平和安全法制は思わぬ波紋を呼んでいる。
すでにご承知のことと思うが、よくよく考えるにつけ、驚愕すべき実態が京都の同志社大学で発生したことに疑問を禁じえない。
同大学の学長選挙で、現職の村田学長が安保法制賛成論者として与党の推薦で特別公聴会に出席したことを批判材料とされ、わずか1期で新人候補の松岡氏に破れたというのだ。
選挙は教職員約930人の投票によるものだが、私が恐ろしい事実だと感じるのは、その投票内容が公にされていないことだ。
これは第三途上国や紛争状態の国の選挙と変わらない。選挙に秘密選挙など有り得ないし、松岡氏を担ぎ上げ村田氏を批判していた教職員は、報道によるとわずか90名なのだ。学校運営の、しかも公正さを最も重んじるべき学長選挙で不正が行われたのではないかと勘ぐりたくもなるではないか。
村田氏はアメリか外交、安全保障政策論を専門としており、産経新聞「正論」の執筆者である。私も何回か読ませていただいたことがある。対中国外交において、日米安保強化は当然といった論説を展開している。
イデオロギーは個人の自由である。しかし、今回の問題は大学の一部が選挙において思想的に偏向的批判を展開して、学長を更迭したも同然だ。
まるで、同志社大学に教職員シールズが存在しているような左翼的運動を公然と行ったということである。こんなことがあっていいはずがない。
この同志社シールズが行った村田批判の内容は詳しく報道されているが、まさに左翼の論調そのものだ。
山梨の高校で「安倍政治を許さない!」といったポスターを校内の掲示板に貼った行為に対し、校長が問題指摘したものの、逆にくってかかる女性教諭がいたという事実もある。
教育現場の荒廃は、地域特性を有しながら徐々に進んでいるように感じるが、京都市という土地柄も、日本人なら誰もが好きな街なのだが、政治的には昔から左翼リベラルがしっかり根付いた街だと言われている。
しかし、同志社大学が今回、学内選挙にイデオロギー闘争を持ち込んだ事件は、社会に与える影響は大きいはずである。より具体的には在校生や受験生に与える影響が少なくないし、同大学が偏った思想の温床大学に変質していく可能性も無きにしも非ず。
同大学のイメージダウンはもちろん、これにより、全国の大学にもこうした風潮が増長してくる可能性は指摘するに充分な気がしてならない。
とにかく、選挙結果は公開すべきである。