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No.3029 「山がずり落ちてきた」

2018.09.07

 ラジオを聴いていたら飛び込んできた被害者の悲痛な言葉。それがタイトルに掲げた「山がずり落ちてきた」だった。老齢の女性らしき人が語る恐怖の言葉は、テレビでも見ていた光景と同様の光景を今朝の新聞一面の写真を見て理解できた。広大な山岳地帯が凄まじいほどに全域でえぐれている。火山灰地特有の現象との分析もあるが、直前の台風による雨の影響もゼロではなかったかもしれない。
 西日本豪雨は222人の犠牲者と、いまだ10名の不明者がいる。今回、北海道胆振東部地震と名付けられた地震では9名の死者と29名の不明者という段階で、人的被害は西日本豪雨災害ほどには至っていないが、見るからに倒壊家屋や道路陥没、液状化の激しさがインフラ崩壊につながる。斜めに傾いた家屋は倒壊と同じと考えるしかない。通常の生活状態に戻るのにはかなりの時間と国費の投入が必要となるだろう。
 まだまだ西日本豪雨災害でも避難生活をおくっている方が1500人もいる。自然災害が連続的に多発する昨今の尋常とは思えない事態は、大災害を想定した予防的国家体制を早期に構築する必要を感じる。災害が発生するたびに厳しい生活を余儀なくされる被災者の多くは、体育館などでの仕切り間生活での長引く避難生活に心身が疲弊する。高齢者にとっては命にかかわる究極の未体験ゾーンと言ってもおかしくない。自衛隊の皆さんの奮闘無くして被災者の支援体制は考えられない。その自衛隊員は戦争につながるイメージだと評されることで憲法に身分が規定されずにいる。災害支援救助に一列歩行する自衛隊員の手に握られているのは銃ではなくスコップだ。
 かように、災害が発生するたびにいろいろなことが頭を巡る。自然はあまりにも過酷な試練を人類に与えすぎではないか。
 亡くなられた方には慎んでご冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の皆さまに心からお見舞いを申し上げます。相手が自然とはいえ、これだけ日本のあちこちで発生する状況にくやしいという思いとどうしたらいいんだという思いがこみ上げてきます。
 今回、亡くなられた原因の一つに、倒れて来たタンスに押しつぶされた方がいらっしゃったという。少なくとも、語られ尽くした感のあるこうした危険への対応はしておこうではありませんか。