復興への最大の難関になっているガレキ受け入れだが、ここにきて茨城、愛知と表明する県が相次いできた。
私自身、昨年の一般質問で「ガレキ受け入れ」について上田知事に早期決定への見解を求めたこともあって、この問題については最大の関心事となっているので、喜ばしいことは喜ばしいが、いかんせん遅かったということに対して忸怩たる思いがある。
10日ほど前のことになるが、野田首相はこう発言した。
「ガレキ受け入れについては、国が一歩も二歩も前にでなければいけない」
私はこれを聞いて、「今頃何言ってるのか!」と怒りに近いものを感じた。
原発問題とのからみで、選挙で選ばれる首相も自治体トップも簡単には対応しにくかった問題だと理解はするが、東京都知事は昨年の8月に表明していたのだ。上田知事は私の質問に同感であり、検討すると答弁し、12月議会で正式に表明した。
野田首相の先の発言は発生から1年経過した時点でのものだ。もっとタイミング的確な対応をしていたならば、どうなっていただろうか。まさにリーダーシップの評価として高い点数はあげられない。
増税国会にあって、他の事案になかなか目が向かない傾向の首相だが、TPPで昨日こんな発言をした。
「TPPはビートルズみたいなものだ。日本はポールでアメリカはジョンレノンだ。だから両国がTPPに揃って美しいハーモニーを奏でる必要がある」
どうだろう? 中年受けする引用かもしれないが、これって日米関係の基本を考察すれば、すべてに通じるものだ。なにもTPPだけにあてはまる引用ではない。
この人の演説には、「言葉が遊ぶ」「言葉が踊る」という感じがするのだが、それは現代マスコミの在り方を上手に利用する言葉のマジックを意識した野田流アジテートなのかもしれない。