兵庫県知事選挙は、不信任決議を受けて出直し出馬の斎藤元彦候補の大逆転勝利となりました。前評判を覆した力がどこにあったのかは、今ネットでもいろいろと投稿されており、コメンテーターも独自理論を語る状況にありますが、ただ、誰が何を言おうと数字は正直だと思います。
投票率が14.55%も前回をクリアしたという事実は、昨今の選挙ではきわめて稀なことです。票数にして25万票増えたわけですから、それぞれの選挙本部も此処迄は予想し得なかったでしょう。多くの選挙がその都度前回を下回ることが民主主義の危険領域とまで言われ、選挙権を18歳まで下げざるを得ない事情の中での今回の結果ですから驚異的な結果だったのは間違いありません。。
この投票率アップの原因を分析すれば、巷で言われているSNSの影響ということになるのでしょうが、たしかにSNSが選挙戦における驚異の戦術になったことが証明されたと感じます。実際、そうなりつつある最近の選挙事情ではありましたが、この選挙でそれが完全なものになったと思います。とくに大きな選挙ではそれが顕著になってくるものと思います。
更に、関心を引いたのは不信任決議を受けた候補者の動向です。まさかと思うことが起こったのは間違いありません。先の衆議院選挙において、マスコミによる風をもたらす目的の煽情的投票誘導に問題意識を感じた人は少なくありません。しかし、知事選でのSNSでは風とか煽情的という以上に、そこで語られる内容が真実正論だと理解した県民有権者が多かったわけですから、言い換えれば大マスコミより見ず知らぬ人のSNS投稿が人の心を変えるという事態に発展したのです。これが衝撃的と感じるゆえんです。
これから、斎藤知事はまだまだ難局が待ち受けていると思いますが、いち早く不信任決議に賛成した維新県議団は協調路線を打ち出しています。考えてみると、維新県議団は知事選に独自候補を出し258,000票余りを獲得し3位という結果でした。2位と3位の票を足すと斎藤候補の票数を12万票あまり上をいくことになります。斎藤候補にしてみると維新が独自候補を出してくれたことは大いに好影響だったとも考えられるのです。このあたりに選挙の難しさというか面白さがあると思えてなりません。
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No.3761 兵庫県知事選の衝撃
2024.11.19