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No.3030 第33回埼玉県ガス協会合同復旧訓練

2018.09.07

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 「7日、朝9時30分埼玉県東部を震源とする大規模地震が発生し、幸手市では震度6弱を記録した。幸手都市ガスでは、、ただちに災害対策本部を設置した」
 これは、7日に権現堂公園第一駐車場の半分を使用して大々的に行われたガスインフラ復旧訓練の想定である。

ファイル 939-1.jpg 県内にある20のガス供給会社のそれぞれの地区を持ち回りで、毎年こうした復旧訓練を実施しているそうで、この訓練の存在は今回始めて知るところとなった。今回は、幸手都市ガスさんと鷲宮ガスさんが幹事会社となり、その33回目が開催された。
 埼玉県危機管理防災部部長や地域内の3行政長、警察署長、消防長等々を来賓に迎え、県内各地から20のガス会社が参加するなかなか見ごたえのある訓練だった。幸手市代表区長会のメンバー11名も招待の対象だったが出席は5名であった。前回がいつのことだったかは確認しなかったが、持ち回り訓練と区長の任期とを考えると、この訓練を経験している区長は誰もいないのではないかと思われる。

ファイル 939-2.jpgファイル 939-3.jpg 訓練の様子は、写真からある程度ご理解いただけると思うが、とくに印象に残った点は4つ。
◆集結したガス会社の社員さん達の、自衛隊とまではいかないものの整列から点呼報告敬礼といった一連の動きは目を見張るものがあった、日頃そうそうは各地から集まって訓練できるものではないと思うと、ここまでまとまった状況を目にして、有り難くも頼もしいというのが率直な感想である。
◆脇にモニターを置いてのカメラによるガス管内の異常点検作業は、50メートル長まで可能で、口径次第ではコーナーを右左折しての撮影も可能である。
◆PEポリエチレン管の性能は、従来の白ガス管と呼ばれる経年管と比べて腐食に強く、軽量で曲がりやすいことから施工しやすい。幸手都市ガスさんの話では、順次このPE管への取り換え工事を進めていくということである。
◆ガス管は、地すべり現象により管内に土砂や水が入り込みガス供給がストップしてしまうことがあるという。その時、採水のためのバキューム処理を施すが、負荷吸引装置による採水訓練では、管に90度の曲がりを数回しつらえても小石もろともあっという間に吸引する。

ファイル 939-4.jpgファイル 939-5.jpg 大切なライフラインであるガスは、危険性という点でも一般住民が取り扱うには難しいものがある。それを民間の供給会社が県内のどこで発生しても集団的防災体制を構築していることは心強いことである。昨日の北海道胆振東部地震の街の惨状を見た後だけに、会場全体に緊張感を感じる訓練だった

No.3029 「山がずり落ちてきた」

2018.09.07

 ラジオを聴いていたら飛び込んできた被害者の悲痛な言葉。それがタイトルに掲げた「山がずり落ちてきた」だった。老齢の女性らしき人が語る恐怖の言葉は、テレビでも見ていた光景と同様の光景を今朝の新聞一面の写真を見て理解できた。広大な山岳地帯が凄まじいほどに全域でえぐれている。火山灰地特有の現象との分析もあるが、直前の台風による雨の影響もゼロではなかったかもしれない。
 西日本豪雨は222人の犠牲者と、いまだ10名の不明者がいる。今回、北海道胆振東部地震と名付けられた地震では9名の死者と29名の不明者という段階で、人的被害は西日本豪雨災害ほどには至っていないが、見るからに倒壊家屋や道路陥没、液状化の激しさがインフラ崩壊につながる。斜めに傾いた家屋は倒壊と同じと考えるしかない。通常の生活状態に戻るのにはかなりの時間と国費の投入が必要となるだろう。
 まだまだ西日本豪雨災害でも避難生活をおくっている方が1500人もいる。自然災害が連続的に多発する昨今の尋常とは思えない事態は、大災害を想定した予防的国家体制を早期に構築する必要を感じる。災害が発生するたびに厳しい生活を余儀なくされる被災者の多くは、体育館などでの仕切り間生活での長引く避難生活に心身が疲弊する。高齢者にとっては命にかかわる究極の未体験ゾーンと言ってもおかしくない。自衛隊の皆さんの奮闘無くして被災者の支援体制は考えられない。その自衛隊員は戦争につながるイメージだと評されることで憲法に身分が規定されずにいる。災害支援救助に一列歩行する自衛隊員の手に握られているのは銃ではなくスコップだ。
 かように、災害が発生するたびにいろいろなことが頭を巡る。自然はあまりにも過酷な試練を人類に与えすぎではないか。
 亡くなられた方には慎んでご冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の皆さまに心からお見舞いを申し上げます。相手が自然とはいえ、これだけ日本のあちこちで発生する状況にくやしいという思いとどうしたらいいんだという思いがこみ上げてきます。
 今回、亡くなられた原因の一つに、倒れて来たタンスに押しつぶされた方がいらっしゃったという。少なくとも、語られ尽くした感のあるこうした危険への対応はしておこうではありませんか。