参議院選挙が静かだ。党首討論はいつも以上の頻度で行われているし、18歳選挙権の初実施に関連する報道も公示後多く見られるようになった。
にも拘らず・・・どこにいてもなんとなく盛り上がりを感じない参議院選。投票日が10日というのも公示日から間が空き過ぎだが、選挙特性から満遍なく選挙カーが廻るわけでもなくやむ得ない面もある。
注目すべきは、今回の選挙戦での野党連合のアピールのせいもあって、徐々に「安倍総理vs野党連合」という図式になっていることである。
当初の感覚としては自公政権vs民共連合であったものが、今やその状態を抜けて個人vs連合組織に変質している感が強い。
この原因は、国の舵取り役としての安倍晋三という政治家が、比類無きリーダーシップを発揮しているということに尽きる。民主党政権で落ち込んだ状況からの3年半の今の日本は、ある意味、リーマンショック以上の出来事にも、さしたる影響を受けないということが国民に理解されつつあるのではないだろうか。
イギリスの国力低下は間違いないと思うので、まだ、これからの世界経済の動向に引き続き長期スパーンで注視する必要はあるが、株価下落や円高変動などでは慌てた投資家が全般に多かったと理解していいのではないかと感じている。日本経済に対する国際信用度が大きく低下することは考えにくい。
野党は盛んに戦争キャッチで安倍総理をヒトラーが如くに批判するが、今や外交、防衛、経済すべての観点で安定感を見せる安倍政治だ。それらに係わる大臣も共にここまでを経過していることが、なにより安倍政権が国際的にも高い評価を受ける要因になっている。オバマを始め、各国首脳とのホットラインの緻密さ、ASEAN、インドとの友好信頼など、野党連合では成し得ないことをしっかり示している。
逆に中国や北朝鮮、韓国といった国々が見せる日本への対応も、安倍政権の質実剛健ぶりゆえと考えるべきだろう。
第一次安倍政権時では年金疑惑問題をブチ上げられ、焦燥感に駆られた高齢者が怒りの矛先を安倍政権に向けて自民党を下野させた。総理の健康状態もあったが、決められない政治を選択した有権者は国際政治の中で停滞する国家と経済になることに考えが及ばなかった。
年金疑惑が、職員の96%が自治労所属という旧社会保険庁による選挙運動に近いものだったことも、小沢一郎という壊し屋が裏で暗躍していたことも、わかった時は後の祭りだった。
狂信的なほどに自民党嫌悪感を持つ国民は別にして、民共連合に理を示す有権者が日本にどれだけいるかが今回の選挙でわかる。それが今回の選挙の意義ではないかと考えている。若者の選択にも注目している。
民進党代表はイギリス問題で株価が急落したことから「アベノミクスのうたげは終わった」と選挙に結びつける発言をした。離脱を安倍批判に使えると望んでいたのだろうか。
そんなことでは野党連合のリーダーの器を国民が感じるだろうか。私は、この政治家のセンスの無さを再認識した。そもそも、今回の選挙連合は節操がないとする世間評価にあまりにも鈍感すぎる。
民進党そのものが、もはや解党すべき政党であると確信しつつある。
安倍総理が消費増税延期で見せた「機を見て敏」「臨機応変」という政治スタイルはまさに際立つ。かたくななイメージの安倍晋三という政治家が、場面によっては、大物閣僚まで説き伏せる強さと柔軟さを持っていることがわかる。ただただ決めたことだからと突き進むリーダーでは心もとないのは言うまでもない。
静かな選挙戦ではあるが、有権者の「木を見て森を見ず」という選挙のたびの投票心理に不安があるといえばあるが、それを誘引するメディアがあることが嘆かわしい。
日本を破壊する政治選択か、国家安寧と経済安定を選択するか・・・日増しにその全容が理解され、結果につながることを願う。