◆文科省局長受託収賄・・・お粗末としか言いようがない親心のなれの果てであり、国費執行者の立場を利用した不正入学のススメ?が、この時代に堂々とまかり通っていたことに驚愕する。親が自己資金で子息の合格を買うパターンではなく、トップ官僚が国費という税金で息子の入学を買った事実はそうそうあるものではない?・・・と考えてはみるものの、今回の事件でこの手法による不正入学は十分有り得るぞと感じたのは小生だけではないと思う。人間性の問題というだけで簡単に片づけられない複雑な思いだ。迂回献金や贈収賄といった金にまつわる事件は後を絶たないが、この馬鹿親による不正は、息子の受験年限に合わせて大学への支援取消や支援決定を操作し、大学側の意向をもてあそんだ可能性もある。と考えると、質の悪さでは抜きん出ている。この手法だと家族も知らない可能性があるが、とくに子ども本人はこの不正を事前に知らされてなっかたとしたら、本人も被害者と言える。
◆東京医科大学、入学と補助金を取引・・・3,535人の受験者に対して214人の合格者、およそ16倍近い難関大学。受験したすべての学生はもちろんのこと、合格者にとっても寝覚めの悪い事件となった。医科大学としてレベル向上を図るのとは逆のレベル低下につながる今回の不正合格は、一度はダメだしを受けた国費補助金を再度ぶら下げられた結果であり、世の中、金、かね、カネ・・・あまりにも明解かつ単純な話だが、国民にとって納得など出来るわけもない。税金が個人の思惑で動かされているという点に思い至らない大学・・・経営陣は即刻退陣すべきだ。
実は、この事実が明るみに出たのは内部告発との話もあるようで、こういう場合、テレビや小説の世界では告発者は冷たい仕打ちを受けた人物設定が多い。そして、その冷たい仕打ちには昇進昇格つまり出世物語が裏にある場合が多い。なにやら山崎豊子の白い巨塔を彷彿とさせる。
◆オウム事件の7人に死刑執行命令・・・1995年3月20日、すぐには理解できなかった地下鉄サリン事件だったが、事態が進むにつれて国中が震撼した記憶が今でも鮮明だ。それまでは、国政選挙に候補者を出すおふざけ陳腐集団というイメージだったが、徐々に危ない集団へと国民の意識に変化が生じていった。松本サリン、公証人殺人、坂本一家殺人などいくつかの事件が表沙汰になり、徐々に破壊組織の実態が報じられてはいたが、製造が難しいとされるサリンによる無差別大量殺人に接し、その日の朝、テレビにくぎ付けになった。日本赤軍、三原山噴火、日航機墜落といった事件の悲惨な現場を伝える画面に深夜まで見入ったのとは異質な感覚だった。執行が遅すぎたという意見が多くあるが小生も同感である。来年は現天皇陛下の退位により新天皇陛下が即位される年であり、以降元号が変わる。これが理由の一つであるならば上川法相単独の決断とは思えないが、命令を下したのは法相である。ともあれ、今回の決定は評価したい。しかし、まだ6人の死刑囚がいる。教祖麻原を神格化する後継集団が、東京北部、埼玉、石川といった地で組織拡大を図っている。それらはほんの一部かもしれないのだ。社会に無知な若者を凄惨な事件に巻き込む破壊集団の存在をついぞ忘れてはならないことを今回の執行は示したものと思う。
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No.3008 多感雑感
2018.07.07