熱海土石流災害は今だ19名の不明者が残る。人災説の声が高まり、静岡県と熱海市による調査が始まるようだ。
静岡県は東京・大阪間を1時間でつなぐリニア鉄道の地下トンネルが通過する計画地となっている。しかし、川勝知事は自然の保持に影響があるとして反対を続け工事認可を与えない状況が続いている。6月の知事選で4期目の当選を果たしていることから、静岡県民には指示が厚いことは立証されている。確かに、天下の富士山の地下との関係で伏流水などへの影響や、農工産業に対する問題が派生しないとは言えない。しかし、広大な面積に対してリニアのトンネルがどれほどの大きさであるかと考えると、日本全国いかなる土地でもトンネルを掘ることなど出来ないのではないだろうか。もとより、景観も損なわれることもない。それよりも、静岡という土地が地勢状、新幹線で東京にも大阪にも1時間半ほどで行けるし、リニアを利用する価値がほとんど見いだせない県だと考えると、たとえ、地下とはいえ県内の土地掘削開発を良しとはしない事情も読み取れる。
考えるに、世界の科学開発の現状は多種多分野にわたるが、人にわかりやすいという点では、時速500キロで空間を走るリニア開発は最先端の科学技術と言っても過言ではない。この完成によって、日本の鉄道技術が改めて世界に驚きを与え、高い信頼を得ることは間違いないものと思う。
反面、人災説が問われることになった二つの点のうち、太陽光発電については、現在全国各地でトラブルを生んでいるが、こうした事実が報じられることはほとんどない。前号で和歌山県の例を紹介したが、あくまでも急傾斜地という観点からのものである。今回は岡山県の例を見ていただきたい。
これは石油元売大手会社が開発設置したもので、面積82ha(約246,000坪)で東京ドーム17個分、パネルの数32万枚、年間発電量6,500万kW、13,000世帯分の電力供給量だという。設置金額は不明だがかなりの金額であるのは容易に想像がつく。火力発電のエネルギーである石油の大手による開発なので、企業側としては地球温暖化に対する企業精神を示したものとも思えるが、現実には、根の深い新たな問題を形成してしまったと言える。
電力問題は福島原発問題で、立民共産の左派リベラルが原発廃止と代替発電の開発を唱えている。共産党の場合伝統的な主張で党是のようでもある。
今回の熱海災害で太陽光発電との関りが証明されたり、全国各地が想定外雨量に見舞われた際の土石流災害にこれが関わることがあったとしたら、そして人命が奪われたとしたら、いったいその相対評価をどう考えればいいのだろうか。
自然破壊、景観破壊、保水機能不全、防災力低下、不要パネル発生時点の環境問題・公害化、国土の外資化などなど。この地も岡山県名産の白桃生産農家が手放した土地が含まれているともいう。農業の継続問題は国としての大問題であるはずなのに、実際は一向に解決される方向にはない。
このように、今ある社会問題がマトリックスに絡み合う状況を太陽光発電はもっているという点で関心を深めている。ゆえに議会でも他人事ではないという思いで取り上げているのだが、まだまだ真剣度は少ないと感じる現状だ。
富士山下のトンネル開発と地上の山間部傾斜地の代替発電開発とを、同等に比較することは出来ないが、私案としては太陽光発電の方が問題が深いのではないかと思えてならない。その最大の理由としては、政治行政は後世に福をもたらすものであって、後世につけを残してはならない、という格言による。
皆さん、どう思われますか。