文科省が2015年度から使用する小学校教科書の検定結果を発表。その内容および特徴は、とくに次の3点に絞られる。
◆長く続いた「ゆとり教育」への批判が社会的に盛り上がる中、約3割程度の割合でページ数が増えている。
◆歴史捏造問題はともかく(これももちろん大切なのだが)領土問題について、竹島、尖閣は日本固有の領土との記述がなされた。
◆東日本大震災に関する記述が詳細にわたっている。
大震災に関係するものは、ここではおいておくこととして・・・。他の2点では、これを知るや、さっそく中韓が噛みついた。
「これ以上の挑発行為はすぐにやめるよう忠告する」
「歴史を歪曲する日本の主張に断固抗議する」
「もともと我が国(中国)の領土であったものを日本が侵略し、盗み取った尖閣諸島についての挑発は、危険な領域に入ったと認識する」
といったようなものだが、これに対する日本の反応が少々おとなしい。
菅官房長官曰く「当たり前のことを普通に言っているだけで、今後も丁寧に説明していくしかない」丁寧に説明していくというのは、断続的にしか情報が伝聞されず、正しい認識への理解が及びにくく、必ずしも日本びいきばかりとは言えない世界に向けて、安倍総理もよく口にする言葉。これはこれで国際世論に対して通用するものと思っているのだろう。がしかし、「挑発しているのはどちらだろうか」という程度のものは前文に加えて欲しいと感じないではない。
実際に、勝手に実行支配し、大統領が上陸する暴挙を犯したのは? 頻繁に空から、海から領域侵入をしては海上自衛隊に追い払われているのは? 挑発自体が主客転倒しているのが実情ではないか!
外交上の言葉は巧みさを必要とする。それはどちらの主張が「らしく」聞こえるかという点において、世界の判断を自国有利に導くためにそれなりの言い回しはあるはずだ。
今回の内容を英語に翻訳されたらどのような言い回しになるのか、それは英語圏の人たちが聞くとどのような判断になりやすいか?
ロビー活動という長期緻密戦略に長けた中韓との比較では、一歩も二歩も日本は劣っている。官房長官の政治家らしく感じない、ひょうひょうとした発言は悪くはないのだが、中韓はいずれこの領土は我が手中に入ると虎視眈々としている状況は間違いない。それに対する日本的手法はどうあるべきか。しっかり検討するべきだろうと感じている。
中韓の日本に関する教科書記述に日本が抗議したと聞いたことがない。そのひどさについては、まさに歴史歪曲どころか現代事情さえも正しく伝えていない。こうした傾向は、とくにこの2国に見られるだけで、他の東南アジア諸国は押しなべて日本に友好的だ。なんとも歯がゆくてならない!