政治は生きている、まさに息苦しさを覚えるほど異常な鼓動を刻んでいる。 政治の一寸先は闇 という言葉を耳にしたことのある方は少なくないと思う。それにしてもどうだろう??? これほどまでにクルクル目まぐるしく選挙目当てで議員が、政党が移り歩く姿があっただろうか。今の政治の先は一寸以上に短いと思えてならない。
今まで野党第一党として、いや4年前までは失政に終わったとはいえ政権政党を担った旧民主党現民進党が、壊滅的に新党に合流する流れを誰が予測しただろうか。
民進党はこうなる運命を自らが演じてしまったという点に置いて支持国民に対し背信を認めなければならないであろう。今回の身売り的合流?のきっかけは野田幹事長に再任を断られた蓮舫代表の辞任劇から、顔ぶれの変わらない静かな代表選を経て、その代表選直後に待ってましたとばかりに離党の手を上げる者が出た。そこへ追い打ちをかけるように口撃の達者さで名を売った元検事女性議員の不倫で役員人事がままならなかったことで民進城は国会の瓦礫と化すに至ったのだ。そもそも何故蓮舫氏だったのか、なぜまた前原氏だったのか、なぜまだ2期の山尾氏だったのか・・・。
こう考えると、やはり民進党という党は根本的に人材不足であり、その大元は野合の政党だったということに尽きるのではないだろうか。改憲派と護憲派が混在し、共産党との選挙協力希望派と敬遠派が呉越同舟していたのだから何をか言わんやであった。
思えば2009年8月の衆議院選挙で小沢一郎選挙術を配し、自民党の119に対し308議席を獲得した当時の民主党は観ている限り政治不勉強の素人集団であった。世襲議員や秘書経験者がすべて良いというわけではないが、早くから大志を抱き政治の現場に接してきた議員と、知名度や見た目だけの人物が風で議員職を得た場合とでは質が異なるのはあきらかだ。どの政党であってもチュルドレン議員の多くはその命のはかなさを証明している。
年金問題やスキャンダルを材料にした徹底した批判戦略と、女性議員を配すれば勝てるという小沢氏得意の選挙戦がメディアの風起こしとの相乗効果で功を奏したわけだが、結果的には民主党が政権政党として強く打ち出した行財政改革も手詰まり感だけが残り、若手議員の躍動感も成長も見ることのないにわか政党を露呈した。なにより、外交安全保障では国際協調と国家アイデンティティーのバランス感覚が欠如していたために国力を失わせ、リーマンショック後の経済立て直しにおいてもほとんど政策効果をあげることはなかった。
厳しい論説に終始した感もあるが、思い起こせば皆事実であったことは否定しようがない。
まだ明確ではないが、参議院はそのままに衆議院だけ望む者は新党に合流する形での選挙戦と前原氏の言葉をメディアは伝える。なんとセンスがないことかと前原氏の政治的資質を疑うのは私だけではないだろう。自らは責任をとって無所属で出馬し、当選後に合流するというが、とくに責任論に感じられない。なぜなら新党に合流すれば勝つことは間違いないと言ってるようにも聞こえるし、逆に無所属でも勝てるという自信の裏付けともとれる。また、共産党との協力で当選ラインを考えていた議員は、新党に合流すれば共産党に支援をもらわずとも済むと考えなくもない。
つまり、何でもありの何がなにやら状態と言える。
新党も金、物、人のすべてに乏しい中、既成政党の存在は利用度が高い。結局はまたまた野合の可能性もあるとすれば希望どころか失望に近い。
一昨年の4月、米議会で歴史的演説をした安倍総理の名句が「希望の同盟」というものだった。今の北朝鮮の状況を想定し、放っておけばいついかなる時でも北朝鮮の脅威が眼前から消えないとするならば、今解散するのは政治の空白を生む暴挙と叫ぶのは的を得ていないどころかのんきな平和ボケもいいところではないか。
今回の解散の大義は外交安全保障と社会保障・アベノミクスベクトルに対する信任解散と私は位置づけ、あえて「希望の解散」と命名したい。とくに北朝鮮問題は予断を許さないまま半年や1年は現状が続く可能性もある。ロシアのプーチンと、はたまたインドのモジ首相と何を語り、何を要求してきたか・・・こうした内容をマスコミが報じることはない。批判は簡単だ。ならば安倍総理にとって代わる総理候補に誰がいるというのか。
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No.2923 グチャグチャな民進身売り合流
2017.09.27