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No.2706 どの人にも尊厳ある仕事を

2016.02.03

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 このタイトルに関することを書こうと思って画面に向かったはずなのに、清原逮捕に怒りが治まらず順序が逆になってしまった。

ファイル 611-1.jpg 昨日、幸手市にある障がい者支援施設様の紹介で、宮代にある「あかりワークス国納」という施設を訪問させていただいた。
 この施設は、特定非営利活動法人あかりが運営する事業所の一つで、次のような事業を行っている。

1.就労継続A型支援・・・・お菓子の袋詰め、オリジナル贈答品の制作
2.自立訓練・生活訓練・・・箱折り、箱のノリ貼り、ガラス・木工などアクセサリーの金具付など

 2年前に完成した清潔感あふれる施設内の二つの作業室では、計10名強の通いの障がい者が上記の作業をしていた。たとえば、お菓子の袋詰めを始めた頃は、日に200~500といった程度だったが、今では10,000という数を日々こなしているという。シーラーという接着用機材も使いこなしながら、黙々と作業している。箱に並べる作業も手馴れたものでかつ丁寧だ。
 隣では、箱の糊付けをおそらく健常者がやっても変わらないスピードで次々と仕上げている。そのすべてが立ち作業で、納期が間に合わない時は、休日出勤もあるという。そう、彼らは立派な給料取りなのだ。

 前々号でも書いたが、障がい児たちは気持ちが落ち着かず、集中力や持続性に欠ける面があるので、気持ちが萎えないように施設職員の皆さんが、知恵を絞りいろいろな工夫をしているという。とは言え、ここまで支援の成果が確実に上がっているということに目を奪われた。
 毎日の達成目標は個々に掲げるそうで、それが白版に書かれている。日記もあって、毎日の感想が丁寧に書かれている。意欲についての書き込みが素晴らしい。
 通所期間は2年間。満了を持って卒業という規則となっており、その後の一般社会への就労を目指して自分たちの可能性を高めているのだ。年齢は18歳から20代後半まで。

 「どの人にも尊厳ある仕事を」
「彼らはできる人、わかる人」

<あかりワークス運営理念>
 障がいを持っていても大人として自立して、生活していくことを目標にしています。やりがいのある仕事に就き、給与を得ることで、自分に自信を持ち、大人として自他ともに認められる存在として生きていくことを実現します。仕事が人を成長させることを信じて活動する就労施設です。

 こうした分野への政治の関わりが、より深まる新時代が来ていると強く感じた視察となった。  

No.2705 地に堕ちたヒーロー

2016.02.03

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 数分前からスマホのニュ-スコンテンツに速報が次々入っている。見ると、清原覚醒剤で逮捕の文字が踊っている。

 昨1日、12球団一斉にキャンプインという球春到来報道で爽やかさに包まれた矢先のこのニュース。根っからの野球人であるスーパーヒーロー清原がこれまでの名声を自らすべて消し去り、すべての野球ファンの夢を裏切った。
 好き嫌いも遠慮なく個人的感情を言わせてもらえば、噂が絶えなかった清原逮捕のこのタイミングは、警察も気が利かないと感じる・・・ものではなく、問題はやはり清原そのものにある。警察はかなり周到な捜査をしていたはずなのだ。
 1年以上前からマスコミにブラック有名人としてマークされていたにもかかわらず、薬を忌避することが出来なかった。制御の効かないほどのめり込んでいたことが露見してしまった。

 私は、もともと清原というアスリートには好感度が低かった。謙虚さと抑制心の足りない人間というのが私の評価であった。
 先日行われた名球会紅白戦で見た清原の異常に膨らんだ腹の印象は、家内も「なに、あのお腹!」と甲高い声を発したので今だに鮮明だ。出場選手は少なくないのに、ONの次にニュースアップされるのが不思議でならなかったが、考えてみればマスコミの清原好きは昔からだ。因縁の対決も多々あるのに、ことさら清原にこだわる面がある。それほど華のある選手だったことは認めるが、いつまでもとなると、それこそ最近の悪評でもわかる通り、子供たちに何ら好影響をもたらさない過去の人だと感じていた。
 今回の事件が社会に与える影響は小さくはないだろう。

 スポーツも芸能界も無理やり美談的取り扱いをする傾向がちょくちょくある。清原プロ入りの際のドラフトのいきさつから、巨人相手の日本シリーズで優勝決定直前にグランドで泣き出したこともそうした一つの例だと思っている。涙は美談になりやすい。
 今回の逮捕もそうだが、清原自身の人間的未熟さが感じられてならない。若くして銀座やミナミで豪遊し、フェラーリ等スーパーカーを乗り換える生活の中で、いつの間にか番長というニックネームが付き、自らもそれを謳歌するかのような巨人時代を過ごす。身体を絞るといった努力をどれほどしていたかも疑問の域を出ない。そして家庭も崩壊し、金が便りの日常が倫理道徳の心までも蝕んでいった。

 清原の永遠のライバルと言われる桑田は、野球に取り組む精神は他の模範でもあった。ほとんど難しい状況においてメジャー入りを実現し、最近では指導者目指してテストを受け、確か今はアマチュアの世界に身を置いているはずである。
 一時代を牽引したスーパースターが、どうにも暗いニュースを提供してくれたものだ。私の勝手な推測だが、薬漬けはかなり進行していると思う。明日からのワイド番組の大騒ぎが始まると思うと、気持ちが冷え込んでしまうが、ここはとにかく、清原だけのことで済んでもらいたいと願うばかり。そしてキャンプ地の冷静な対応がなによりだ。少なくとも、選手たちにこの事件の感想をインタビューするといったことなどやめてもらいたいと心から思う。