桜の開花が間近になり、今年のインフルエンザの猛威もようやくかげりが見え始めた。埼玉県のインフルエンザ流行調査は平成11年から始まっているが、そのデータから少し検討してみようと思う。
昨年11月から始まったインフルエンザの流行は、年が変わって1月15日から21日の本年第3週にピークとなった。そうそう、この調査は1週間単位で行われることとなっている。そして、それは前週の数値29.46人から61.63人と極端な増加を示しており、国が定める流行警報基準値である30人をはるかに超えたのである。いかにすごい数値かがおわかりいただけると思う。
県内16(県設置13、市設置3)の保健所管内別では、1医療機関(定点)当たりの報告数でトップは草加保健所で85.63人、次に幸手保健所が76.86人、3番目が越谷保健所の72.85人となっている。管内人口でみると草加が約50万人、幸手が約40万人、越谷が約33.5万人で人口割合に順じていると言えるが、実はさいたま市や川口市、それに狭山保健所など管内人口の多い地区と比較すると罹患率はかなり高いことがわかる。こうした状況は軽く考えるべきではなく、感染率も致死率も高い新型ウィルスというのは地球上でこれでもかというほどいつでも人体を目当てに生まれる歴史が繰り返されていることを重く受け止めるべきであろう。鳥インフルは鳥間感染だけで人体感染には至っていないが、そうしたウィルスが登場しないという保証はなく、渡り鳥天国の日本では深刻な問題になる可能性も考えられるのだ。いずれにしても、有り難くないトップスリーということになろうか。
今年の特徴として県では流行の初期からB型インフルエンザが多かったとしている。確かに罹患された方からはこの点を多く耳にした。こうした微妙な変化も要注意なのだ。それと私の感覚からは小学生の罹患が多く、学校を休む子が例年以上に多かったように感じている。とくに1月は登校班のすべてで全員揃う日が少なかった。ところが、当の小学校では学級閉鎖はなかった。良かったと感じる反面、かなりの数だろうと感じていたので不思議な思いも持った次第。聞けば、学級閉鎖は記録として残るので学校教育関係者にとって歓迎するものではないという。疑うわけではないが、ゼロ歳児から小学生までの年齢に罹患者数が集中する傾向にあることを想うと、インフルエンザが更なる子どもの敵とならないように対応すべきである。それでなくとも少子化が叫ばれている由々しき状態を一層重くすることを指摘しておきたい。
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No.2978 インンフルエンザ流行報告
2018.03.19