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No.2945 デスペラード北朝鮮

2017.12.08

 ならず者、無法者、命知らず、犯罪者・・・デスペラードという英語が持つ意味は品性品格の観点からは最低の言葉である。北朝鮮の見るからに時代遅れの木造漁船が石川県沖から北海道の広い範囲で漂着しているが、あろうことか北海道沖の島に上陸して漁港内の事務所から家電製品など約800万相当を盗んだ船もあるという。違法入国した上に窃盗するとはなんというならず者だろう。ところが、今日さらに驚くことにその船はつながれていた巡視船のロープを切り逃避行を謀ったというではないか。日本のEEZ内で違法操業するだけで終わらず、パスポートもビザもないまま上陸した上に盗品を船に積み込むというデスペラードたち。最初は飢餓に苦しむ漁民たちの亡命かと思ったが、盗むだけ盗んで帰ろうとするとは、その荒くれぶりに開いた口がふさがらない。まさに暴走国家北朝鮮ならではであり、国が国なら民も民といった様相である。しかし、SLBMを発射する潜水艦を有する国家にあって漁民船との対比はいかにも違いがありすぎる。それでも国政への不満が上がらないのは国民を抑制する国家による統制が半端でないことを意味しているのかもしれない。 

 個人的にはこのデスペラードという言葉が持つ響きはけっして意味ほどに悪いイメージではない。ホテルカリフォルニアで知られるイーグルスが活動初期の1973年に発表した2枚目のアルバムは「デスペラード」という題名である。同名のタイトル曲は意味とは程遠い綺麗なメロディーラインのバラードで、多くのアーティストたとえばカーペンターズなどもカバーする名曲である。数ある彼らのヒット曲の中でも私の好みとしてはベストスリーに入る。しかしながら、やりたい放題の漁船を見ていてこの言葉が脳裏によみがえった。乗組員の一人は胃痛で病院に運ばれ、胃潰瘍と診断され手当を受けたという。北朝鮮は詫びと感謝の姿勢を誠意を持って示さなければならない。全体主義国家として国民を束ねる国であることを思えば金正恩が直接それに当たらなければならないところだが望むべくもないか。

No.2944 深夜放送の想い出

2017.12.05

 団塊の世代にとってラジオの深夜放送は青春時代のなつかしい記憶として残っているのではないだろうか。「セイヤング」「パックインミュージック」「オールナイトニッポン」等に耳を傾けながら受験勉強らしきものに立ち向かった10代後半は67年の歳を重ねた今でもまだ鮮明な我が歴史である。
 土井まさる、なっちゃんチャコちゃんも忘れられないパーソナリティーだが、私にとっては斎藤アンコー、今仁のてっちゃん、亀渕昭信といったニッポン放送の社員アナウンサーや高崎一郎さんなどがDJを務めたオールナイトニッポンが主力だった。その前身のオールナイトジョッキーでは日本のデスクジョッキーの草分けとも言える糸居五郎さんのゴーゴーゴーのフレーズが新鮮で、とにかく洋楽を集中的に流してくれる数少ない番組だった。ここでビートルズの「プリーズプリーズミー」を糸居さん自身が驚異的なサウンドと紹介し、リスナーが衝撃を受けたものだった。以降、リバプールサウンドからブリッティッシュロック、ウエストコーストサウンドからサイケデリック、サザーン、モータウンなど広くアメリカンロックに接することとなっていったが、自分にとって至極自然の流れだった。
 そして同じように糸居さんが紹介し全国的にセンセーショナルなインパクトをもたらした曲がある。「帰ってきたヨッパライ」である。加藤和彦、北山修、端田宜彦の三者三様のイメージが新鮮だった関西出身のフォーク・クルセイダーズという3人組によるものだった。耳にした時、それまで聴いたことのない奇妙奇天烈な曲風にまず驚いた。私はレコードを買うまでには至らなかったが、大学生の彼らが自作したた曲なのにどうやって録音したのだろうかとそれはそれはガーンと頭を叩かれたような衝撃だった。ビートルズの「ハードデイズナイト」が洒落た雰囲気で曲中歌に取り入れていたのが新鮮だった。

 先日、はしだのりひこさんの訃報に接した。トリオ解散後に結成したクライマックスで「花嫁」、シューベルツで「風」のビッグヒットを出すなど、最もポピュラーな活躍をしていたメンバーだったが最近は話題になることが少なくなっていた。享年72歳だったから団塊より少し先輩といった世代だが、パーキンソン病で長く車椅子生活だったという。時の経過をあらためて感じた。クルセイダーズでは3番目のメンバーという感じだったが親しみやすさでは1番だったはしだのりひこさん。これで加藤さんに次いで2番目の天国行きとなるが、久しぶりに二人で一杯かわして酔っ払うのもよいではないか。それこそが帰って来たヨッパライそのものではないかと。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

