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No.2886 近藤健介に4割の期待

2017.05.28

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 前号に続いてスポーツの話題。宮里藍ちゃんの引退ニュースにはたまげた。日本にとどまって活躍すればまだまだ優勝回数を増やせるという思いは多くの藍ちゃんファンが感じることではないだろうか。もったいない!の一言だが、それなりの理由があると思うと余計なお世話かもしれない。31歳はまだ引退の歳ではないと思うのだが・・・。
 昨日の白鵬、勝負がついた後の一突きになんの意味があるのだろうか。母国の後輩照の富士は痛む足を無理して出場を続けている。あの一突きで落ちずにすむ土俵下に落ちた。しかも痛い左足から。先輩としての思いやりや横綱としての品位に欠ける姿はとくに女性の嫌悪感が強いということを相撲界も考えたほうがよい。勝負の世界には憎まれ役の存在意義もあるとは思うが。
 さて、今日は第84回日本ダービー。日頃はさほどでもないが、ダービーと暮れの有馬記念はなんとなく注目してしまう。あの伝説の名馬ディープインパクトの子どもが6頭も出ているという。今年はどんなドラマが待っているのやら。

 この号、本題はプロ野球で実現不可能な領域に入り込んでいる選手に注目したい。夢の4割に近づく男、その名は日本ハムの近藤健介という。日本ハムといえば大谷翔平選手が話題を独り占めしている感が強いが長期離脱でここのところマスコミも静かだ。あとは不動の4番中田翔や個人的には巨人から移籍して現在6本のホームランを打っている太田選手の変貌ぶりに期待している。
 ところで、私にはシーズン前から気になる選手がいた。それが近藤健介選手だ。というのも、彼の伯母さんが幸手市に在住されており、数年前に亡くなられたご主人ともども個人的にたいへんお世話になった縁もあってのことだ。ただ、そのご縁があろうがなかろうが野球馬鹿の私には、今年の近藤選手の活躍は驚きと喜び以外何物でもない。
 今日現在、日本ハムは45試合を終わり、ペナントレースのほぼ3分の1を消化したところである。45試合修了時で近藤選手は、これまで182打席129打数55安打でなんと0.426という驚異的な打率を残している。四球が49というのも試合数以上ということでいかにパリーグの投手から要注意バッターとみなされているかを証明している。開幕以来、毎試合注目しているがノーヒットの試合はまだ1試合しか記憶にない。スタメンからはずれたのも1試合で疲労を考慮した栗山采配だろうと思うが、あとはほぼすべてにクリンアップ3番という重責を任されて上記の打率を堅持している。昨年はケガの影響もあっ不振をきわめ出場も80試合と限られた結果、265の打率に終わっている。言わば年をまたいだ華やかな復活劇は素質の開花といった見方も出来る。というのは、一昨年は129試合に出場し完全レギュラーの座を得ていた。成績も打率326でパリーグ3位という立派な実績があるからだ。それがあって背番号も54番から8番となった。ちなみに8は私の大好きな番号である。

 少し紐解くと、1993年8月生まれの23歳、身長173センチと球界では小柄なほう。千葉県出身だがなぜか横浜高校で筒香などとともに甲子園出場を果たす。高校通算本塁打35本。2011年秋のドラフト4位、今や珍しくない右投げ左打ちで登録は捕手だが内野も外野もこなす。年棒4500万円。
 高校野球や六大学などは多くても10試合程度の短期戦でかつ力の差があるレベルでは高打率が記録されるのは珍しくはないが、ペナントレースという長丁場で、投手のレベルが格段に上がるプロの世界では4割というのはほとんど達成不可能な数字とも言われるが、それでも大リーグでは20人ほどが記録に残る。シスラー、タイカッブ、ホンスビーなどはよく知られるところだが、最後のテッド・ウィリアムが1941年だったことを思うと、打つ技術よりも投げる技術が進歩していることがわかる。そして日本では4割を達成した選手はいない。最も近くてランディーバースの389で次がクロマティーだが、いずれも外国人選手と思えば、まさに日本人選手の4割打者誕生という世紀の瞬間を見たくなるのもご理解いただけると思う。この大記録にまだ余裕を残す形で頑張る近藤選手にエールを送り続けることは間違いなく今年のプロ野球の大きな楽しみになっている。
 まもなくセパ交流戦がはじまる。巨人戦に限らずぜひ近藤選手に注目して頂ければと思うとともに彼の活躍を願う次第。それまで野球のヤの字も知らなかった伯母さんは自室に近藤選手の写真とサイン色紙を掲げ、日本ハム特集誌を抱えて数少ないテレビ放映を楽しみにしている。

 かっとばせーケンスケー!

 

No.2885 高安、常陸山継承に夢を!

2017.05.28

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 稀勢の里人気で大相撲が連日大入りだ。画面からもその華やかさが伝わってくる。稀勢の里休場の残念なニュースに終盤に来て寂しい感は否めないが高安や玉鷲、宇良といった力士たちが長い幕内の取り組み全体を支えている。
 来場所から新大関が躍動する。茨城県から半年足らずで横綱、大関が誕生するというのもNHKの朝ドラ「ひよっこ」に結びつけて偶然ではない何かの“縁”を感じないではない。
 高安は横綱になれる器と期待するが、流れを大切にして一気に目指してもらいたいものだ。昇進確実の10勝目をあげた日、NHKはフィリピン人のお母さんを呼び寄せるという気の利いた企画を実現した。夢を実現した息子の一番にも静かに見守るお母さんの姿が愛おしく感じられたが、その時まで高安がそうした来歴を持つ苦労人とは知らなかった。だからというわけではないが、高安には是非とも横綱になってほしいという思いが募る。
 そして、個人的希望としては茨城県が生んだ大横綱の名跡を継いで欲しいと思っている。第19代横綱常陸山は明治後期に活躍した力士で角聖と称された人物である。古今十傑にも称えられ相撲人気を高めた相撲中興の祖とも言われる名横綱であった。大関、横綱に昇進を機にしこ名を変えるというのは最近では安馬から日馬富士に改名した例があるが、歌舞伎の世界でも大名跡の披露公演が話題になり客を呼ぶように相撲界もこうしたことは積極的に取り入れるべきではないかと思う。安馬と高安、なぜか安という文字があるのも奇遇といえば奇遇。
 部屋の流れが出羽海系列ということで二所ノ関系の高安が継承することへの壁はあるのかもしれないが、そんなことよりも常陸の国茨城県にこだわって明治時代の四股名を復活させることはファンにアピールすること間違いないと思うがいかがなものだろうか。
 そもそも第72代横綱稀勢の里の誕生が、第35代横綱男女の川以来75年ぶりに誕生した茨城出身の横綱であった。その時も同様のことを思っていたが、残念ながら常陸山というワードにふれたマスコミはなかった。くどいようだが、そうそう滅多にあることではない。高安にそれを期待するのはけっして無理な話ではないし、相撲界のしきたりというハードルを低くして常陸山再興を実現してもらいたいと熱望してやまない。