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No.3776 被団協に米露中は何思う

2024.12.11

 ノーベル平和賞の感動は、わざわざスウェーデンを訪れた人が多かったということを聞いただけで感じ入るものがあります。92歳になる田中さんの、静かに、切々と語る受賞演説が涙を誘うものであったことが、今回の受賞のすべてを物語っているのではないかと思います。
 13歳で被爆し、家族を失った田中さんは、これが世界の核廃絶のスタートだと訴えました。しかし、現実は第三次大戦の勃発と、核という地球を破壊する武器使用の可能性を推測する向きがあるほどの危機状態にあるのです。今朝のニュースでも、イギリスが戦時体制下を想定し、それに応じられる軍事システムを構築するべきと発信しています。
 今回のノーベル平和賞に対する各国の感想がどのようなものかは具体的に報じられていない気がします。ノーベル賞選定結果に異議を唱えて、それに対抗する賞を設けた経緯のある習近平中国。今まさにウクライナにとどまらずNATO加盟国に向けて核使用の可能性をほのめかすプーチンロシア。国民の生活に優先して核配備に余念のない北朝鮮。そして、なにより未だに原爆投下を聖戦のなせることだったとの主張をはばからないアメリカ。
 核準備は、とくに反米国の独裁専制体制下の国に見られ、増えつつあるのは確かなことです。ロシアなどはベラルーシに核同様の能力を持つ最新のICBMを送り込んでいると言われています。

 
 核廃絶は、日本人であれば誰もが持つ主張ですが、現実には理想主義に近いものになっているように思います。政治思想という面で、日本では左傾野党や政治家を中心に強い主張を訴える現状があります。それは日米同盟無くして国を守ることは出来ない現実に対し、それが、アメリカの核を受け入れることにつながっているとしているからです。
 実際に、アメリカが広島と長崎に原爆を投下した責任は重いことですが、その責任は問われていません。ただ、今目の前にある地政学的他国間関係を考えれば、日本が単独防衛で対抗できる状態で無いのはあきらかです。
 なんとも悩ましい現実ではありますが、核廃絶は常識的理念に間違いありません。心から良かったとの思いの中で、擦り合わせが難しい日本の立ち位置をあらためて感じたノーベル平和賞です。