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No.3055 消えたはずの政治家の謀議

2018.11.11

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 消費税や外交上の議論が進まず、相も変わらず大臣の首獲りに邁進する国会論戦。あきあき辟易といった思いがしてならない。委員会室がまるで取調べ室のようではないか。
 地方が沈みかけているにもかかわらず、地方創生論議をするでなく、同大臣のスキャンダル追及に明け暮れている。片山さつき大臣の疑惑は確かに明朗ではないが、辞めさせて新大臣に代わって、はたして合意納得の上で国家国民のための議論が進むとも思えない。任命者の責任が問われるのか、当の大臣が悪いのか、本質を脇に置く野党が無責任なのか・・・現野党の国民支持率は大臣の首を獲ったからといってさほど上がることもないだろうし、与党の支持率が若干低下するぐらいのことではないかと思う。なぜなら、国民はあの民主党による魔の3年3ヵ月を忘れてはいないからだ。外交も経済も低下し、なにより国家の威信を貶めた政権にこりごりしているのが現実である。
 年金処理の不始末の責任をすべてかぶせる形で国民は自民党にお灸を据えたが、革新リベラル政権は政権運営そのものにお灸を据えられ、その復活は悪夢の再現と感じている国民はまだ相当数いるものと思う。自民党にどことなく嫌悪感を持つ国民も、政治的というよりは人情的判官びいき感覚なのだが、肝心のひいきしたい野党がいないというのが日本の政治の実情ではないだろうか。
 そうした政治環境にあって、そぞろお出ましになられた政治家が3人、都内のホテルで会合を持ったことが報道されている。声掛けは前原誠司氏、あとは小沢一郎氏と橋下徹氏。ほほー今頃なんだ?といったメンバーである。
 橋本さんを除く二人は現職とはいえ国政の表舞台から消えた人。小沢氏は一昨年の選挙で息絶え絶え状態に陥った様子だったが、沖縄知事選でかすかに生きていることを知らしめ、復活の気配を漂わせている。まるで起き上がり小法師の様な人だ。前原氏は党首として究極の選択をしたものの、民主党の破滅を招き、多くの逃亡議員を生んだ元凶となった。橋本さんは政治家としての復帰はないと明言しているが、この世界は何でもありということで、それを信じている国民は少ないはずである。「政権奪取論」という書も、タイトルからして地方政治の頂点に立った経験を持つ橋本氏の思いが書かせたものと考えるのが自然である。ならば、国政の頂点に立たせてあげようとでも小沢氏に吹き込まれたかどうか。小沢氏ならやりかねない。まずは、その前段として橋下氏に来年夏の参議院選への出馬を促したか、それとも憲法改正や消費税増税に絡めて解散同時選挙に持ち込む戦略の密談であったか。
 三国志演義の桃園の儀よろしく義兄弟の契りを結び、ともに戦うことを誓ったか、それとも薩長同盟に国民が持つ正義のイメージを結び付けて国政奪取をシナリオ化する謀議であったか。実は、声掛けは前原氏ではなく小沢氏が前原氏に持ち掛けたというのがこの会合の実態ではないかと推測するが、はたして真実はいかに。
 強気な口達者でなる橋下さんはトランプに重なる部分もあり、同タイプの元首が各国で実現していることから、マスコミが話題性を高める役割を発揮すると橋下野党に浮動票が大きくうねる可能性は十分考えられる。それが日本の未来にとってどうなるのかも含めて、謀議の中身は神のみぞ知るである。