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No.3078 稀勢の里無念の引退を惜しんで

2019.01.16

 8:45ニュース速報「稀勢の里引退で田子の浦親方会見」インタビューに答えながら涙ぐむ親方の姿が印象的でした。
 これまでに書いてきたスポーツ関連ブログの中でも際立って無念残念の思いの強い稀勢の里の引退。深夜のスポーツニュースで取り組みを見ましたが、負けた後、2度うなずく素振りを見せた横綱。何を思ったのか、何がよぎったのか。あのうなずきに引退の決意を感じました。
 綱をしめて2年、日馬富士戦での胸部打撲にもかかわらず、横綱昇進直後の29年春場所で大関照ノ富士との決定戦に勝ち、涙の優勝劇を果たした時は、彼の完全復活の期待を感じさせました。しかし、その後今場所までの11場所の全成績は23勝33敗102休。残念ながら歴代横綱の最低勝率と連敗記録が残り、優勝もわずか2回という成績です。綱を得た時、これで稀勢の里時代到来かと相撲ファンを小躍りさせたのも短い期間となりました。
 本人が口にすることはないでしょうが、とにかく悔やまれるのはあの日馬富士戦でした。涙の照ノ富士戦もあってか、その後、体調復帰に向けて休む機会と期間が中途半端なまま出場を続けた結果が途中休場の連続でした。しかし、これも横綱としての立場を思う彼の責任感がもたらすものだったのでしょう。
 3人のモンゴル横綱に敢然と立ち向かった力士として記憶に残る稀勢の里。この初場所を乗り切って華やかな春を迎えることは叶いませんでしたが、諸問題で苦しんだ角界を支えた功績を称えるファンが多いことは間違いありません。お疲れ様でした。