議員、政治家が一般市民から好ましく思われない見方をされる対象のトップは活動の対費用効果だと、私自身の経験値で感じている。なにより、基本的に議員報酬が多いと感じている有権者が圧倒的に多いだろう。
身近なところでは、しっかり頑張って活動してくれる人なら報酬を高くしてもいいとは想うけど・・・と言う人もいる。たしかに、市町村によっては議員報酬だけでは生活出来ないのは確かなところなので、若い人の政治参加には有難い考え方だが、なにしろ地方財政はそれを許せる実態にない。
私は、今思えば政治に無意識ながらも関心はあった。しかし、13年前までは自分が議員になど考えもしなかった。だからというのもおかしな話だが、県や市町村の議員の報酬には関心もなかったし、国会議員についても、幾ら貰っていて、どういった報酬システムになっているのかなど興味もなかった。だから、今たびたび問題になる政務活動費なる項目についても、それがあること自体知らなかった。
バブルがはじけて、政治が経済復興に力を発揮できなくなった状況が続く中、国民生活が我慢を強いられる状況となり、政治家個々の言動がマスコミを通じてスキャンダル的対象となる確率が高くなっていった。
また、リタイア組が増えて年金が話題に多くあがるようになり、それとの比較と資質不足の議員が目立つようになってきて、議員報酬が槍玉にあがることが多くなった。
とにかく、様々なことがリンクして、議員報酬が批判の対象になっていったことは間違いない。
それにより、お粗末な政治家がこうもいるのかといった感じで政治家の実像が浮き彫りになり、いまの政治不信が日常的に広がっていったと、私は感じている。不安定な政治の長期化にあって、政党間、議員間の言葉の揚げ足取りも国民のため息を誘う三文芝居的場面を多くしつらえた。
さて、東京都知事の舛添さんの海外主張費が話題に挙がっている。
昨年の10月27日から5泊7日で出かけたロンドン・パリ出張に要した費用が、5,042万円だったというのだ。随行職員含めて総勢20名ということなので、1人あたり252万円という計算になる。
私が知る範囲で、こうまでかかるのにはいろいろなことが考えられるが、それにしてもなかなかここまでは届くものではない。
舛添さんは2020年に向けて都市外交が必要だとして、来年度予算に3億3500万円の海外出張費を予算化しているという。海外視察とは言いながら実態は旅行ではないのかということのないように願うが・・・。
5泊7日の視察や外交内容がどういうものかはわからないが、これまで、多くは議員が対象となってマスコミに取り上げられた海外出張費や政務活動費問題との比較において、マスコミも都民も黙っているとしたら、今後、この種の多くは許されることになるだろう。知事だからいいというわけではないと思う。