議会運営委員会では、このたび福島県を視察訪問いたしました。訪問先は福島県議会といわき市久の浜地区です。
福島県全体に関わる内容については、知られていない実態も多く、後日ご案内したいと思いますが、津波被害の傷跡が大きく残るいわき市について少し報告したいと思います。
津波被害というと、宮城県、岩手県がクローズアップされることが多く、福島県は原発に関わる被害のイメージがことさらに強調されているようです。しかし、福島の津波被害も相当なものであり、しかも復興などまだまだ先だということを知らされ、愕然としました。
この久の浜地区では商店街がまとめて消失するという被害を受け、近くの小学校の敷地内にプレハブの簡易商店街をオープンさせています。この商店街は浜風商店街としてテレビでも紹介されたと記憶しています。
上段=延焼火災で多くの家屋が消失した地区。イチョウの木が当時の状況を伝えていました。このイチョウの木があったお宅の奥様という方が、浜風商店街で販売のお手伝いをされていて、少しお話を伺うことができました。イチョウの木は60年以上ここに立ち続けたていたものだそうです。
中段=海岸に近い被災住宅街。2日に一度はこの地に出向いて花を手向けているという老婦人に会いましたが、「命を落とされた方々が成仏しない限り本当に復興したとは思えません」と静かに語る姿に言葉は出ませんでした。
下段=海際に飾られた鎮魂の手造り祭壇で、その向こうに津波で運ばれたテトラポットが今でもそのまま放置されていました。
周辺には新しい戸建が出来始めていますが、被災地自体は区画整理をして販売整備をする計画が考えられているそうです。出来るところから手を付けているという感じなのでしょうが、1年7ヶ月経過していることを思うと、あらためてこの大震災の驚異を思い知らされました。
17兆円という巨額を積み上げた復興予算が、どうして北海道から沖縄まで全国各地で流用されているのか不思議さと怒りをおぼえますし、多くの国民が復興を祈願して寄付した日赤支援金が、海外援助の目的で使途されているという話にもおかしいぞ!という思いがわいてきます。こうしたことは、事実をあきからかにして国民に伝える義務があると思いますが・・・。