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No.3668 国会の報酬改革

2023.02.15

 顔に当たる風が冷たい一日でした。朝出かける際、イヤーカバーをせずに出たのですが、少し軽くみたことが悔やまれるほど、耳がジンジンといった感じでした。

 かねてより、今のご時世で何種類もの報酬が入る仕組みは考え直す時期にきていると思っていたことが、ようやく進展を見せそうです。
 自民と維新が常任・特別の委員長手当を廃止することでマッチングしたとのこと。この委員長手当は通常国会、臨時国会にかかわらず1日6,000円が支給される仕組みです。なおかつ委員会そのものが開かれない日でも開会中すべての日数が対象になるのです。たとえば、通常国会が3ヵ月などというのは珍しいことではありませんので、この間の日数すべてに6,000円が支給されるということです。
 この委員長手当以上に問題視されているのが調査研究広報滞在費というものがあります。旧来の呼称は文書通信交通滞在費というものでしたが、国会議員はJR新幹線が自由に乗れる制度になっているなどの国民の声に配慮する形で交通という表現を取り除いたという説もあります。
 いずれにしても、領収書を必要としない使途報告無用の金額が月に100万円支給されていることへの指摘は数年前からありましたが、自民党が折れた形で今後検討協議していくということになったようです。ところが、この手の問題は結論が出るまでに時を要するのが常です。議員を減らそうとか、報酬改革をするとなると、どういうわけか協議の終わりが見えにくくなるようです。

 選挙地盤が広い国会議員ですから、それ相応の報酬は必要かとは思いますが、それにしても、月130万1千円の歳費に加え、調査研究広報滞在費が月100万円、立法事務費月65万円、賞与年約650万円、JR/航空券の無料クーポン券、プラス公設秘書給与があります。
 以上を年間ざっと合算すると、国会議員には年間約7,500万円の経費が全議員にかかっているということになります。さらに議長、副議長、議会運営委員長や、予算委員会に代表される各委員長手当が別途ということです。
 また、これとは別に当選議員数と投票数に連動する形で支給される政党交付金があります。令和5年度は9党総額315億円ほど。ガーシーで話題のNHK党で3億3,400万円、れいわ6億1,900万円、社民党で2億6千万円などとなっています。なぜこの3党を紹介したかというと、これらの党が一体何人議員がいるか考えていただきたいのです。これらの党の実態は代表者独裁の傾向が強いので、それぞれ代表の思うままに使われていることも考えられます。
 それが満更の話ではないことが埼玉県上尾市で起こっています。それはNHK党公認で当選した上尾市議が、次期衆議院選挙に立候補せよと党首から指示を受けた結果、党を脱退したとか議員を辞職するとかの騒動になっているのです。その議員が曰く「国会選挙に公認候補を沢山出馬させて、投票数を稼ぎたいという目的なのです」と発言したというのです。これが本当だとしたら、政党交付金目当ての思考で地域政治は言うに及ばず民の為の政治が二の次になっている感は否めません。 
 当選してなんぼ! 当選しなければ政治は出来ないわけですので、政治は金がかかるという前に選挙は金がかかると考えるとわかりやすいでしょうか。