記事一覧

No.2491 宮代特別支援学校視察

2014.04.20

アイコン

 視察先紹介その2
 15日の圏央道視察に続いて、今回は宮代にある特別支援学校を視察。
 事前に教育委員会担当に連絡を入れて、一人での視察となった。発達障害、知的障害、肢体障害などを持ちながらも元気に生きる子供たちは少なくないが、こうした子供たちを受け入れる特別支援学校を埼玉県では各地に配置している。
 宮代特別支援学校では遠くは加須、羽生、さいたま市(岩槻区)などからも通う生徒がおり、現在小学1年から高校3年まで121人の生徒を受け入れている。幸手市からは10人で、もっとも多いのが春日部市からの40名。久喜市23名、さいたま市19名、加須13名などとなっている。
 同校は肢体障害児が対象で、知的障害を対象とした支援学校としては近隣では久喜市に配置されている。

ファイル 393-1.jpg 本校では、障害の状況に対応する形で4つの教育課程に分類してカリキュラムができている。教師の数は104名ということで、生徒一人に対して教師一人体制といった状況である。これは視察時に感じたことだが、こうした学校の特徴だとは思うが、介護的要素も必要とする教師の苦労と工夫、明るさと笑顔という観点では、普通学校の比ではないことがわかる。情熱と奉仕の精神が為せることだとは思うが、本当に頭が下がる。
 障害を持つ子供たちだからといって、憐憫の情を多くすることはけっして良いことではないと思うが、実はこちらのほうが元気をもらい、癒されることが多いように感じる。「生きる」「学ぶ」といったことへの強い信念は、親御さんをはじめ、周囲のご苦労があってのことでもあろうが、なにより本人たちの意識が尊い。
 この4月はかなりの人事異動があったようで、ある教室に入った際、一人の子供が白板に何かを書いていた。すぐには読み取れない文字を同行していただいた小澤教頭が、異動になった先生が明日の離任式にやってくるのを楽しみにしているという内容だと教えてくれた。少し涙腺が緩んでしまった。

ファイル 393-2.jpg この学校ならではのことをいくつか。通学ではスクールバスが全部で8路線運用されている。校舎に直結してバスターミナルがあり、校舎床からバリアフリーで車椅子のまま乗り込めるように、バスが床面より1メートル近く低い位置に停車するように造られている。もちろんバスそのものが特殊構造となっている。そして、この8路線対象外(加須、羽生は学校通学区対象地域外)の生徒は、久喜市鷲宮支所まで親が送迎して、そこでバスに乗り換えるというリレー方式で対処している。

ファイル 393-3.jpg ファイル 393-4.jpg写真でご覧いただく車椅子、実はほぼすべての生徒がそれぞれの体型に合わせて「あつらえる」というものだというので驚いたが、とくに座面、背面、下肢部など入念な採寸によって出来上がっていることがおわかりいただけるだろうか。補助金制度はあるものの製造料金もかなりのものだという。
特殊シューズは、変形歩行を防ぐ目的で使用されるそうだ。

ファイル 393-5.jpg 小林伸子校長、小澤嘉昭教頭、有賀弘一教頭の皆さん、長時間にわたり、ご丁寧な説明と校内視察の立ち会っていただき感謝申し上げます。今後も一層のご尽力をお願いしたいと思います。
 

No.2490 圏央道工事現場視察

2014.04.20

 先週、大変有意義な視察を県内2か所でおこなった。写真を掲載する関係でそれぞれ号を分けてご紹介したいと思う。

 で、15日は圏央道整備推進議連のメンバーで最も急ピッチで工事が行われている桶川地域の現場視察をさせてもらった。
 県内、高崎線と国道17号の2か所では、圏央道がアンダーパス化されることは以前にも紹介したと思うが、昨年は高崎線現場を視て、今回は17号のアンダーパス工事を視察した。
ファイル 392-1.jpg ハーモニカ工法という短期集中を目的とした特殊工法は日本の土木工事の先端をいくもので、とくに驚かされたことは、地下を直径2mのシーリングマシーンを4機並べて掘削することで、上部が盛り上がることが多分に予測されるのだが、上部はもちろん交通量の多い国道なので、その盛り上がりを防がなければならない。進む速度を上げれば盛り上がる可能性が高くなり、遅ければ工期短縮がままならない、といったことは素人でも理解できるところだが、なんとその確認精度が10㍉レベルで調整しながら行っているというのだ。
ファイル 392-2.jpg だいたい、私の頭脳構造では、両側から掘削してきたトンネルがどうしてピタリと貫通するのか?と不思議に思うレベルであるから、大工事現場で10㍉以上にならないようにチェックしながら進捗しているというのはサプライズに近いことだ。

ファイル 392-3.jpg さて、続いて視察したのは桶川加納地区の路面工事。ここではバタフライウェッジ工法という、これまで見たことのない工法を確認させたもらった。これも、来年3月の開通を実現するための工期短縮と、資材が約3割節約できるというもの。一言でいえば路面の下部中央は空洞で、側面は厚さ15㎝の特殊コンクリートで立ち上げている。それは左右側面がワンセットで工場で造られ、夜中に特殊車両で運ばれて、数メートルづつセットされ、連結はインターロック方式でつながっていくというもの。路面はその後に防水やら8センチの路面敷設といった内容で進められていくというものだ。
ファイル 392-4.jpg なかなか文字説明でご理解いただくのは難しいとは思うが、幸手地区で見られる側面とはまったく異なる外観となっている。

ファイル 392-5.jpg いずれにしても、従来工法にこだわることなく、常に工法開発を心がけ、新たな技術を展開する日本の建築イノベーションを、こうした視察で確認理解させていただけることは幸せなことだと感じる次第。
 利用料金は無料ではないのだが、こうした技術で成り立つ高速道を走れることに対して感謝の念を持つことは無駄なことではないと思う視察であった。