毎月届く「広報さって」は、市民のどなたも貴重な行政情報誌という評価で見ていることと思います。特に定例の人口と世帯動向について関心が高いことは、市民と会話するたびに感じることです。
今月号では人口38名減でとうとう51,500を割りましたが、反面、世帯は30近く増えているという状況です。ここ数年の傾向ですが、人口は減るが世帯は増えるという現象が続いています。有効な土地利用は地域発展の原点という考え方もありますが、優良農振地域の多い幸手市で年々農地が減少していることも疑いのない事実です。土地不動産関連業界が事業継続していくためには、土地の住宅利用は欠かせませんが、本下水やガスラインなどインフラ整備が遅れている幸手市にあって、ガレージが3台分もあるような90坪単位の戸建て住居が増えることがはたしてどうかは評価の難しいところです。雨水を吸水する土地が徐々にアスファルトやコンクリートに姿を変えていくのは問題無いと言い切れるものかどうか。
人口についてですが、幸手市の人口統計上、4万人到達が1974年7月の第一次オイルショック発生後間もなくの頃。5万人に達したのは1981年10月で、この間の1万人増加まで7年3ヵ月かかっています。町から市に転換するために架空の人口で申請したとかいう過去を耳にしたりもしますが、そのまま5万人に達し無かったら大変だったでしょうね。しかし、ひとまずそこには到達したことでほっとしたことでしょう。
その後、幸手市の人口は増えていき、1996年3月に58,574人となり、これが幸手市の過去最高の人口数となっています。5万人到達から14年5カ月という期間が経過した結果です。
この最高人口数から22年経過した今はどうか・・・約7,100人減少した結果、51,140人ほどというところまでになりました。とすると近い将来5万人を割り、市昇格条件を失うことになります。それは5年後か10年後か・・・。もっとも、昇格時の条件を失くしても北海道などではそうした自治体が市のまま存続しています。
考えるべきは、人口は自治体の活力に直結しているということです。働く人が減り、運営原資の税収が減るということは、街の変貌を構想することが不可能になります。せいぜい体裁を保つことが精いっぱいで、それすらも困難になりかねません。そのための施策はどこの自治体も考えていることですが、目立つ良策が無いと言ってもいい状況です。幸手市では議員提案がきっかけで婚活という男女の出会いの場を市主催で開催するチラシが12月広報に入ってましたが、はたして効果のほどはと言ったところです。気の長い話と考えずに地道な努力が必要とは思いますが、さて・・・