昨日、ワクチンの第5弾が空輸されてきた。およそ一人2回分として65万人分ということである。1億2千万人に行き届くにはまだまだといった状況だ。すべての自治体がワクチン接種に右往左往といった様相で、特に医療機関の少ない自治体では接種医療者の確保が出来ていないと言われる。ともあれ、すべて準備万端整ったとしてもワクチンの入荷次第というのは、行政担当者にとっても国民にとっても何とも悩ましい限りといったところである。
今日の朝刊では、ワクチン接種について県内自治体に関する情報として2つの関心事が報道されていた。
1.戸田市
同市では4月12日に975人分、26日に485人分の計1460人分のワクチンが供給されるという。それを85歳以上の高齢者と施設入居者を対象に優先接種すると報道されている。同市では戸田中央総合病院でクラスターが発生した事情もあっての思慮と推測するが、やはり大きな理由はワクチンの入荷量との兼ね合いもあったものと思われる。県議時代の同期である菅原市長は、当時から溌剌気鋭の活動をされていた方で、重症化リスクに配慮した戸田市の施策は大いに参考となるのではないだろうか。
ちなみに、幸手市に市民用として最初に入荷するのは975人分で、4月26日の予定となっている。戸田市より2週間遅いということになる。国と県は人口その他諸々を鑑み自治体別に発送時期を区分しているようだ。それについては、事情が事情だけにやむを得ないかと思う。
ただ、幸手市がせっかく75歳以上を対象に優先案内を発送しても、次の65歳以上にもワクチン入荷前に案内が届くことにもなり、区分した意味が無いということになりかねない。混乱するのが最も憂うところなので、そうならないよう工夫してもらいたいところである。
2.宮代町
ひと月以上前になるが、ある市民から宮代町ではワクチン接種1回につき1000円分の商品券を配るらしいが幸手市ではどうなの?と言われたことがある。
その時の私の感想としては、接種自体はあくまでも住民個々の意志を尊重するべきで、接種を促したい気持はわかるが行政としてニンジン施策的な内容を思考するのはいかがなものかと感じていた。しかも、それにより地域経済の活性化につなげたいというのもわからないではないが、医療福祉をそこに結び付けることがはたして理解されるだろうかとも。
昨日行われた同町議会では、その施策予算約6,500万円を含む約1億7805万円の補正予算が賛成6,反対7で否決された。国の交付税の用途としてより有効な使い方があるのではないかと言うのが反対の主旨だったようだ。
結局、補正を組み直し、改めて臨時議会に諮るかどうかといったところと思うが、新井町長はワクチン接種率が上がればPCR検査の必要性が減る。再度、調整と議員協議を進めとりまとめたいとしている。新井町長の考えも理解できる内容で、悩ましい例がそこかしこにある現状のワクチン接種対応である。