つといったところです。

No.3166 市長辞任の顛末

2019.08.21

 早い時間の電話で目覚め、その後続くラインや電話のスマホ対応に大わらわ。
 今日発売の週刊新潮で文字数にすると1ページもの量の幸手市長に関する記事が掲載されています。この情報を送ってくれた方は、まさに怒り心頭の様子。昨日の市長が示した感性は、この記事に書かれている内容に程遠いものでした。事件の実態というか記者会見で応えを拒否した暗部に踏み込んだ内容は驚きを隠せません。市長が事実無根ゆえ争う覚悟と言っているので、無罪となればこの週刊誌を訴える場面も考えられます。また、ツーカーの人間関係がない週刊誌記事を無断掲載するのも問題ですので、ここでその記事を添付掲載することはとりあえず控えたいと思います。

ファイル 1077-1.jpg 朝からひっきりなしに鳴る電話。その内容はいろいろです。退職金、市長選、議員個々について教えてくれなどなど様々。昨夜は記者からの連絡もかなりのものでした。
 昨夜のブログと相互補完するような記事がありますので紹介します。昨日の驚きの茶番劇に至った裏事情がある程度わかります。個々の議員の立場上から押し寄せる焦燥感のようなものが土壇場の退職になったこともしっかり伝えられています。結局、不信任案の採決に至らなかったのは、そういう事情があったようだと読めます。つまり、不信任決議案に対しての賛否対応を「踏み絵」という感覚で理解したなら、市長擁護の反対か、市民目線の賛成かという選択で緊迫した心境になるのはあり得ることです。こうした事例は、過去何度も遭遇した経験で言うことです。それが、臨時会45分前の退職届提出になったと理解すれば、提出前の葛藤ドラマが市長室で繰り広げられた可能性もあったかと・・・。前号で紹介した幻の賛成討論の最後の部分でそれに通じることを書きましたが、議員に限らず、市長自身も質疑されたり、討論されたりという、いわばさらし者の状態を覚悟しなければならず、それを甘んじて受けるのは耐えられないと考えたのかもしれません。
 たまたまですが、この記事の脇に広島に関連する記事があるのは偶然とはいえ、なにか感じるものがあります。
 それにしても、あまりにもあっけない、市民を馬鹿にするのもほどがある臨時会でした。テレビ各局で全国に報じられた幸手市の恥、反省の姿が乏しい市長には、あらためてなんていうことをしてくれたんだ!という怒りがこみ上げます。

No.3165 幻の賛成討論

2019.08.20

 不信任決議案があるものと信じて疑わなかった私は、質疑、討論、採決の流れで行われることを事務局に確認し、昨夜から今朝にかけて不信任賛成討論用の文を用意したものです。
 今では幻となった賛成討論をそっくりそのまま掲載しますので、ご一読いただければと思います。

ファイル 1076-1.jpg 臨時会終了後の記者会見での市長発言。
◆退職金については?
 「条例通りにしたい。働いた期間については出ることになっている」
◆受け取ることに問題はないと思っているのか?
 「はい、そうです」
◆額は?
 「わかりません」

 こんな調子だったそうです。
 そもそも、退職を決めた要因が「電話が多く、業務に支障をきたす状況で市民に迷惑をかけるから」とし、広島での行動についてはまったく反省の言葉が見当たりません。それどころか、「容疑は事実無根であり、これからも争っていく覚悟です」と発言。広島出張で自分のとった「一連の行動」が不信任案の内容になっていることを全く理解出来ていないということです。もしくは意に介していないとでもいうのでしょうか。
 ちなみに、退職金は1,700万円程度だと計算された方がいますが、さほど乖離した額ではないと思います。1期4年単位で支給される額です。傍聴市民の怒りはここに向けられていました。それは私も共有する怒りです。

 また、電話の多さを退職を考えた原因にしたことに対し、記者の質問が飛んだ際、数を報告しつつ、激励の電話もあったと発言。これは副市長もどういうつもりか口にしたそうです。たとえそうした電話があったとしても、そういうことを言える場面ではないと思いますがどうでしょう。とにかく普通の神経であれば、詫びることしかないでしょう。激励の電話があったので、わるいことではないと考えてくれる市民もいると言いたかったのでしょうか。そんな馬鹿な!ではありませんか。それが本当なら幸手市民の市民度が問題だということであり、世間にまたまた恥ずかしい一面をさらけだしたということではないでしょうか。
 この問題、まだまだピリオドを打つわけにはいかないということを強く感じる今日でした。

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