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No.3370 外務省の異様性

2021.01.27

 昨日のこと、外務省が新疆ウィグル自治区で中国が行っている人権弾圧をジェノサイドとは認めないと公表した。これには正直がっかりしたというか腹が立った。これは、実態を伝える写真等が世界に打電されているし、実際にイスラム思想を強制的に変更させる目的で特定施設に送り込み、拷問的残虐行為を繰り返しているとか、当該民族の血を絶やす目的で女性の避妊手術を強制しているといった人権弾圧行為は日常化している。そもそも、民族壊滅を唱えること自体が大量虐殺そのものと言えるのではないか。
 情報統制が当たり前の中国ゆえ被害者側からの訴えが伝わりにくいことはあるが、覇権主義の行きつく先に世界統一を意図するとも言われる中国の現状は、各国が問題視する事態に発展しているのだ。中国がそうした際に常に警告する言葉は「内政干渉は許さない」という言葉だが、香港問題もそうであるように人権問題はそうはいかない。まして、中国自体が内政干渉に明け暮れていると言ってもいい国なのだ。
 米英両国が対中批判を鮮明にしているし、理由は別とは思うが、イギリスが南シナ海、ドイツがインド洋海域に戦艦の派遣を考えているということも中国の存在が世界の脅威になっていることを示している。

 トランプ政権は、4年間の全てが1月6日の議会乱入事件で全面的にその存在自体も無かったごとく低落している。私は日本の地政学的見地から考えて日本にとって好意的に受け入れることの出来る実態もあったと思っている。ボルトンさんの対北朝鮮への対応しかりで、これはトランプさんが好印象を世界に植え付けるために利用したことでボルトンさんが離れたことはあったが、ポンペイオさんの対中国対応は、香港事件や最近の台湾との問題にしても納得できる内容が多くある。
 今回のジェノサイド認定をしたポンペイオさんの考え方には、新国務長官に就任したブリンケンさんも同調している。日米同盟の強化が問われる中、これでいいのかと感じる外務省の判断である。政治的発言を外務省が報じることも問題だが、それ以前の問題として、何故?という疑問しか湧いてこない。
 ここ数年、個人的に中国に大きな関心を持って見つめているが、精神的にはストレスばかりが溜まる中国の実情といったところ。日本の対応は何としても弱すぎる。超巨大企業の中国離れが実現遠い状況もあって経団連からの要求も相当強いものがあると言われる。中国との関係が深い与党議員も少なくない。国を司る人間や組織団体の裏側には国民がはかり知ることの出来ない実態があるということはわかっているが、くれぐれも中国や韓国につけ込まれることのないように願いたい。(実際、既につけ込まれているが)
 自民党の中にも中国脅威論を唱える議員連盟があり、「外務省の腰砕け」と厳しい言葉を発する事態にもなっている。日本の対応はこうしたことになると及び腰というか、中途半端になるのはどうしてなのかと情けない想いになるが・・・どうしたものか。