久喜総合病院の身売りは、九州のカマチグループが名乗りをあげた。医療グループは安定的な医師の確保が売りだそうで、この点は評価に値するし、期待できるところかと思う。ただ、このグループは介護・リハビリを重点にした運営に力を入れているという話もある。
このカマチグループのトップは蒲池真澄氏といい、九州大学医学部卒の75歳で、今や九州医療界の怪物だという。東京進出を数年前から計画し、東京一のファッションタウン原宿にリハビリテーション病院をオープンして時の人にもなっている。
そして余談に近いが、政治家になった子供がいるようだ。今は故人となったが、堀江メール事件で勇み足をし、議員辞職から自殺へと数奇な運命を背負った、あの永田議員である。ただし、実子かどうかは不明だ。
医師と政治の結びつきは医師会政治連盟が強力な政治団体でもあるところから、その絆は深いものがある。この蒲池氏もそういう意味では、身内が政治家になるにあたり、資金的な援助を当然していると考えられるので、政界との関係は知る人ぞ知るといった面があるやもしれぬ。
それはそれとして、要するに、私たち地域住民にとって何が大切かというと、新しく生まれ変わる病院がいろいろな意味でリフレッシュし、明るい開かれた病院経営に励んでくれるかどうかなのだ。
JA厚生連は、久喜だけでなく熊谷厚生連病院も北海道の医療法人に身売りした。北と南に振り分けた格好だが、どうしてこういう結果になったのかも、街での会話によく出る話だ。
さて、写真は№2703で書いた仮称「白崎ハートクリニック」を写したものだ。撮影場所は「アリオ」の屋上。後方に見えるグレーの建物が久喜総合病院である。個人クリニックとは思えないほどの規模であることがお分かりいただけると思うが、この白崎クリニックを開院する白崎泰隆院長は昨年3月まで久喜総合病院の第一診療部長という要職にあり、昨年4月からは東埼玉総合病院に勤務された先生だ。まさに久喜総合病院からすれば足元も足元ということになる。
聞くところでは、当該地域で診療をされた先生が、自らが新病院を立ち上げる場合、そのエリア内での開院はしないという不文律があるというが、この場合、久喜総合病院が白崎氏とは縁のない経営に代替わりするのだから、不文律は不問ということになるのだろうか。もっとも、たとえ不文律があろうが、やはり近い所に心臓循環器系の専門病院ができるというのは、私たちにとって期待以外に何を感じようか。