記事一覧

No.2738 被災地に想う

2016.04.17

アイコン

 熊本地震が九州地震といった感じで震源地を複数とする広域化様相に変化している。画面を見ているだけで恐怖感に襲われる。実際、現地の方々が負われる心臓への負担は相当のものがあるだろうと推察する。

 今朝のニュースでは、亡くなられた方が41名、不明者もかなりに及んでいるという。
 震度6以上の地震が7回以上も発生している状況は、その場にいる人々にとっては日本沈没、地球崩壊を感じるほど強烈なものだと思う。なにしろ、私自身は経験がないことだ。
 いや、実際に目にする山腹の亀裂崩壊の規模は尋常ではない。ダムの決壊、橋の崩落、熊本城癖の崩落、阿蘇山の噴火までという現実は、今後の復旧復興への事態の重さが深くのしかかる。

 前号で付けたタイトルに関する想いをうっかり書き忘れたが、耐震補強など一般民家ではそうそう行われていないことが現地情報画面から理解出来たということだ。災害対策・・・とくに地震対策が遅々として進んでいないもどかしさを感じた次第。
 さらに言えば、いったい耐震補強がこれほどまでの揺れに対して、どれほどの効果があるのだろうかというもどかしさもある。

 とくに、古い民家に手を加えているという事実が少ないようだし、庁舎にしても崩壊同然の宇土市役所は築50年とは言うものの、耐震補強をしているようには見受けない。逆に最大の被災地である益城町役場は、補強の姿がはっきりとわかるので、若干の本体と別躯体との剥離は見えるものの、立ち姿はしっかりしている様子がうかがえる。

 ともかく、地震がおさまらなければ何も手が付けられず、ただただ現状の生活を最低限という範囲で維持することしかない。極寒の季節を過ぎてはいるものの、乳幼児や高齢者にとって心配な状況が続く。
 発生後に現地社会福祉協議会から発信されたボランティア募集もしばらく回避してほしいと現地情報が変わった。
 遅々として進まない基本地震対策ももどかしいが、想いを馳せることしか出来ず、遠くから見守るだけの状況ももどかしい。

 話は変わるが、今朝のTBS時事放談に民主党政権時の幹事長だった仙谷由人氏が出ていた。漁船体当たり中国船の船長を取り調べもせずに早期送還の方向を示し、憲法論議においては自衛隊を「暴力装置」と評した人物だ。政治家としては過去の人間だと思うが、こうした与党野党にかかわらず古い政治家をご意見番として登場させる意義がどこにあるのかと最近強く感じる。選ぶにしてもほどがある。御厨さんはいったい視聴者に何を訴えたい評論家なのかと思う。

 皮肉なことに、番組が終わった直後のニュースで、自衛隊の九州派遣人数を2万人から2万5千人に増強するという中谷防衛大臣の意向が伝えられた。
 現政権の対策論議の緊急性と決断力の早さが感じられる。

 最近知ったことだが、左翼活動家がある災害時に「カレーライスは住民の手で、迷彩服は学校にこないで」という内容の垂れ幕を学校門前でかざし、ビラまで配っていたそうだ。被災現地の被災者たちの目の前で、イデオロギー活動に時間を費やす精神がわからない。まさに仙谷氏の発言に共通するものがある。

 こうした異常性は、国を守る、国民を守るという根本精神を喪失しているとしか感じられない。
 大きい小さいの違いはあるものの、地方レベルでも政治を司る人々に、自己利益、自己保身の精神が先んじている現実があることを否定できない。
 余談が過ぎました。