相撲が熱い! 日馬富士が取り組み中の怪我、鶴竜がらしくない不振で休場となり、大関陣は稀勢の里以外取り組み相手が殊勲のインタビューに出てくる回数を増やす役割になっている。しかし、こうも不甲斐ない大関陣に勝ったからといって殊勲と称するのはいかがなものかと感じる最近である。
しかしながら、本割は正代、遠藤、御嶽海、荒鷲、他の力士たちによる熱戦続きで画面からも国技館の熱気が伝わってくる。画面では砂かぶりの観客が勝負のつく瞬間に口を大きくあけて歓声を上げている。これにつられるわけではないが、テレビの前で同じように歓声を上げる自分がいる。夜のダイジェスト版ではこうはいかない。やはりスポーツは決着の場面までライブで観るのが最高だ。
昨年を思い起こすと稀勢の里の横綱昇進への期待が続いた年だった。1月場所からの優勝は、琴奨菊、白鵬、白鵬、日馬富士、豪栄道、鶴竜という経緯だったが、そのどこかの場所で稀勢の里が優勝していれば横綱審議委員会の議題にのぼっていたはずである。
ところが、肝心な場面で自ら格下に取りこぼすことと、他に奇跡とも言える火事場のなんとやらを発揮する力士が毎場所いて、賜杯をさらっていく様子に甘んじる稀勢の里だった。とっかえひっかえ優勝力士が変わる形で稀勢の里は横綱昇進に待ったをかけられた。こうした流れにため息をつく国民がどれほどいただろうか。
同じ大関の琴奨菊も豪栄道も優勝の翌場所は、規定に基づいて綱への昇進の期待をにぎわしたが、2場所続きの好成績は難しいのではないかという思いを密かにもっていた方が多かったのではないだろうか。そして、結果はやはりというものだった。琴奨菊などは今大関陥落の危機である。その琴奨菊に全勝を阻まれた稀勢の里に「またか!」の思いで漏れるため息は尋常ではなかった。
そして昨年の12月場所では存在感が希薄だった鶴竜が奮起し久しぶりの優勝を勝ち得た。終盤戦の熱い星の奪い合いは稀勢の里の優勝への期待に盛り上がりを見せたが、ここでも彼は鶴竜にゆずるかのように準優勝に終わった。
昨年の最多勝がその稀勢の里というのも皮肉なもので、さらに思うのは彼の優勝を阻んだ鶴竜の今場所の無気力さだ。横綱であればこそ連続優勝の期待も当然のものであり、筆頭横綱としての貫禄を白鵬に近づける最大のチャンスであったのに、多くの金星を配して休場となった。先場所の稀勢の里との熾烈な優勝争いの勢いはどこへいったのだろうか。
さあ! 今場所は残す4日間、実際は再び白鵬との優勝争いになりつつあるが、これまで白鵬に優勝を阻まれた場所が何場所あっただろうかと考えると今度こそというのは本人もそうだが、全国の相撲ファンの想いだろう。
運とチャンスを今度こそ掴みきって日本人久しぶりの綱を張って欲しい。
そして、魅力ある県47位の全国最下位という不名誉ランクを仰ぐ茨城県民のためにもふる里に熱気をもたらしてあげてもらいたいものだ。
ガンバレ 稀勢の里!!!