アメリカ人拉致被害者3人が解放され帰国した。機体まで出迎えたトランプ大統領のご機嫌は最高潮に達したよう・・・いやいやこの場面では自らが盛り上がる必要があるだろうし、それは帰国者への礼儀だろう。ただし、北朝鮮に対する信頼度が格段に上がったかどうかは不明だ。事実は、李克強が日本を訪れている時に、習近平と会うという安倍首相よりワンランク上だと言わんばかりの突然の訪中。これは、受ける習近平にも北朝鮮を抱え込むタイミングとしてはうってつけの場面と言える。しかもこの会談の後に即アメリカ人の解放が実現したのはまさに習近平のアドバイスと考えると辻褄があう。キムは即時の解放を本国に向け指令を出した。茶番かもしれないが、世界の多くははこのアメリカへの気遣いに安堵感を持ったはずで、なんとなく違和感を持つのは日本だけかもしれない。根底には人質解放を持ち出されたくない北朝鮮が、習近平との会談でその意をいとも簡単に変質する
直前には、人権問題をテーマにするのは米朝会談を白紙に戻すことにもなりかねないと日米に啖呵を切った北朝鮮。揺れ動く金正恩の腹の内が読み取れる。したがって、この状況にしびれを切らした習近平が金正恩を中国に読んで騒ぎ立てるなと説教し、逆に被害者解放を進言したのかもしれない。今や金正恩を弟分のようにたしなめる習近平と言えるが、これは対プーチンも意識してのことかもしれぬ。
数号前にも書いたが、習近平の狙いはシナ海を手中に治め、太平洋への進出が目的にあるはず。そのためには、尖閣どころか沖縄まで支配化を謀ろうと目論む。そのためにわずらわしいのが在韓米軍であり、沖縄米軍である。これは韓国に配備するTHAADに対する過剰なほどの反応であきらかではないか。それは国民に向けて観光への旅を禁じるという過激以上の何物でもない経済制裁を考えればうなづける話である。
キムは実際のところ、かなり追い込まれており、習近平が意図する日米対応のための人間核弾頭的立場になって自国の窮乏を招いている経済制裁を取り除きたいのが本音ではないだろうか。
トランプ大統領は、そんなキムを読み通している可能性が高い。
しかしまあ、日本の国会は18日のムダを経て、ようやく審議を開始したが、それでも朝鮮半島状況に関する議論は為されていない。
記事一覧
No.2993 わかりやすい金正恩
No.2992 幸手市の未来は明るいのか(2)
さて、前号に続いて幸手市の今後についてもう少し検証してみたいと思います。まず、前号の内容で誤解を招く部分について訂正させていただきます。
「給食費しかり、エアコンしかり・・・。それも必要なことであるが」
この部分で、給食費の無償化について了解しているように感じられたかと思いますが、小生、この無償化には元々、そして今でも賛成ではありません。現市長がこれを選挙戦の公約にした際、違和感を持った内容です。それは人間の成長に最も必要なのは「食」であり、親は子の成長のためにはまず第一に食を与えるという経済的責任があると考えるからです。私は給食経験があまりありませんで、毎日母が作ってくれる弁当を持っていく生活でした。冬季にはこのアルマイト製の弁当箱を教室に備え付けの保温機に入れて温かいのり弁に舌鼓をうったものです。当時の多くの母親は早起きだったと思います。
義務教育費は私たちの時代と違って、今は教科書まで無料。平成22年から公立高校の授業料が無償になり、26年度からは私立高校でも世帯年収により授業料の無償化が法制化されました。今では政党によっては大学の無償化まで唱えるところもあり、幼保一体化の無料化も検討材料に上がっている状況です。時代が違うと言ってしまえばそれまでですが、親の責任としては子どもの精神的成長に拘わる家庭内教育と同等以上に食に関する責任は欠かせないと思う次第です。昔話が過ぎましたね。
話を戻しましょう。
防災に関わる予算は前年度2倍の約8,300万円が計上されたが、これでは防災対策に本格的に取り組んでいるとは感じられません。たとえば、下川崎から西中学校脇を通り、牛村に抜ける大中落としの浚渫にはヘドロ処理コストまで含めて3億円近くかかるはずです。また、中5丁目付近から幸手駅に向かう中落しも夏になると人の背丈以上のヨシが生えて景観、におい、防災の面で駅近くの中心地区として恥ずかしい状況です。なぜあれだけのヨシが生えるかを考えるべきです。この二つの落しはいずれも倉松川にそそぎます。だからこそ、これらの整備が根本的に必要なのです。4千万円が8千万円になったからいいということではありません。前号でも述べた通り、優先順位に大きな考え違いがあると言えます。やはり駅舎に30億円近い予算を投じた現状がどうだったのかという疑問が残ります。駅舎としての機能は古かろうが新しかろうが変わる部分はありません。お勤めの方は朝晩数分の時間を通過するだけです。若干の便利さは感じるかもしれませんが、見た目が綺麗になったというだけで人口が増えるなどというのは妄想に近いでしょう。
そして、これは西口区画整理にも影響が出ているのは前号の通りです。
さらに、本下水敷設事業ですが、計画にかなりの遅れが生じているようで、耳を疑う話を耳にしました。西口区画整理に関する新築条件に浄化槽の使用が市から求められているというのです。本下水が整備されるまでの暫定措置のようですが、いったい全国各地の同事業でこのようなことがあるのだろうかと首をひねる事態です。もちろん、当事者として安易に応じられる話ではないでしょう。本下水敷設は県の主幹事業ですので最低でも事業遅延の理由を確認したうえで市は関係者に説明すべきでしょうね。幸手市と県の良好な関係が保たれているかどうかにも関わることですが、これは香日向地区の汚水処理施設にも影響があることですので心配です。
昨日、県立高校削減の報道がありました。現在134校あるうちの1割程度が県内4地区から削減されるという内容。東部・利根地区では2~4校というのですがいささか数があいまい過ぎますね。今後は、各自治体と県会議員のせめぎ合いというか交渉作業が地元の関心事になるでしょう。23年に小生が県議になった時にはすでに幸手高校は統廃合対象になっていました。そこで、考えたことは廃校後の処理でしたが、ほとんど時を経ずして日本保健医療大学に譲渡され、いまは同大学の理学部がオープンしています。また幸手商業高校(現幸手桜)の夜間定時制が廃止となったのもこの年でした。この経緯からすると幸手でただ1校の幸手桜高校が廃校になるのは考えにくいことだと思いますが・・・。子どもは無論のこと、若者の影が少なくなるというのは地域の活性化を損ないますので存続の牙城は守りたいものです。
タイトルの結論はと問われれば「悲観する必要はない」というのが現時点の評価です。ただし、それにはいくつかの要件が必要でしょう。まずは極端に減った財政調整基金については緊縮財政をしなければ本当に危険領域に入ります。この基金は年度予算の15%は最低でも留保しておきたいですね。今の市長は浪費タイプの行政運営をするタイプのようですので、市民受けはするでしょうが、これが続けばどうなるかは明解です。そのあたりは職員もしかりでしょうが市民がどう理解判断するかではないでしょうか。
結論として、財政、人口減少、若者減少、水害対策、学力向上といった見地から、事業計画と予算執行に大いなる工夫が欠かせないという意味で、我が街は脱皮する必要があると思います。