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No.2915 繰り返す挑発狂行

2017.08.29

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 北朝鮮ミサイル北海道上空通過! 横になってのんびりテレビをながめていたところでの、突然の騒々しいニュース速報にタオルケットをかっぱじいた。繰り返し耳にする強い抗議の声明とか圧力強化といった対応に動じることなくくり返すミサイル発射。それに対して発せられるのはこれまた抗議と圧力の上乗せである。
 タイトルの狂行は辞書にはない造語だが、愚行、蛮行、暴挙といった言葉では示しきれない想いからのもの。北海道の複数の自治体ではミサイル通過の緊急放送が流されている。これは正に異常事態そのものだろう。海ではなく陸地に着弾したらどうなるか。海への着弾が操業船や他の運航船に当たったならどうか。こうした場合の想定は果てしなく裾野は広くなる。今年になって知人が釧路に住む娘さん家族と同居するとして住み慣れた地を離れていったが釧路の名を耳にするたび想い出す。今朝の事態にどんな想いでいるだろうか。

 アメリカが日韓との軍事練習を頻繁に行う中、北朝鮮の挑発行為は強気一点張りの度を増している。中国による圧力強化をトランプは求めているが、中国に代わってロシアが北朝鮮に救いの手を差し出している現実はあまり報道されないし、トランプ政権からも語られない。これもおかしい。中国ですら見せかけの圧力から脱皮していない状況にあって、ロシアの行動は許しがたいと言えるもののはずだが・・・。 
 今年の5月のことだったか、北朝鮮との国境近くに戦車などの軍備を配備している事実や万峰号のウラジオスットク寄港を許可したり、ガソリンの供与を倍々増するなど、ロシアが北朝鮮のフィクサー的立場で暗躍していることは間違いのないところである。とくにガソリンに関しては中国に輸出削減を求め続け、ようやく重い腰を上げ始めたところなのにだ。
 ロシアも中国も覇権国家としてアメリカへの対抗心は並々ならぬものがあることから、自らが手を下すことなく北朝鮮が対アメリカへの先頭に立ってくれる現実をほくそ笑む状況にあると考えるのは過ぎたことではない。戦時勃発という観点ではなくアメリカ国内の政治基盤が揺れ動くことは中露にとって望むところと推察する。たまさか金正恩という独裁精神異常者が核という武器を保有しつつ、日韓を越えてアメリカへの対抗心に燃えているのは中露にとって誠に都合が良いということである。これらの国には距離が近いからといって基本的に核の脅威は向けられていない。北朝鮮は米中露のどこに核を向けても国家の破滅につながるのは金正恩といえどもわかっていると思いたい。国境を接していないアメリカが最大の標的にしやすいはずで、その手前の米同盟国である日韓への驚異増加を考慮したミサイル北海道通過と考えるべきだろう。いわゆる軽く見られている日本とは言えないだろうか。
 集団的自衛権では積極的な軍事対応は出来ない日本。今、行われている菅官房長官の記者会見でも「手を出すことがあってはならない日本」であるのが前提であるにもかかわらず政府はどんな対策を講じているのかといった質問が歯がゆい。抗議、圧力・・・これ以外に考えられる日本の出来ることがあるのだろうか。
 対話・・・通じると思うことがナンセンスだと考えるが。
 防衛費増強・・・また安倍倒閣の材料にして大騒ぎになるだろう。
 ただし、ネットで行われている各種アンケートで、防衛費を増加するべきであるという声は他のどの回答よりも多い。専守防衛の域を超えない範囲でそれを増強するための防衛費が500億円台で妥当かどうかの判断は難しいところだが、足りているということでないことは確かだろうと感じる。