No.2943 おごるな白鵬

2017.11.28

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 スポーツの話題が素晴らしいのは限りなく世の中全体を明るくしてくれるからではないだろうか。それは勝ち負けだけにこだわらない不思議な魔力をスポーツが持っているからだと思うがどうだろう。
 ところが、大相撲は時折社会全体を暗くする癖があるように思えてならない。他のスポーツがすべて清潔感にあふれているとは言わないが、相撲の落とし方は他の比ではない。すでに過去ブログで若干のことは書いてはいるので詳細は控えるが、世間の大方の考えと同様に、白鵬の言動について大きな問題を感じるので再び今回の事件を取り上げた。
 今、あえて使ったように今回の一見はすでに事件化している。そこで白鵬が優勝後のインタビューで暴力の加被害両当事者の復帰を果たさせたいと語った。白鵬が警察の事情聴取を受けることでそのようなことが現実となるのだろうか。どのように聞いても偉そうにとしか感じられない発言だった。会場は拍手の渦となっていたが、千秋楽を観戦し麻生副大臣の登場などもあって観客の気分も最高潮に高揚していたこともあるのだろう。その後、白鵬の音頭で万歳三唱と相成った。なぜ万歳三唱? 自分の優勝に対する祝いの催促か、それとも大相撲の繁栄を祝う行為を求めたのか。いずれにしても奥ゆかしいことでは世界一と思われる日本人にとっては少々違和感を感じるものではなかったかと思う。
 相撲自体の取り口でも、カチ上げ、ひじ打ち、張り手、ダメ押しといった横綱としての品格が感じられない内容が多すぎる。勝利を受けた後の勝ち誇った仕草も独特で、女性の批判の対象になっていると聞く。そして、例の嘉風戦の土俵外抗議である。立合いを見る限り、綺麗な立合いであり、白鵬は左手で嘉風の右頬を張っている。待ったもヘチマもないではないか! それが原因で頭を下げて下から出た嘉風にモロに組まれたところで右手を上げた。しかし、実際のところここまではどうでもいいことで、行事軍配が上がっているにもかかわらず土俵外で手をかざして行った抗議行為には観ているもの全員があきれて見つめたのではないだろうか。清く土俵にあがり礼をして降りるのが相撲道の姿のはずである。アナウンサーがしきりに前代未聞と発していた。

 とにかく、事件として警察の捜査対象になっている現状で、その対象者を公でかばう発言は行き過ぎの行為だ。事件現場にいた当事者として話すべきは話すということに徹し、それ以上の私的感情を口にするのは奢りが為せるものか、救いの手を差し伸べたいという明確な優しさから出るものなのかわからないが、多くの方は白鵬にこう言いたいのではなかろうか。
 「控えおろう!白鵬殿」

No.2941 トップの品位品格

2017.11.18

「ほんのひと言が人の心を暖める、たったひと言が人の心を傷つける」
 語り人知らずだが、なかなか意義深い言葉だと思う。どこぞのメトロステーションに看板として取り付けられていたように記憶している。
 小池百合子さんが希望の党の共同代表を辞任した。衆議院選挙の結果次第では単独代表どころか総理大臣のイスまで見据えていたはずの小池さんだが、やむなく共同代表制をしいたものの葛飾区議選の結果はもはや彼女に二足の草鞋を履くことを許さなかった。葛飾区民の選択は東京都民の選択と理解すべきであり、国民の間にも同じ思いがめぐっていたものと思う。
 これで小池氏の政治生命は都知事一本に絞られ、2期目に信任されるかどうか知事としての勤務評価に都民の厳しい目が光る、ある意味瀬戸際の状態に置かれたことになる。
 

 凋落民進党の議員に希望への転党のススメを謀り、自身経験のない巨額の資金の金庫番を手中にすることを画策していたとする説もあった。このあたりは自らが転党の政治経歴を有していたこともあってか悪びれた感じは受けないが、はからずも左派系カットの思いが「排除」のひと言を生むことになった。
言葉がこれほどまでに短期間で人物評価を変えてしまうことに驚かされたが、とくに選挙という信任負託制度を原点にする政治の世界では有権者という感情の存在があるのでこうした大逆転劇があるということなのだろう。

 
 言葉に限らず、トップに立場にある人間の品位品格はいろいろな視点から問われる。上尾市の市長・議長の行為も市民の信頼を損なうものであり、氷山の一角という意見もある。日馬富士の暴行事件もあってはならないことである。また、相撲界経営陣の一角にある貴乃花親方が「弟子が受けた暴行は親方が受けたのと同じことだ」と語ったというが、どこぞの世界でもあるまいし、売られた喧嘩は黙ってるわけにはいかないとばかりの思考はいかがなものかである。そもそも巡業担当理事として事件の早期解明に動くべき立場が被害者届けを出した数日後に暴行を受けたという話は聞いてないというのはどうしたことか。裏にどういう事情があろうとも部屋同士の怨念感情を強く出し、事の隠蔽を謀る親方に理事長挑戦の資格があるのだろうかと感じられてならない。経済社会にも業界トップクラスの企業の不正問題が続出する現象が止まない。トップの品位品格が崩れる日本社会が透けて見えるようだが、それを立て直すのもトップの仕事であるのは間違いない。

No.2936 やはり不条理でしょ!

