記事一覧

No.2176 連合も愛想をつかす?

2012.04.30

 連合の古賀会長がとうとう民主党政治に愛想をつかした。
 しかし、これには裏があるように思えてならない。主旨はこうだ。
「新しい政治の幕開けに期待した熱い思いは残念ながら冷め、失望や落胆に変わった」
 こう古賀会長は語った。時は4月28日のメーデーという労組系の大イベントでのことだが、2日前の26日には小沢氏無罪の判決が出たタイミングでもある。小沢氏と古賀さんの蜜月ぶりは有名な話であるから、いくらメーデーの場だと言っても、なにやらきな臭いと感じるのは私だけではないはずだ。このタイミングであれば、判決のことに触れる言葉が出ても不思議ではない。失望はすでに多くの国民が感じていることであるとすれば、失望とはむしろ判決に対して向ける言葉だと感じられるのだが古賀さんはそうではない。
 しかし、民主党政権誕生に一役かったのは誰あろう古賀さん率いる連合という大組織だ。そういう意味では責任の一端を持つ連合会長が公に発言する言葉として適切なのかどうか。これはあくまでも現野田内閣に対する痛烈なアジテートを小沢判決直後にあてつけたと考えられなくはない。

 前述の発言に続いてこうも語っている。
「威勢の良い主張を掲げて、敵を作って民意をあおる政治手法は長続きしない」これは何を指すか微妙な感じがするところだが、新聞も伝えているとおり、橋下維新の会や石原新党の動きを対象としていることと理解できる。

 つまり冒頭の言葉で野田さんに冷水を浴びせ、後談で次期選挙の台風の目となる一連の動きに警鐘を鳴らし、連合の姿勢と一致団結を何かを対象にあおっているように思えないだろうか。何かとは・・・もちろん小沢氏への後方支援に聞こえてならないのだ。私の早とちりであればいいのだが。
 ただ、私の推測があたっているとすれば、古賀会長も相当なしたたかさをもった方だ。もっともそういった方が連合のリーダーに選ばれるのは至極自然のことであり、政治家以上の力を持ち、政治に影響力を持つ民間人の一人と言える。

No.2175 小沢無罪と日本の政治の今後

2012.04.30

 小沢氏無罪、それにより消費増税は無くなるといった次元の異なる話を、まるで直接関係あるかのごとく報じるメディア・・・まさに国政を憂う状況が深まったことは間違いない。ギリシャのように落ちるところまで落ちないと有権者もわからないのだろうか?

 今朝の時事放談で同志社大教授の浜のり子氏が「ここまでひどい政治状況に海外移住も考えている」といったことを言っていたが、この一時避難の気持ちよーく理解できる。
 「早い時期に戦闘モードに入る」「総理大臣になってもらいたい」と倫理観の無さを口にするグループ幹部はもちろんのこと、鳩山、輿石、松木、谷、鈴木宗、川内各氏の浪花節的論調を聞くにおよんで、いったいどこに政治の正義があるのだろうかと強烈に思う。涙をボロボロ流す議員がいるのは異常とさえ感じる。政治は社会良識の模範ではないのか!
それどころか、金がかかる政治の世界では良貨は悪貨に駆逐されてしまうのだと言ってもよいかもしれない。

 
 2年半前の選挙戦で、自民党の膿みが噴き出したタイミングと相まって、出来もしないマニフェストにすっかり騙された思いを、まさか国民が自ら風化させてしまうとは思えない。がしかし、またまたタミングは消費増税を政権がぶち上げている時で、あげて欲しくない国民からしてみると、小沢氏無罪判決がまるで救世主のように思えてしまう可能性すらある。
 まったくもって混同もいいところだが、そのような報じ方をするメディアも大いに問題がある。

 選挙にただただ勝って、政権を得ていれば政治家個人にとっていいことがあるという考え方が、今の日本の国政の主流を占めていて、その権現が小沢一郎という稀代のエセ・リーダーなのだろう。
 そのためにはまさにポピュリズム・マニフェストを展開し、国民を喜ばせる選挙手法に徹し、表面的な理解しかしていない、またはできない有権者を人質にとる作戦だ。ひどい政治が罷り通るものだ。地方政治では数年前に数人の知事の収賄事件が起こったが、金をめぐるどろどろした世界は国政の独壇場だと私は思っている。いや、すくなくとも額の規模では大人と子供のはずだ。
 
 政治資金規制法は司法の判断以上の、あるいは別の観点での倫理観が求められる法律だと思うが、政治のならず者たちには、そんなことはどこ吹く風なのだろう。