アメリカ本土での日本人の活躍が目覚ましい。優勝という言葉は秋まで無縁だが、大谷翔平選手の二刀流は現地でもショッキングな出来事として捉えられ、確実にショータイム見たさに観客は増えている。相手チームのサポーターまでが翔平の活躍にブーイングではなく、拍手で応えているのが画面からも伝わってくる。まだまだメジャーは始まったばかり。20本、15勝、新人王で終わることのない活躍を期待することとしよう。
さて、翔平選手はさておいて、今日の早朝日本人選手の優勝がダブルで伝えられた。ゴルフの小平智選手、マラソンの川内優輝選手だ。先月にはテニスの大坂なおみ選手が優勝しているから、私たち見る側にとってこれほどワクワクすることはない。
小平選手は奥様の支えとかの外的要因もあるだろうが、なによりパットの正確性には驚く。プレーオフ3ホール目での7.5mのバーディーパットは、相手のキム・シュウ選手に決定的なプレッシャーを与えた。最終日、リーダーズボードのトップにいたキム選手が逃げ切れなかったのは、後半のパットの乱れが原因だったから、もはや6.5mのパットが入るようには見てて感じられなかった。まさにゴルフはメンタルなスポーツだ。プロの世界でトップクラスに居続けるには、なによりパットがものを言うらしい。そう考えると、小平選手の活躍は更に期待できるのではないだろうか。
川内選手の優勝レースにまだ目にしていないが、前半飛ばしたリードレースからいったん極端にスピードダウンして、その後また盛り返したと聞く。いつも彼の走りを見て思うのは、顔つきは苦しそうなのだが根性で走りきるタイプなのだろう。川内流走法というのだろうか、応援する側が悲壮感に追われる感じなのだ。以前、幸手さくらマラソンのゲスト選手として毎年訪れてくれる浅井えり子選手に聞いたことがあるが、川内選手は走り過ぎだという。あれでは身体疲労が積み重なって選手寿命を短くするというのだ。それでも彼は走ることへのチャレンジをやめない。久喜高校に勤める県職員だが、来訪者への対応は謙虚で礼儀正しいそうだ。それは走ることにも通じる彼の財産なのだろう。
大坂なおみ選手は、シャラポワや現女子ランク1位のハレプを破っての優勝だった。一気に22位に上昇し、4大大会制覇も現実的な話になってきた。彼女の態度仕草から感じるのは天然と言うよりは天真爛漫といった感じ。笑うと魅力があふれる選手。こういうタイプはプレッシャーやストレス耐性に強いはずなので私は間違いなくシングルランカーになると確信している。
大坂選手がカリフォルニアで、小平選手がフロリダ半島右上のサウスカロライナ、川内選手がマサチューセッツのボストンということで、西海岸から東海岸にアメリカを横断する形で日本人選手が話題になるという特徴的な今年前半。これからいったいどんな夢を見せてくれるのだろうか。
ショウヘイ、ヒデキ、マークン、マエケン・・・イチロー選手にももちろんまだまだサプライズを見せてもらいたい。
最後に無粋な話だが、3人の優勝賞金が、小平選手は約1億3千万円で日本のトーナメントの5試合分、川内選手は1600万円でドバイマラソンに次ぐ額、大坂選手は1億4750万円となっている。ちなみに、昨年の5月に世界最高峰のレースと言われるインディ500に日本人初の優勝を遂げた佐藤琢磨選手は2億7千万円の賞金だった。やはりアメリカのプロの世界は段違いのドリームが名誉とともに転がっており、チャレンジしたくなる魅力を選手に与えているのがわかる。アメリカ・ファーストはノーサンキューだが、アメリカン・ドリームは選手の年俸が高すぎるきらいはあるが、世界中の選手に権利があるということではワンダフルだ。