2017.11.01

 前号の長ブログにお付き合いくださりありがとうございました。後半部の2大政党制に関する部分に賛意をお示し下さる方がいてほっとしております。このあたりはまだまだ議論を深める必要性を感じますがブログで一方的に語るだけでは足りない面がありすぎですね。気を長くして取り組んでいきたいと思います。 

 タイトルの不条理についてですが、実は2001年から独居生活となっていた義父に、県内とはいえ深谷の在でしたので何かの折にと私の名義で携帯電話をかれこれ10年ほど前から預け、自由に使ってもらっていました。90を過ぎた2年ほど前からはほとんど使用している様子もなく基本料金だけの状況でした。その義父が数日前に亡くなり、急なことだったのであれこれせわしない日々に追われている一昨日のこと、携帯の請求書に記載のある電話に連絡したところ、解約はショップでしか扱えないと言われたので、近くのショップに出向きました。そこで、解約には9,500円かかり、それがかからない解約月は来年の2月1日から3月末日までです、と言われたのです。解約月まで待てば基本料金だけにしても月々1,000円ちょっとを支払うことになります。それでも金額的には解約月まで待ったほうが安価ではあります。ただ、ここでの疑問は金額の差ではなく、使う人がいなくなった電話なのに基本料金だけにしても、支払う必要があるのか・・・・??? 店員さんに再確認しましたがあくまでも規則ということを建前に申し訳なさそうにしていました。規則とはその電話の名義が私だからということです。一瞬大いなる矛盾を感じた次第です。
 しかし、どうでしょうか。社会全般の制度システムを人の生き死にという場面に合わせる思考が必要ではないでしょうか。さもないと今回以上に不条理なことがあるような気がしてならないのです。

No.2922 香香と珊珊

2017.09.25

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 BS番組ワイルドライフをこよなく愛する小生。今年の5月15日のこと、かれこれ10数年訪れていなかった上野動物園に家内とブラタモリ風に出かけた。チューリッヒやシンガポールといった世界的に著名な動物園と異なり、広さも展示アイデアでも少々劣る感は否めないが、大都市の中心部にある動物園として多くの人を魅了する名所であることは間違いない。とくに公園内の表門を入るとすぐにパンダ舎があるのが個人的には気に入っている。まずパンダのご愛嬌に触れてからゴリラや象、猛獣たちに会いながら歩いて西園に行く。そこでカバやオカピに対面してからモノレールで東園に戻り、再びパンダに挨拶して帰路に着くというスタイルはおそらく多くの来園者たちが選ぶコースではないだろうか。パンダはもちろんだが三大珍獣のひとつに数えられているオカピも心惹かれるものがある。

 さて、私たちに向かってどっかり座った姿勢で竹をほうばっていたシンシンだったが、その数日後妊娠の兆候が報道された。なぜか感慨深いものがあったが小ちゃなメスのパンダが6月12日に生まれた。そして今日、37万通の応募の中から選ばれた名がシャンシャンだった。
 「香香」とネットの文字が真っ先に目に入った。何と読むのやらと文字の先を追ったらシャンシャンだった。家内はかなり前から中国風の読み方から脱皮してもいいんじゃないかと言っていた。で、私がパンダは哺乳類だから脱皮はしないよとか、わけのわからない会話をしていたものだ。たしかにクルミとかアンズとかスミレといった感覚も悪くはないとは思うが、やはり中国風のシャンシャンとなった。応募はこういった名が主流なんだろう。
 可愛いいじゃないか!・・・と思った瞬間どこかで聞いたことのあるような。そうだ!今、世界の女子ゴルフ界でレジェンドになりつつある選手にフォン・シャンシャンという中国人選手がいるではないか。全米女子プロ他アメリカで9勝、日本でも7勝しており、リオ五輪では銅メダルを獲得しているスーパースターだ。ただ、名前の表記ではいつもカタカナなのでいわゆる漢字名がわからなかったが調べてみたら、フォンはサンズイではなくニスイに馬と書き、シャンシャンは珊珊と書く。珊は珊瑚の意味から女性らしい文字と見受けられるが、同じシャンシャンなのにこうして字が違う場合があるようだ。
 身長170、体重85㌔の堂々たる体格でフェアウエイを歩く姿はまさに人気者のジャイアントパンダ・・・いやいや貫禄充分のシャンシャン選手。日本の選手も負けてられないぞ!と言いたくなるほどの強さを誇るが、少しイメージが変わったような変わらないような。いえいえ、香香ではなく珊珊の話です。

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