終盤、猛暑の戦いが繰り広げられた参議院選挙。
政権与党が憲法改正を避ける形でアベノミクス継続を訴えた選挙戦だったが、終わってみれば、ほとんどのメディアが憲法改正への今後の影響を選挙結果にかけて報道している。
実は、私も憲法改正の方向性にかかわる位置づけとして、この選挙をみていたし、自民党員としての考えに基づいた活動もしていたので、その意味からはひとまずほっとしている。
ただ、数合わせの論理は理解するものの、結果を具体的に分析すると、有権者意識というものをあらためて考えさせられる選挙だったのではないだろうか。地域性がこれほど強いのかとも感じたし・・・。埼玉県については良かったと思っているが他では・・・。
ところで、民共野合による立憲主義論や平和憲法論、戦争出来る国論にのってガードを固くする国民が想像以上に多いことを感じさせる選挙であった。なぜなら、与党が3分の2に届こうが届くまいが、究極の民主主義制度である国民投票というフィルターに掛けられるという感覚を持たない国民が半分近くいると思えなくもない。
もちろん、住民投票の危険性はイギリスを例にとるまでもないが、イギリスの結果は言ってみれば、時の政府が志向する方向と逆に出たことを考えれば、万が一、3分の2の国会発議が成立して国民投票になった場合でも、そこで反対が多ければ自民党結党以来の悲願である憲法改正は霧の彼方に消え去ることになる。
国民投票は、通常選挙以上に、各政党が燃え滾り国民感情を煽る戦いとなることは間違いない。政治家が口にする内容から、真実と虚言をいかに見抜かが大きく左右する、まさに有権者の正念場と言っても差し支えない。もっとも、3分の2決議すらも許さないという感覚で、議論のテーブルに乗ることさえ応じないという論理は国会議員としていかがなものかと思う。
どちらにしても、決議段階では議論が足りないとかで、また委員長席が暴力紛争エリアになることであろう。
しかし、拙速な集結への道は与党も避ける必要があるが、その線引きは難しい。半年、1年経過しても野党の議論不足論は議会の常であるから。
話は地域性に戻るが、北海道、東北での自民党の弱さはわずかな差もあるにはあったが、結果論として今後への不安がよぎる。とくに東日本被災地3県は野党連合を選択したことに総体結果とは別に驚ろくものがあった。地震発生時は民主党、その1年半後には自公政権の復活という政治変化の中で、今の政治ありきは自民党ではないという選択を被災地がしたと理解すべきなのか・・・・?
あれだけ自衛隊の力に感謝した(と思っていた)被災地域ゆえに、自衛隊は人を殺す予算とのたもうた側に結果をもたらすとは思っていなかった。
最も、岩手県はまったく別の力が働く県であり、福島は原発に関わる問題が尾を引いていると理解出来るが、それにしてもである。
北陸の結果は票数自体に自民安定を感じさせたが、東北との違いが浮き彫りになった。農業に関わり、NPPがどのように影響したのかも分析が必要となるはずだ。
長野の杉尾氏、東京の朝日氏など、有権者は有名人に弱いという面も若干残った。とくに杉尾氏はまったく長野に縁のない東京キー局のアナウンサーで、いわば落下傘候補だったにもかかわらずだった。
そう言えば、ニュースキャスタ、アナウンサーという人種にリベラル、反体制の方が多いのはどうしてなのか。もちろん、保守系政党にも小池百合子さんなどいるにはいるが、今回も杉尾氏をはじめ、神奈川の真山氏、落選したものの愛媛の永江氏、そして鹿児島県知事に当選した三反園氏などといる。今回、杉尾氏のキャスター時代のイメージとは異なる演説を聴くと報道内容が偏るのもやむを得ないかと感じた次第。秘密保護法制定も関係しているのか?
青山繁晴氏の当選については、異色の候補者という見方がされていたが、大いに納得はしているもののもったいないという感想も残る。そもそも議会というのは、あのような雄弁論者が言いたいこと、言うべきことをすべて発言できるということにはなっていない。櫻井よし子さんとともに、外にあって、国家論を語って欲しい方だと思っているから、出馬自体に驚いたほどだ。
小沢ガールズが新潟と比例で復活したのも意外だった。有権者の心は、選挙を経験した自分ではあるが、いまだによめない、理解できないというのが正直な感想である。
沖縄もますます地域全体が左傾特化していくようだ。しかし、これが沖縄の民意だと言っても、すぐには納得するわけにもいくまいに・・・。
さあ、いつでも選挙後は同じことだが、また政治の正念場がやってくる。まずは経済待ったなし❗️国民も待ったなしだ!