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No.3065 ハイテンションボルト

2018.12.11

 今朝の学童パトは本格的寒さにシバれました。手袋していても手は冷たく、耳が痛いくらいでした。フロントガラスの曇りを出勤する際に外に出て気付き、大慌てでガラスを掻きむしったと思われる車を沢山見受けました。帰宅後、予報で東京の気温が1.8度とか言ってましたから、おそらく零℃前後だったのではないでしょうか。
 今年は災害の多い年でしたが、災害に見舞われ、復興途上の北海道、東北、関西、中国、九州地区の皆さんは寒さを超越して日々の暮らしに頑張っていただきたいと思います。

 さて、今号では少し専門的な観点からある問題を紹介したいと思います。
 復興と言えば、建設会社の存在が大きな意味を持っているわけですが、その情報によるとこのところある建設用部品の不足が大きな問題として浮上しているというのです。
 それはハイテンションボルトというものです。鉄骨を組む際に、それをつなぐ要となるもので、引張力などから耐震対策には欠かせないものなんだそうです。それが、なぜ不足しているかと言うと・・・
 ここにも災害の影があるようなのです。それは、このボルトの成型メーカーが関西にあって、夏の大阪地震で計画通りの生産が難しい状況が続いているというのです。さらに追い打ちをかけるように、粗鋼生産の大手工場がある室蘭では、先の北海道胆振地震の影響で生産に支障が生じ、生産ペースが大幅に遅れているというのです。つまり、遠く離れている粗鋼生産と成型メーカーがともに地震の影響で生産に翳りが出ているわけで、なんと、今やこのハイテンションボルトは半年程度の待機状態に陥っているというのです。
 確かに、ネット通販のモノタロウなどで確認しても、欠品中とか取扱中止といったものばかりです。販売店ではどうなっているのか確認はしていませんが、販売店で売っている数では建設業界が取引き出来る対象でないのはあきらかです。
 一つのビルに使用するボルトは半端な数ではありませんし、消費税の関係で増税前の契約は8%で、増税後は10%になることから当然増税前の契約が増えることは間違いないと考えられ、着工がいつになるか、工期はどこに設定可能かなど建設業界では悩みが絶えない状況です。人手不足が続き、倒産する企業が出ていることも合わせると、この部品不足は東京オリンピックや大阪万博に向けて暗雲を漂わせることになりかねないと業界では捉えているようです。
 そんなわけで、冒頭の繰り返しになりますが、復旧復興地域の皆さんには寒さにめげず頑張ってほしいと願う次第です。